第8回:発酵食品どうし!チーズ料理と日本酒のマリアージュ[晩ごはん何食べたい?]

皆さん、チーズ料理ですよ! 今回はついに、吉田めぐみ先生が「コムラード・オブ・チーズ」という資格を取得してから初のチーズ料理です。「チーズといえばワイン」なんてついついセットで考えがちですが、今回はなんと日本酒! それも「ひやおろし」なんです。春に仕込み、ひと夏熟成させ、9月にできたばかりの純米酒。秋限定です。これが呑みやすくて、チーズと良く合うんですよ。お試しあれ!(公開:2021年10月15日)

プロフィール お酒とお料理研究家・吉田めぐみ
★★★料理研究家/ワインエキスパート(J.S.A.)、日本ワイン検定2級、コムラード・オブ・チーズ(C.P.A.)、唎酒師(ききさけし)、野菜ソムリエプロ、江戸東京野菜コンシェルジュ、調味料ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザー、フードコーチ、ジュニア食育マイスター、IFAオリーブスペシャリスト、ABC Cooking Studio ブレッドライセンス(パン職人の経験も)など他にも資格多数(2021年7月現在)。セミナーやカルチャースクール講師、ラジオ出演、コラム連載、料理撮影協力など様々な分野で幅広く活動中★★青森野菜専門店「ひだまりマルシェ」アンバサダーとして店頭販売も(不定期)。★ミキハウス子育て総研発行の育児情報誌Happy-Noteハッピーノートにて、ファミリー向けレシピ、離乳食レシピを担当。また、[KAGOME VEGEDAY]にて料理再現協力。
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え?クリームシチューをご飯にかける?

「シチューライス」と聞いて、「え?」「カレーライスじゃなくて?」となった人もいるはず。カレーライスとは別物と考えてください。地域によっても考え方が異なり、シチューといえば「ハウス食品」も2017年にこんな調査『クリームシチュー「ご飯にかける?わける?」全国調査で「かけ」派が健闘した地域は?』を実施していたようですが、結果よりも「とにかく食べてみて!」いただきたいのです。

ご飯には特に味付けなしでもブルーチーズの塩味だけでバッチリ。たっぷりのキノコとブルーチーズの風味が良く合うし、チーズが全体を引き締めてくれていて、うま味とコクが深い味わいを出していてかなりオススメです。煮込んでリゾットにしてもおいしいですし、ご飯の代わりにパスタやペンネを使ってもGOOD! とにかく試してみてほしいです。

【たっぷりキノコとブルーチーズのシチューライス】

■材料(2人分)
シメジ …… 50g
マイタケ …… 50g
エリンギ …… 50g
ベーコン …… 2枚
オリーブオイル …… 適量
塩こしょう …… 少々
酒 …… 大さじ1/2
ブルーチーズ …… 40g
生クリーム …… 100cc
牛乳 …… 100cc
牛乳で溶いた片栗粉 …… 牛乳と片栗粉:各小さじ1/2
茹でたブロッコリー(小房) …… 6房
ご飯 …… 2膳分
くるみ …… 適量
パセリ(みじん切り) …… 適量

■作り方
① キノコ類は、石突きを取り、バラバラにする。エリンギは、食べやすい大きさに切る。ベーコンは短冊切りにする。
② フライパンにオリーブオイルを熱し、①を炒める。塩こしょうをして、酒を入れる。
③ しんなりしてきたら、生クリームと小さくちぎったブルーチーズを入れて、弱火で、ブルーチーズを溶かす。
④ 牛乳を加えて、弱火〜中火でゆっくり火を通す。最後にブロッコリーを加える。
⑤ 皿にご飯を盛り付け、④をかける。くるみを細かくして散らし、ご飯の上にはパセリを散らす。

チーズとキムチの最強タッグ!

