[アートウィーク東京]は東京都内50ヵ所のアートスポットをバスで巡る神イベント!

こんにちは。アート好きの編集者・魚住です。2021年11月4日〜7日の4日間、東京都内で興味深いアートイベントが開催されました。今まで聞いたことのないような試みです。世界初や初挑戦が大好物な魚住は超ワクワク! まるで遠足気分です。4日間で全4ルート。これは全ルート制覇しかない! 遠足は準備が大切です。遠足のしおりまで作っての参戦。さぁ、どんなイベントだったのか。来年(2022年)参戦希望の方にも分かりやすく案内します!(公開:2021年11月29日)

[ART WEEK TOKYO:アートウィーク東京]
会期:2021年11月4日(木)〜7日(日)
時間:10:00〜18:00
※東京オペラシティアートギャラリー、ワタリウム美術館は11時開館
会場:美術館6館、ギャラリー44軒、AWTインフォメーションセンター(東京都港区南青山5-4-30)
主催:一般社団法人 コンテンポラリーアートプラットフォーム(JCAP)
協力:Art Basel(アートバーゼル)、一般社団法人 日本現代美術商協会 (CADAN)
URL:https://www.artweektokyo.com/

[ART WEEK TOKYO]と「アートバス」

[ART WEEK TOKYO]は、現代アートを牽引してきた50のアートスポット(東京都内の美術館6館、ギャラリー44軒)を「アートバス」で巡る、かつてない規模&超絶楽しい仕掛け満載のアートイベントです。行き先が全員同じというバスツアーとは全然違います。

●「アートバス」は10時から18時まで巡回。それぞれのバスは15分間隔で運行し、会場となる全ての美術館とギャラリーをつなぎます。
●「アートバス」には4つのルート(ABCD)があり、それぞれのルートで異なるアートをバスの中に展示。バス乗車中にも楽しめるアートが用意されています。

▲オリジナルトートバッグはこのイベントで大活躍!

●バス停は各アートスポットの前。自分の場所に近いバス停から乗車し、好きなバス停で下車したりと、何度も再乗車が可能です。また、各ルートをつなぐスポットがあるので、別ルートに乗り換えることも可能。
●アートバスへの乗車にはAWTパスのご購入が必要。1日何度もバス乗り降り自由で1000円って安くないですか? カップルで1日巡ってもペアパスは1800円とお得! 私は全ルート制覇するので4日間通しパスを2000円で購入。なんてリーズナブルなんでしょう!

※中学生以下は無料ですが「無料のパス」を購入すること。パスがないと乗車できません。※AWTパスは「バス周遊券と美術館入場割引チケット」です。ギャラリーはほとんど入場無料ですが、美術館の場合は入館料が必要。

▲バス乗車時に確認されます。4日間通しのパスはゴム製リング(他のパスは紙製リング)

さぁ、アートの遠足へでかけよう!

私の好きな画家は、マックスフィールド・パリッシュロバート・フレデリック・ブルーム。数年前に日本画家でイラストレーターの布施月子さんの絵を購入し、額装したことがあります(アークのブログ『日本画のオーナーになって、世界堂で額装してもらいました!』)。
絵画展を(アークのブログ『練馬区立美術館の「電線絵画展」は昭和ノスタルジーを感じる文化遺産』)を見に行ったりもしますが、個人的なアート鑑賞スペックはこの程度です。

「アートなんて理解できない!」と思っているあなた! 正直言うと私だって全然分かんないです。でも、人間のパワーと感覚っておもしろいじゃないですか。それをわざわざ表現する気合いと能力ってすごいですよ。「こんな絵描けるんだ!」「私には描けないからすごい!」「変なの〜(笑)」「すごいパワーを感じる」「悲しい気持ちなんとなく分かる…」「魂アツいぜ!」こんな感想でいいと思います。ちょっとでも気持ちが動けばアートだと私は思います。

▲感染症対策・安全対策はバッチリです

ちなみに、このイベントを知ったのは毎朝聴いているラジオ番組「伊集院光とらじおと」。水曜日の「アレコード」コーナーで音楽評論家の湯浅学さんが告知していたから。「バスに乗って音楽&トークが聴けてアートを見て巡るイベント?」すぐに検索してみました。
「これはおもしろそう。 許可いただいて1人で取材して全部回りたい!」と、チケット購入し、イベント運営の広報さんにメールして許可を頂きました。嬉しい!

