おうちで手びねり陶芸!初心者のあなたもできるかも!?

こんにちは。ものづくりが大好きな編集者・魚住です。11月に開催された「アートウィーク東京」が楽しすぎて自分でも何か作ってみたくなりました。すると、どうでしょう! アーク社内に陶芸アーティストがいるではありませんか! 早速、器を作る工程を教えてもらいました。皆さんにも手びねり陶芸を紹介します。そして、普段の陶芸作品も見せてもらいました。いろんな意味で驚きますよ。(公開:2021年12月9日)

「手びねり」とは:陶芸には、電動ろくろを使用せずに作る「手びねり」という作り方があります。電動ろくろを使うポピュラーな作り方は、回転を利用して作るので完成する器の形が限られますが、「手びねり」の場合は形の制限がありません。テーブルの上で、粘土を手でこねて陶器を製作する「手びねり」だと、様々な形の皿や器を作ることができ、細かなパーツを組み合わせたり、型でくり抜いて作成することも可能です。

シンプルで実用的な器づくりに挑戦!

はじめまして。アークの国内ガイドブック制作チームで編集補助をしているkanaです。今年(2021年)は編集担当のお手伝いをした『横浜・鎌倉半日さんぽ』がヒットして嬉しかったです。最近は、平日の夜や休日を利用してプライベートな創作活動をしています。

意外にも(?)今まで器は作ったことがなかったのですが、魚住さんに「カップでも小鉢でもボウルでもいいので、実用的な器を作って工程を教えて!」と頼まれて、初めての器づくりをしてみました。

まず私の場合、道具は「ゴムベラ」「筆」を主に使っています。粘土は、磁土を使うことが多いです。焼きしめた粘土の質感が好きなので、釉薬はあまり使いませんが、透明釉はポイントで使用しています。
粘土や釉薬などの材料は「彩里陶材」(埼玉県上尾市原市北1-9-14)という専門店に足を運んで購入しています。また、「陶芸.com」というネット通販を利用することもあります。さて、工程写真をご覧ください。

■工程の説明
粘土を丸める(丸める時は空気を抜くため、机にばんばん叩きつける)
団子の真ん中あたりから凹みを作り、上へ引き延ばして(つまんで)いく感覚 ※底へ貫通させないように注意&厚みが均一になるように!
③④厚みが均一になるように伸ばしていく
形を整える
持ち手を作って、接着面に傷を付ける。
傷の部分に「ドベ」(作品と同じ粘土を使い、細かく千切り、水で泥状にしたもの)を付けて接着し、持ち手を付ける
1〜2週間ほど乾燥させる

乾燥させたら、陶芸用の窯で焼いてもらいます(焼いてもらう時は1つよりも複数持っていった方がいいです)。陶芸用の窯は、ホームセンターや陶芸教室がある区立・市立の公民館などに設置している場合もあります。ただし、陶芸窯の利用に際しては、使用条件があることも多く、相談や問い合わせをすることが重要です。もちろん、突然訪ねたりせず、予約は必須!

ここでアドバイス! 「おうちで手びねり陶芸」をやる際に、「初回だけ、陶芸教室」&「手びねり体験ができる工房」に行っておくのがオススメです。そこでは、様々な情報を教えてもらったり、実体験しておいてコツをつかんだり、焼いてもらえるつながりができるからです。その後、「おうちで手びねり陶芸」を続けていくにも安心感があるのです。あとは1人で休日に、おうちで黙々と陶芸に打ち込めますよ。今回は東京都内の「手びねり体験ができる工房」をお知らせしますが、東京以外の方は「近くの 陶芸教室 手びねり」検索してみてください。

手びねり体験ができる工房(東京都内の一例)
※「工房が開いているか」「手びねり体験ができるか」など最新の情報は電話やメールで問い合わせのうえ、必ず確認してください。
●うづまこ陶芸教室(東京都港区芝3-29-11 清水ハウス1F/03-6809-6363)
●白金陶芸教室(東京都港区白金5-13-4/03-6318-5858)
●日本橋陶芸倶楽部(東京都中央区日本橋本町4-6-10 サトービル10F/03-3242-5717)
●陶芸教室dakota工房(東京都台東区寿4-6-11/03-6318-9920)
●東京竜泉窯 陶芸教室(東京都台東区竜泉1-31-7/03-3873-6501)
●東京・上野の陶芸教室 ゆしま陶芸倶楽部(東京都文京区湯島3-45-7/03-3834-5688)
●陶芸.com 陶芸教室(東京都豊島区西池袋1-15-9 西池第一ビル8F/03-5979-1891)
●陶房かたち(東京都荒川区町屋3-14-1/03-3892-5090)
●陶芸工房喜器(東京都足立区西新井2-9-7/03-3890-3851)
●師楽(東京都町田市高ヶ坂1-4-15/042-721-3021)

普段の創作活動について

「アーティスト」とか「創作活動」なんてちょっと恥ずかしいのですが、少しだけ……。陶芸を始めたのは大学に入ってからです。多摩美術大学の工芸学科陶専攻を卒業後に、同大学大学院の美術研究科修士課程工芸専攻を修了しています。「陶芸」を学ぶといっても器を作っていたわけではなく、私が多摩美でやっていたのは「陶で表現する」「陶でつくる」ということです。陶を素材にして作品制作をしていました。でも、卒業とともに「陶芸」からは完全離脱していました。

ところが、今年(2021年)はじめ頃、ふと粘土が恋しくなり、体験教室に参加したところ一気に再燃してしまい、帰宅後すぐに道具を引っ張り出して陶芸を再開しました。今では、仕事から帰宅後と週末にほぼ毎日作陶しています。

▲しらこちゃん

大学1年生の時から主に、ころんとしたやわらかい形に口(歯)を付けたよくわからない丸く白い生物を作っていて、今も同じモチーフで制作を続けています。もう10年以上の付き合いですが、自分でも気に入っているせいか不思議と飽きることはありません。

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

この子は「しらこ」ちゃんと呼んでいます。ちゃんと「歯」も作っています。

 * * * *
さて! 魚住は、kanaさんの作品について「おもしろーい!」「ヘンタイちっくだけど超カワイイ!」「ちょっと夜見ると怖いかもしれないけど目が離せない!」と本気で絶賛しています(しらこちゃん以外で、ひもで縛られている作品を「しばり地蔵」と呼んだり)。しらこちゃんを1匹、家に連れて帰りたいです(笑)。伝統工芸としての陶芸の器は人気がありますが、「陶芸の現代アート」はそれ自体がマイナーだし、今のところは発表の場もネット上とかSNSしかありません。でも、もしご興味ある方はSNSで彼女の作品を見ていただけたら嬉しいです。フォローもしてね。

それから、「アートウィーク東京」を見て思ったこと。「絵画」「写真」「オブジェ」の展示はありましたが、「陶芸アート」「彫刻」などの立体的な造形作品がなかったような気がします(あったらすみません)。若手選抜アーティスト枠など設けてほしいな。来年(2022年)はkanaさんの作品が展示されるといいなと本気で思っています。ということで、今年の「芸術の秋」も満喫できました!

▲画像は左右にスライドできます

●作陶・撮影(一部を除く)= kana(アーク・コミュニケーションズ)
●文章協力・編集・写真レタッチ・WordPress= 魚住陽向編集者・小説家

国内ガイドブック制作チームが制作した書籍の例