こんにちは。[晩ごはん]編集部の魚住です。今年の冬は寒いですね。寒い日が続くとおいしくなるのが、かつお節のお出汁がしみた温か〜い冬野菜です。そして、そのかつお節の味に合うのが今回紹介する日本ワイン。「え?ワインと和風味って合うの?」と思ったあなた! ズバリ、合います。そして、このお料理2品に合う日本酒や日本のクラフトビールもセレクトして記事末に紹介しています。おいしいお酒とお料理で温まってください。(公開:2022年2月17日)
プロフィール お酒とお料理研究家・吉田めぐみ
★★★料理研究家/ワインエキスパート(J.S.A.)、日本ワイン検定2級、コムラード・オブ・チーズ(C.P.A.)、唎酒師(ききさけし)、野菜ソムリエプロ、江戸東京野菜コンシェルジュ、調味料ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザー、フードコーチ、ジュニア食育マイスター、IFAオリーブスペシャリスト、ABC Cooking Studio ブレッドライセンス(パン職人の経験も)など他にも資格多数(2021年7月現在)。セミナーやカルチャースクール講師、ラジオ出演、コラム連載、料理撮影協力など様々な分野で幅広く活動中★★青森野菜専門店「ひだまりマルシェ」アンバサダーとして店頭販売も(不定期)。★ミキハウス子育て総研発行の育児情報誌『Happy-Noteハッピーノート』にて、ファミリー向けレシピ、離乳食レシピを担当。また、[KAGOME VEGEDAY]にて料理再現協力。
【吉田めぐみFacebook】
大根にやさしいお出汁がしみしみ!
寒い季節になると旬を迎え、お手頃価格になる大根。鶏の手羽元とともに白だしで煮付けると、やさしい甘みとお出汁がしみしみでほっこりする味になります。おでんのようですがちょっと違う「和ポトフ」なのです。
白だしとかつお節を合わせることによって、このあと紹介する日本ワイン「キュベパピーユ 大阪white」の「出汁感」にとてもよく合います。また、ワインのほど良い酸味はミニトマトの酸味や旨味とも相性抜群。最後に柚子の皮とともに、たっぷりかけたかつお節が更なるアクセントになり、やみつきになる味です。
【冬野菜と柚子の和ポトフ】
■材料(2人分)
大根 …… 300g
鶏手羽元 …… 4本〜6本
小松菜 …… 80g
ミニトマト …… 6個
A(水…400cc、白だし…大さじ4)
黒コショウ(粗挽き) …… 少々
柚子の皮 …… 適量
かつおぶし …… お好みで
■作り方
① 大根はよく洗い、皮のまま2cmほどの半月切りにする。
② 小松菜は食べやすい長さにきる。ミニトマトはヘタをとる。
③ 鍋にAを加え、1と鶏手羽元を加えて、柔らかくなるまで煮る。
④ 最後に小松菜とミニトマトを加え、さっと火を通す。
⑤ 皿に盛り付けたら、黒コショウをかけ、柚子の千切りとかつおぶしをのせる。
アヒージョならぬ「ダシージョ」
ニンニクで香りをつけたオリーブオイルを使い、具材を煮込んで作る「アヒージョ」。これに1つかみのかつお節を入れることで、とてもよいお出汁が出て、一気に和のアヒージョならぬ「ダシージョ」になります(「ダシージョ」とは吉田めぐみ先生の新造語です)。旨味をとても感じるお料理です。
こんにゃくは、最初から味が付けてある市販の「味付けこんにゃく」を使うと時短にもなるし、味がしみていておいしいです。レンコンを入れるのはめずらしいかもしれませんが、とてもよく合います。味付けは塩のみ。ミニトマトの酸味や旨味がとてもワインが合って、バケットとともにばくばくいけます。
【玉こんにゃくとトマトのダシージョ】
■材料(2人分)
味付け玉こんにゃく …… 200g
ミニトマト …… 6個
レンコン …… 80g
ニンニク …… 1片弱
鷹の爪 …… 1本
オリーブオイル …… 100cc
塩 …… 小さじ1/3
かつおぶし …… 1つかみ
万能ネギ(小口切り) …… 適量
バゲット …… お好みで
■作り方
① 味付け玉こんにゃくは半分に切る。味のついたこんにゃくであれば、玉こんにゃくでなくても良い。
② ミニトマトはヘタを取る。レンコンは皮を剥いて、5mm幅の半月切りかいちょう切りにし、水にしたして、灰汁を抜き、水洗いしてから、水気を拭き取る。ニンニクはみじん切りにする。
③ 小さいフライパンもしくはスキレットに、万能ネギとバゲット以外の材料を全て入れて、弱火から中火で、火を通す。最後に万能ネギを散らして、お好みでバゲットにつけていただく。