写真に関しては訪れたギャラリーに毎回「撮影してもいいですか?」と聞いてから撮影しています。ギャラリーさんはほぼOK(作家や作品によってNG)。美術館は、許可をくれたワタリウム美術館と東京都写真美術館だけ撮影しました。結構、遠慮して鑑賞だけしていた人が多く、私が撮影OKをもらうと「え?いいんだ!」と急に撮影開始(笑)。皆さんもギャラリーを訪れたら撮影&SNSはOKかどうか聞いてね(OKもらったらSNSにタグ付け投稿しよう)。

▲各バス停には案内スタッフが1日中立っています。お疲れ様でした!

「全ルート制覇!」はしますが、たった1人では時間的・体力的に全ギャラリーは無理なので、最初にある程度、予習の上で絞り込んでセレクト。でも当日、気が変われば、訪れるギャラリーを増やしたり、減らしたり。その日によって自由に選べて、バスを乗り降りできるところがこのイベントのメリット。バスを1台やり過ごしても15分も待てばすぐにやって来るわけですから。

取材でありながらかなりワクワク感が高い遠足気分なので、ミニクロッキー帳を買ってきて「遠足のしおり」を作ってみました。[ART WEEK TOKYO]サイトの文字情報を切って貼っただけですが(この「遠足のしおり」がきっかけでいろんな人とお話できました)。スマホのバッテリーが壊れていて、すぐ瀕死状態に陥るので、今回はアナログで参ります! それでは、一眼レフカメラを抱えて1人で[ART WEEK TOKYO]へレッツゴーです!

11月4日(木)_ルートD

D1:オオタファインアーツKOTARO NUKAGA小山登美夫ギャラリーシュウゴアーツタカ・イシイギャラリーTARO NASUペロタン東京Yutaka Kikutake Gallery(六本木)
D2:AWTインフォメーションセンター(表参道)
D3:ファーガス・マカフリー 東京(表参道)
D4:ワタリウム美術館(外苑前)
D5:WAITINGROOMMaki Fine Arts(江戸川橋)
D6:東京国立近代美術館(竹橋)

D4:ワタリウム美術館「梅津庸一展 ポリネーター」(〜2022年1/16)
D4:ワタリウム美術館
D4:ワタリウム美術館
D4:ワタリウム美術館
D4:ワタリウム美術館
D2:AWTインフォメーションセンター
D2:AWTインフォメーションセンター

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

まず、ルートDからスタートした理由は、最初にインフォメーションセンターに行きたかったから。そこでオリジナルトートバッグを購入したかったのです。このトートバッグは何かと便利。各バス停はエリア名プレートが立っているわけではなく、案内スタッフがカラフルなトートバッグを目印代わりに持って立っています。こちらが持っているトートバッグもスタッフ側からは参加者の目印。良いアイデアです。

D3:ファーガス・マカフリー 東京「Jasper Johns: Eyes in the Persistence of Form」(〜12/18)
D3:ファーガス・マカフリー 東京「Jasper Johns: Eyes in the Persistence of Form」(〜12/18)
D5:WAITINGROOM「エキソニモ CONNECT THE RANDOM DOTS」
D5:WAITINGROOM「エキソニモ CONNECT THE RANDOM DOTS」
D5:WAITINGROOM「エキソニモ CONNECT THE RANDOM DOTS」
D6:東京国立近代美術館「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」(〜2022年2/13)
D6:東京国立近代美術館「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」(〜2022年2/13)

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

アートバスに乗車する(バス車内にも案内スタッフがいます)と楽しめるアート企画がルート毎に用意されています。Dルートのアートは、各座席前にカードが下げられており、それに表示されたQRコードをスマホで読み込むと、音声ガイドが聴くことができるサイトへ。高山明さんによる「戦争画/ヘテロトピアー東京国立近代美術館編」が展示されているのです。

初日はドキドキしていましたが、案内スタッフは皆さん親切だし、訪れたギャラリーさんはどこも撮影OKでやさしくて、ホッとしました。天気も良くて(4日間とも晴れてよかった!)小春日和に気持ちよくなって、D5のギャラリーの近所にあった蕎麦屋「石切橋 浅野屋」に入って鶏南蛮そばをいただきました。これぞ、アート遠足です。

