トマト料理×スパークリングワインで真っ赤なトマトになっちゃいな![晩ごはん何食べたい?第6回]

ついつい、大友克洋の名作マンガ『童夢』に出てくるあのセリフが出てきちゃいますね。ちょっと不吉ですが(笑)真っ赤なトマトに罪はないですよね。今回のお料理とお酒はとにかく赤! 赤といっても激辛料理ではありません。赤は食欲をそそる色です。食欲のない酷暑には真っ赤なトマト料理とルビー色のスパークリングワインを楽しんでください。今回のお料理も「晩ごはん」じゃなく「昼ごはん」でもいいですし、お酒が飲めない人でもおいしく夏を満喫できます。(公開:2021年8月2日)

■そのうちチーズ料理特集もやりたいですね♡
お酒とお料理研究家・吉田めぐみ

★★★料理研究家/ワインエキスパート(J.S.A.)、日本ワイン検定2級コムラード・オブ・チーズ(C.P.A.)、唎酒師(ききざけし)、野菜ソムリエプロ、江戸東京野菜コンシェルジュ、調味料ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザー、フードコーチ、ジュニア食育マイスター、IFAオリーブスペシャリスト、ABC Cooking Studio ブレッドライセンス(パン職人の経験も)など他にも資格多数(2021年7月現在)。セミナーやカルチャースクール講師、ラジオ出演、コラム連載、料理撮影協力など様々な分野で幅広く活動中★★青森野菜専門店「ひだまりマルシェ」アンバサダーとして店頭販売も(不定期)。★ミキハウス子育て総研発行の育児情報誌Happy-Noteハッピーノートにて、ファミリー向けレシピ、離乳食レシピを担当。また、[KAGOME VEGEDAY]にて料理再現協力。
【吉田めぐみFacebook】

おいしさをギュッと詰め込んだトマト料理

夏が旬のトマトを使用して作る、簡単で時短な「ファルシー」という詰め物料理です。
ファルシーとは、フランス語で「詰める」を意味するファルシ(farcir)が語源。日本ではピーマンの肉詰めやロールキャベツなどがファルシーの有名どころです。

ファルシーは本来、生のまま肉を詰めて、オーブントースターで長時間焼く工程があります。でも予め、その肉をタマネギと炒めてから、くり抜いたトマトカップに詰め、オーブントースターで焼くので、調理時間が短縮……そう、時短になるのです。

トマトをくり抜いて、カップになった部分にぎゅぎゅっとおいしさを詰め込んだカワイイ料理。家族みんなに喜ばれると思います。

【トマトのカップグラタン】

■材料(2人分)
合い挽き肉 …… 100g
タマネギ …… 1/4個
トマト …… 2個
塩 …… 小さじ1/3
こしょう …… 少々
ナツメグ …… 少々
オリーブオイル …… 適量
溶けるチーズ …… 大さじ2
パセリ(乾燥) …… お好みで

■作り方
① タマネギはみじん切りに、トマトはヘタから1cmくらいを切り落とし、中身をくり抜く。中身もみじん切りにする。
② フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎを炒める。火が通ってきたら、合い挽き肉を加え炒める。
③ 火が通ったら、トマトの中身と塩こしょう、ナツメグを入れて、汁気がなくなるまで炒める。
④ くり抜いたトマトに3を加えて、溶けるチーズをのせ、蓋も一緒にオーブントースターで、チーズが溶け、焼き色がつくまで焼く。
⑤ パセリをふる。

冷たいそうめんをトマトでつるっと!