本日の逸本:「キュベパピーユ 大阪white」
カテゴリ:白ワイン
使用ブドウ品種:大阪府産デラウェア
タイプ:辛口
アルコール度数:13%
生産年度:2020年
容量:750ml
■フジマルの自社畑はブドウ産地として100年以上の歴史を持つ大阪府柏原市にあります。そこで丹精込めて育てたデラウェアを100%使ったのがこの白ワイン。2020 年のブドウたちは 7 月の長雨に耐え抜き、8月の快晴続きで陽の光をいっぱいに浴びて一気に熟し、糖も酸もしっかりのパワフルなブドウに育ってくれました。そのブドウを優しく搾って自然発酵後ステンレスタンクで11ヶ月熟成させた白ワインに、醸し発酵して同様に11カ月熟成させたオレンジワインを約8%ブレンド。このブレンドによって、果皮部分に含まれるデラウェアらしい優しい香味がより豊かで、白ワインの温度帯から少し高めの温度までの変化も楽しんでいただけます。(「FUJIMARU WINE SHOP」より引用)
■島之内フジマル醸造所(大阪府大阪府大阪市中央区)
FUJIMARU WINE SHOP
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●ワインエキスパートでもある吉田めぐみ先生からの晩酌コメント
この「キュベパピーユ 大阪white 2020」をつくっている「島之内フジマル醸造所」は2013年(平成25年)、大阪市島之内に創業された都市型ワイナリー。ワインの醸造と販売。また、レストラン併設の東京・都市型ワイナリー「清澄白河フジマル醸造所」を2015年(平成27年)に創設しました。
「清澄白河フジマル醸造所」には2017年に私もお話を聞きにうかがい、それからというもの、ちょくちょくワインを購入しに行っています。その時の「アークのブログ」記事『東京にあるワイナリー「清澄白河フジマル醸造所」を訪ねました!』をお読みください。都市型ワイナリーで醸されるおいしいワインの情報が分かります。
さて、この「キュベパピーユ 大阪white 2020」は近年、流行っている「オレンジワイン」と呼ばれる、白ワイン(赤ワインのように、果皮や種ごと白ブドウを醸したワインのこと)も少しブレンドされています。そのせいか、果皮の心地よい渋みや香りなども感じられ、白ワインでありながら、ワイン自体に厚みや深みを感じられる作りになっています。
それゆえに、多くの日本ワインに見られる特徴である、「出汁感」をとても豊かに感じられる作り。だから、このワインには、お出汁を使ったお料理がとてもぴったりです。そして、ワインをいただいた時にまるで雷にうたれたように「かつお節と合う!」と気づきました。衝撃でした。昆布でお出汁を取った白だしやかつお節などを使ったお料理には相性抜群なのです。ぜひ、お料理2品とも作ってみて、そのおいしさを確かめてください。
■日本ワイン以外でも「お出汁」と相性が良いお酒
日本酒
「田酒 特別純米酒」(西田酒造店/青森県青森市) http://www.densyu.co.jp/
明治11年(1878年)創業の青森市唯一の酒蔵・西田酒造店の銘酒「田酒」。この日本酒も温かいお鍋との相性が抜群です。「冷や」でもおいしいですが、こちらは「熱燗」がおすすめ。この季節の白子鍋と田酒との相性は素晴らしかったです。純米酒らしい深みのある味わいも感じつつ、どこか吟醸っぽいエレガントさやキレも感じられるバランスの良い日本酒です。
日本のクラフトビール
「パープルスカイ ペールエール」
(ワイマーケットブルーイング/愛知県名古屋市)
https://craftbeer.nagoya/
以前、紹介したワイマーケットブルーイングのクラフトビールも冬の時期の煮込みやお鍋にぴったりです。「ペールエール」は元々、香りが特徴のビール。また主張しすぎないエレガントな味わいにも特徴があります。こちらのビールは今回ご紹介した「冬野菜と柚子の和ポトフ」にも相性が抜群で、柚子の香りも合います。繊細な和食や柚子胡椒をつけて食べるお鍋のおともにも。思わずうなるおいしさです。
●レシピ・調理・お酒セレクト= 吉田めぐみ(お酒とお料理研究家)
●撮影= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
●編集・WordPress= 魚住陽向(編集者、小説家)
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