11月5日(金)_ルートB

B1:東京国立近代美術館(竹橋)
B2:タグチファインアート(新日本橋)
B3:無人島プロダクション(錦糸町)
B4:KANA KAWANISHI GALLERY(清澄白河)
B5:ハギワラプロジェクツ(清澄白河)
B6:アーティゾン美術館(京橋)
B7:ギャラリー小柳日動コンテンポラリーアート(銀座)
B8:THE CLUB東京画廊+BTAP(銀座)
B9:rin art association @ CADAN 有楽町(有楽町)
B10:PGI(赤羽橋)
B11:Take Ninagawa(麻布十番)
B12:森美術館(六本木)

B3:無人島プロダクション「風間サチコ ディスリンピアン2021」
B3:無人島プロダクション「風間サチコ ディスリンピアン2021」
B4:KANA KAWANISHI GALLERY「森山泰地 木を見て森を見る」(〜12/11)
B4:KANA KAWANISHI GALLERY「森山泰地 木を見て森を見る」(〜12/11)
5:ハギワラプロジェクツ「横井七菜 Crumble」
5:ハギワラプロジェクツ「横井七菜 Crumble」
B6:アーティゾン美術館(京橋)※元「ブリヂストン美術館」
B7:ギャラリー小柳「橋本晶子 I saw it, it was yours.」
B7:ギャラリー小柳「橋本晶子 I saw it, it was yours.」

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

計画当初、11/5(金)はルートCを廻る予定でいました。でも、なんとなく「このルートは人気が高そうだな」と感じ、「ルートBは土日だと混みそうだから平日のうちに廻ろう」と急遽変更。あとで、案内スタッフさんと話していたら「その判断は正解です。ルートBは銀座を通るので、日曜日は歩行者天国があって、大変なことになるかも」とのこと。なるほど、良い情報!(道路の混雑に備えて、このルートBではバス10台を巡回させているのだそう)。

B11:Take Ninagawa「大竹伸朗 残景」(〜12/18)
B11:Take Ninagawa「大竹伸朗 残景」(〜12/18)
B11:Take Ninagawa「大竹伸朗 残景」(〜12/18)
B11:Take Ninagawa「大竹伸朗 残景」(〜12/18)
B11:Take Ninagawa「大竹伸朗 残景」(〜12/18)
B10:PGI『現代ダゲレオタイピスト展「ケア:今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」』
B10:PGI『現代ダゲレオタイピスト展「ケア:今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」』
B10:PGI『現代ダゲレオタイピスト展「ケア:今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」』

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このイベント参加目的のひとつ、ルートBバス車内のアート「タブレットとマーブルの東京うためぐり」がとっても楽しい。これは毛利悠子さんのアート作品。音楽評論家の湯浅学さんと、ムード歌謡歌手で芸人のタブレット純さんが選曲した「ラブユー東京」など、「東京にまつわる歌謡曲」とおしゃべり。ちょうど東京タワーが見える瞬間にザ・ピーナッツの「モスラの歌」が流れ、脳内でモスラの繭がかかった東京タワーが見えましたよ(笑)。トークは4〜5パターンぐらいありそうでしたが、もっとゆっくり聴きたかった。音声アーカイブ配信ないかしら。

11月6日(土)_ルートC

C1:東京オペラシティ アートギャラリー(初台)
C2:タリオンギャラリー(目白)
C3:Fig.MISAKO & ROSEN(大塚)
C4:4649XYZ collective(巣鴨)
C5:カヨコユウキ(駒込)
C6:スカイザバスハウス(日暮里)
C7:ミヅマアートギャラリー(飯田橋)
C8:ワタリウム美術館MAHO KUBOTA GALLERY(外苑前)
C9:ナンヅカ アンダーグラウンド(原宿)
C10:Blum & Poe(原宿)
C11:Gallery 38(原宿)
C12:ユミコチバアソシエイツ(新宿)

C6:スカイザバスハウス「名和晃平 Tornscape」(〜12/18)
C6:スカイザバスハウス「名和晃平 Tornscape」(〜12/18)
C6:スカイザバスハウス「名和晃平 Tornscape」(〜12/18)
C6:スカイザバスハウス「名和晃平 Tornscape」(〜12/18)
C8:MAHO KUBOTA GALLERY「ブライアン・アルフレッド New World」
C8:MAHO KUBOTA GALLERY「ブライアン・アルフレッド New World」
C8:MAHO KUBOTA GALLERY「ブライアン・アルフレッド New World」
C8:MAHO KUBOTA GALLERY「ブライアン・アルフレッド New World」
C1:東京オペラシティ アートギャラリー「和田誠展」開催期間 (〜12/19)