近年、キムチとチーズの組み合わせの料理が大ブームで「チーズダッカルビ」「チヂミ」「キンパ」だけでなく、トースト、炒飯、餃子など、定番メニューに入れる食べ方が大人気。それだけでなく「スンドゥブ」にもチーズを入れるととてもおいしいのです。

エビやイカなどバラエティーに富んだ海鮮を入れるのもいいですが、シンプルにアサリだけに絞ったレシピが大正解! 熱々ピリ辛で豆腐をハフハフ言いながら食べ、卵の黄身で辛さを和らげるととても良い味変になって、二度楽しめますよ。

【アサリのチーズスンドゥブ】

■材料(2人前)
絹ごし豆腐 …… 200g
アサリ …… 200g
キムチ …… 100g
卵 …… 2個
溶けるチーズ …… 60g
A(水…400cc、豆板醤…小さじ2、味噌…小さじ1、鶏ガラスープの素…小さじ1)
万能ネギ(小口切り) …… 適量

■作り方
① 鍋にAを入れて沸騰させる。
② ①に砂出ししたアサリとキムチを加える。
③ アサリが開いたら、食べやすい大きさに切った豆腐を加えて、卵を落とす。周りに溶けるチーズを散らし、蓋をして弱火で、卵に火が入るまで加熱する。
④ 最後に万能ネギを散らす。

本日の逸本:日本酒「ひやおろし 秋櫻 純米」

●ひやおろし 秋櫻(こすもす)純米

原料米:広島県産米
精米歩合:60%
日本酒度:+6
アルコール度数:15%
サイズ:720ml/1800ml

富久長の季節商品として最も人気のある「秋桜(こすもす)」
夏の間にゆっくりと熟成し、秋に旬を迎える様々な食材と引き立て合う、料理に合わせやすい一本です。(富久長サイトより引用)

今田酒造本店(広島県東広島市安芸津町)
「富久長」公式サイト→ https://fukucho.info/
取扱店情報→ https://fukucho.info/?mode=f6#hokkaidotohoku
詳細→ https://fukucho.info/?pid=153027572

●唎酒師(ききさけし)でもある吉田めぐみ先生からの晩酌コメント

そもそも、日本酒は発酵食品なので、チーズとも発酵食品どうしで、とても相性が良いのです。それぞれの発酵食品に備わっている旨味も、相乗効果を生み出します。「スンドゥブ」に至っては、キムチも発酵食品として加わるので、旨味がさらに倍増です!

今回紹介した「秋桜」をつくる「富久長」は、吟醸造りに徹底して高品質の吟醸酒だけを醸す蔵。そして、広島県安芸津町は日本で初めて軟水醸造法を確立し、吟醸酒を発明した広島杜氏の里です。百年以上に渡り、受け継がれた伝統と技術力で、「広島吟醸」の魅力を世界に発信しているのです。

そして、「富久長」のお酒は、女性の杜氏さんがつくられたお酒です。いろいろな日本酒を味わっていると、男性的な力強いお酒もあれば、女性的な繊細なお酒のニュアンスを感じるお酒があったりするのですが、こちらのお酒は、絶対的に、女性の繊細さを持ち合わせたとても美しいお酒です。

繊細ながらも、「ひやおろし」特有の旨味の強さや複雑味も感じることができます。こちらは純米酒なので、冷やして飲むもよし、常温でもよし、少し温めていただくもよしと、幅広い温度帯でお楽しみいただけます。

チーズの中でも複雑味のあるブルーチーズとの相性も抜群です。
日本酒は一般的に、「爽酒」「薫酒」「醇酒」「熟酒」の4パターンに分けることができますが、「純米酒」は、その中で「醇酒」に分類されます。

「醇酒」は、コクのあるタイプ。合わせるお料理は、アクの強い食材や発酵食品、生クリームやバターを使用した洋食系と相性が良いとされていますので、今回ご提案させていただいたお料理はとても理にかなっていると言えます。秋の夜長は日本酒とチーズ料理でゆっくりと楽しんでください。

●レシピ・調理・お酒セレクト= 吉田めぐみ(お酒とお料理研究家)
●撮影= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ
●編集・WordPress= 魚住陽向編集者、ライター、小説家

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