ロングパスタのうち、とても細い種類を「カペッリーニ」といいます。直径 1.3 mm未満で日本のそうめんとほぼ同じ太さです。そこで、そうめんを使って、カッペリーニ風にしました。夏が旬のトマトやオクラも加え、ネバネバさっぱりでいただきます。また、ツナ缶と大葉がアクセントになって、ぐっとうま味を引き出してくれています。

ソースはトマトジュースで作ります。また日頃から、普通のそうめんを食べる時にも、下記の「材料」にある「A」の分量を半分(トマトジュース…100cc、水…大さじ1と1/2、めんつゆ(2倍濃縮)…大さじ2)にした「トマトつゆ」でいただくと昼ごはんのそうめんが楽しくなります。試してみてください。

【トマトとオクラのカッペリーニ風】

■材料(2人分)
ミニトマト …… 6個
オクラ …… 4本
ツナ缶 …… 1缶
大葉 …… 10枚
ミョウガ …… 2本
A(トマトジュース…200cc、水…大さじ3、めんつゆ(2倍濃縮)…大さじ4)
黒コショウ …… 少々
そうめん …… 3束

■作り方
① ミニトマトはヘタをとり、4分割にする。オクラは茹でて小口切りに。大葉とミョウガは千切りにする。
② そうめんは茹でて水でしめ、水けをよく切っておく。
③ 器にAを加え、その上に①と②とツナを飾る。黒コショウをかける。

本日の逸本:スパークリングワイン「2020 ルビーの泡」

●2020 ルビーの泡

カテゴリ:スパークリング/赤ワイン
生産年度:2020年
タイプ:辛口 750ml
味わい:シャープ 
アルコール分:12.5%
酸度:5.8g/L.
産地:栃木県
品種:小公子 100%

■紅くきらめく「ルビーの泡」
葡萄品種「小公子」の果実味や酸味を活かしたスパークリングワインです。野生酵母だけで造られた豊かで元気な泡、透きとおるルビー色、きれいな酸味。スパークリングワインの爽やかさと赤ワインのリッチな果実味。いいとこどりのワインです。酸化防止剤を加えていません。よく冷やしてどうぞ。(ココ・ファーム・ワイナリー公式サイトより引用)

■ココ・ファーム・ワイナリー(栃木県足利市)
公式サイト→ https://cocowine.com/
オンラインショップ→ https://cocowineshop.com/SHOP/ADB-3576.html
詳細→ https://cocowine.com/ds/p3576/

●ワインエキスパートでもある吉田めぐみ先生からの晩酌コメント

ワインのペアリングの方法はいろいろとあります。ペアリングは色で合わせることも多いのです。今回は「ルビーの泡」のドライな印象と料理との色合いで合わせてみました。

また、トマトの酸味やうま味、コクとの相性も抜群です。そして、「ルビーの泡」に使われている小公子という葡萄品種は少し野生味(み)があるので、お肉料理ととても相性が良いのです。

この「ルビーの泡」をはじめとして、今では数多くの日本ワインをつくる「ココ・ファーム・ワイナリー」が設立されたのは1980年(昭和55年)のことですが、そこまでの道のりは簡単なものではありませんでした。

栃木県足利市にある特殊学級の中学生たちと担任教師・川田昇氏によって山の急斜面に葡萄畑が開墾されたのが1958年(昭和33年)。この葡萄畑の麓に、指定障害者支援施設「こころみ学園」が設立されたのは1969年(昭和44年)のことです。

知的障害を持つ人たちとともにワインをつくろうとしましたが、社会福祉法人には「果実酒製造免許」がおりません。そこで、こころみ学園園長である川田氏に賛同した保護者たちによって「有限会社ココ・ファーム・ワイナリー」が設立され、1984年(昭和59年)に「果実酒製造免許」がおりました。

それからというもの、こころみ学園の園生たちが、葡萄を愛し、手作業でワインを醸し、自分たちの、そして人々の人生を豊かにしてくれています。

公式サイトを見ると、とても素敵なワイナリーです。世の中が落ち着いたら、その時には見学やテイスティング、ショップやカフェにうかがいたいと思います。その日が来るのを心より楽しみにしております。ワインなどの注文はオンラインショップにてどうぞ。

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●レシピ・調理・お酒セレクト= 吉田めぐみ(お酒とお料理研究家)
●撮影= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ
●編集・WordPress= 魚住陽向編集者、ライター、小説家