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ルートCは、C6:スカイザバスハウスからスタート! 銭湯を改装したギャラリーと壮大な作品に圧倒されます。このルートは馴染みのある街を通るので、別の顔を見られそうでワクワク。それから、C7:ミヅマアートギャラリーがアークの近所でビックリ! 「壁面内で自分の心情と繋がりそうな写真と自分の写真を交換して貼ってもらう」という企画がおもしろくて、[ART WEEK TOKYO]の1週間後ぐらいに再び行ってしまいました。近所だし。自分も企画展に参加して出品している気分になれます(笑)。

C7:ミヅマアートギャラリー「ジュン・グエン=ハツシバ 死の間−生の気配」
C7:ミヅマアートギャラリー「ジュン・グエン=ハツシバ 死の間−生の気配」
C7:ミヅマアートギャラリー「ジュン・グエン=ハツシバ 死の間−生の気配」
C7:ミヅマアートギャラリー「ジュン・グエン=ハツシバ 死の間−生の気配」
C9:ナンヅカ アンダーグラウンド「ワハブ・サヒード SOME DAYS ARE DIAMOND」
C9:ナンヅカ アンダーグラウンド「ワハブ・サヒード SOME DAYS ARE DIAMOND」
C2:タリオンギャラリー「ヌケガラ(OFF)とマトイ(ON)〈正体を隠すこと(ON)とそれを脱ぎ捨てること(OFF)の、あいだにあるものを教えなさい〉」
C2:タリオンギャラリー「ヌケガラ(OFF)とマトイ(ON)〈正体を隠すこと(ON)とそれを脱ぎ捨てること(OFF)の、あいだにあるものを教えなさい〉」
C2:タリオンギャラリー「ヌケガラ(OFF)とマトイ(ON)〈正体を隠すこと(ON)とそれを脱ぎ捨てること(OFF)の、あいだにあるものを教えなさい〉」

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このイベントに参加して思うのは「ギャラリーって分かりにくい場所にあるなぁ」ってこと。何度も迷いました。全ギャラリー住所をGoogleマップに保存してあるので、すぐに分かりそうなものですが、最初の1歩の体の向きを間違えていたらしく、全然違う方向に歩いていたことが原因なんですがね。もちろん、案内スタッフが誘導してくれたり、道を教えてくれます。それでも私同様、迷っている参加者によく遭遇しました。「じゃあ、一緒に向かいましょう」といろんな人たちとおしゃべりしながらギャラリーを探したり。そう! これがいいんですよ。迷いながら仲間を増やして目的の場所に向かう。オリエンテーリングか冒険ゲームみたいです(笑)。

11月7日(日)_ルートA

A1:森美術館(六本木)
A2:ANOMALY児玉画廊ユカ・ツルノ・ギャラリー(天王洲)
A3:MISA SHIN GALLERY(広尾)
A4:カイカイキキギャラリー(広尾)
A5:MEM(恵比寿)
A6:東京都写真美術館(恵比寿)
A7:POETIC SCAPE(中目黒)
A8:青山目黒(中目黒)
A9:ギャラリーサイド2(六本木)

A2:ANOMALY「今津景 Mapping the Land / Body / Stories of its Past」
A2:児玉画廊(「和田真由子 Wandering rocks」
A2:ANOMALY
A2:ANOMALY「今津景 Mapping the Land / Body / Stories of its Past」
A2:ANOMALY「永田康祐 Equilibres」
A2:ユカ・ツルノ・ギャラリー
A3:MISA SHIN GALLERY「伊庭靖子 Paintings」(〜12/25)
A3:MISA SHIN GALLERY「伊庭靖子 Paintings」(〜12/25)
A1:森美術館

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

ルートAは他のルートに比べて落ち着いた雰囲気があります。バス停も多くないし、道も比較的空いていました。そのせいか、このルートの巡回バスは6台と一番少ないのかも。だからこそ、心穏やかに作品を見て廻れます。実は、前日のCルートの途中で疲れが出てしまい、「イベント終了後にもギャラリーに行こう」「ギャラリーを訪ねる習慣を身につけに来たと思おう」と考え、無理に予定を詰め込むことをやめました。

A7:POETIC SCAPE「尾黒久美 HESTER」
A7:POETIC SCAPE「尾黒久美 HESTER」
A7:POETIC SCAPE
A8:青山目黒
A8:青山目黒
A8:青山目黒「HAPPA フェス」
A4:カイカイキキギャラリー「ジャンマリ・アプリユ Event Horizon」
A4:カイカイキキギャラリー「ジャンマリ・アプリユ Event Horizon」

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

このルートは印象的な出会いが多かったです。まず、A2の天王洲で大勢の参加者とともにギャラリーを見て廻っていたら、20代前半カップルと中年男性の3人がいきなり話しかけてきました。「これは何の集まりですか?」聞けば、中年男性はカップルの女の子のお父さん。娘が心配で地方から上京して、彼氏が働いている天王洲で会っていたら、バスの中からぞろぞろ人が出てきて、倉庫のような建物の中に楽しそうに入っていくのを見て、おもしろそうだからついてきたそうな。このイベントの説明をしてあげました。そして、一緒に3軒のギャラリーで作品を鑑賞(笑)。バスには乗りませんでしたが、ひょんなことからアート鑑賞をしたお父さんと娘と彼氏。不思議な出会いでした。

A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)
A6:東京都写真美術館「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」(〜2022年1/23)

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

それから、アートバスで仲良くなってしばらく一緒に見て廻っていた「さき」さん! アーティストであると同時に絵のモデルをすることもあるようです。SNSアカウントを交換して繋がりました。「一緒にアイヌ料理のお店へ鹿肉を食べに行こうね」と約束(東京都写真美術館内で唯一撮影NGだった展示がアイヌ民族の方々の肖像だったので、そこからアイヌ料理のお店の話に)。ご縁っておもしろい。

▲ルートAのバス車内のアート

その後もアートバスの中で出会った参加者の方々と言葉を交わし、「また、どこかで〜」「アート楽しんで〜」と別れを繰り返しました。50代ぐらいの女性グループ(4〜5人)は同窓会みたいで楽しそうだったし、2人連れの年配女性も恐る恐るギャラリーに入っていく姿が印象的。1人で参加している人も多く、寡黙にアートを鑑賞し、初対面でも何故かお互いに会釈してギャラリーを出るのが微笑ましかった。一期一会ですね!

ああ、楽しかった。4日間といわず、ウィークというぐらいだから7日間やってほしいな。スタッフ大変だろうけど…。

* * * *
ところで、先述の日本画は、裏浅草あたりの「SENSE of WONDER」という小さなギャラリーで購入しました。当時はまだオープンしたばかり。オーナーの女性はアーティストたちに惚れ込み、「もっと発表の場を増やしてあげたい」と思い切って仕事を辞め、ギャラリーをオープンさせたそう。毎日、神奈川県から浅草まで片道1時間30分以上かけて通勤。夜も遅いため、「このあたりに部屋を借りようかな」なんて笑っていました。

▲2017年12月頃のギャラリー「SENSE of WONDER」

浅草という場所柄、外国人観光客がふらっとギャラリーに立ち寄ることが多く、なかなか賑わっていたようです。「欧米の人って、旅先でギャラリーに立ち寄って、気に入った絵を買う習慣があるんですって。先日もアメリカから来た年配の女性がお土産にって絵を買って。あのアーティストさんの作品が海を渡ったのよ」なんて嬉しそうでした。

それが今年(2021年)5月頃に、しばらくぶりで浅草に行った時にギャラリーへ足を運んでみましたが……そこには何もなくなっていました。暗く、ただの土間があるだけです。「ああ、コロナのせいだ……」悲しくなって浅草の街を歩き回りました。SNSのアカウントは全てなくなっていました。

▲C7:ミヅマアートギャラリー「ジュン・グエン=ハツシバ 死の間−生の気配」

だからこそ、だからこそです! このイベント[ART WEEK TOKYO]を知った時にとてもとても嬉しかった。コロナのせいでイベントどころか、ギャラリーに足を運ぶ人も少なくなってしまった。小さなギャラリーは、アーティストたちは大変な思いをしているだろう。でも、東京のアートの灯を消さないでほしい。このイベントで立ち上がってほしい。

[ART WEEK TOKYO]を企画された方! 運営スタッフの皆さん! 感謝しかありません。開催してくれて本当にありがとうございました。とても楽しかったし、せこい世の中になっちゃった中で大がかりな仕掛けが嬉しかったです。そして、来年、再来年と続けていっていただきたいと思います。「NO ART , NO LIFE」です! また来年、アートバスでお目にかかりましょう!

▲写真交換して上の写真を残してきました!

●文・撮影・編集・WordPress= 魚住陽向編集者・小説家

リンク アーク・コミュニケーションズ制作のアートスポット紹介書籍の例