プロジェクト内容
育児と乳歯の情報サイト『ママ、あのね』は、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所様(以下、ライオン歯科衛生研究所)からご依頼を受けて、ウェブサイトの制作、コンテンツの企画制作、メディア運用の支援を行っています。
このプロジェクトは、弊社が編集制作をお手伝いした書籍『赤ちゃんがパパとママにやってもらいたい58のこと』(公益財団法人ライオン歯科衛生研究所/扶桑社新書)をウェブコンテンツ化することからはじまりました。
ウェブサイトは2018年5月に公開。現在も乳幼児の歯科情報と育児情報を発信し、多くのユーザーに閲覧される育児メディアに成長しています。
運営4年目に入り、これまで約600万人のユーザーが検索から訪れ、約910万PVを達成しました。サイトへの主な流入キーワードは、「乳歯」「赤ちゃん 歯」「赤ちゃん 吐き戻し」「妊婦 食べ物」など。多くのキーワードで検索順位の上位化に成功しています。(※2021年8月現在)
プロジェクトの概要
■クライアント名 公益財団法人ライオン歯科衛生研究所 様
■ご依頼内容 オウンドメディアの制作
■開発・制作期間 約4ヶ月
■公開日 2018年5月末〜(現在も運用中)
■URL https://www.lion-dent-health.or.jp/mama-anone/
取り組み内容
・ クライアント様との事前打ち合わせ
・ SEO対策
―仮説立て/検索キーワード、タイトルイメージの作成
―検索需要の定量分析
― 検索キーワードの選定/コンテンツ施策
・ ウェブサイトの全体の設計
・ 記事の構造化
提示された課題
本をウェブ化するプロジェクト
制作のご依頼があったのは2018年1月。同時期にライオン歯科衛生研究所のウェブサイトがリニューアルする企画があった中で、財団のキラーコンテンツとして出版本のウェブ企画の話が出たそうです。
「本の中身が素晴らしかったので、本をウェブにして活かしたいと考えていました。」
このように話すのは、ライオン歯科衛生研究所の新井竜次さん。2015年11月に発売した企画新書『赤ちゃんがパパとママにやってもらいたい58のこと』のウェブ化構想の発案者です。このアイデアの背景には、ウェブコンサルタントから聞いた話があったそうです。
「サイトの検索順位を上げるには、サイト全体や記事の1つ1つが本のように構造がしっかりしている必要があるとコンサルタントから聞いていました。それがずっと頭の中にあって、本をウェブにするアイデアはひとつのやり方だと思って、うまくいくのではないかと仮説がありました。」
「講話イベントからウェブの発信へ」情報発信の在り方を見直す
ライオン歯科衛生研究所の主な情報発信は、講話型のイベントが中心でした。財団に所属する歯科衛生士が全国の学校などで直接指導を行っていました。しかし、時代とともに歯科衛生士の数は年々減少傾向に。徐々に講話中心の情報発信から、本やウェブ媒体を活用した発信が必要になってきたそうです。
問題解決の道筋
本をウェブメディアにリニューアル
こうしたクライアントの話を受けて原作本の弊社編集者にも相談して、本の分析からウェブの制作を始めました。
本の内容は基本的に1テーマで、一見開き構成。1テーマの文字数が1000文字以下の読み切り型で編集されていた事から、1ページのウェブの記事として切り出しやすい事が分かりました。
本の構造を把握した後、ウェブ用にサイトを再構成しました。カテゴリごとに各記事を分類したところ、一冊の本から84ページ分の記事ができると判明。
記事数が多いことで情報の整理が必要になり、カテゴリ別の一覧ページや、もくじメニューボタンなどを設置して、ユーザーがさまざまなカテゴリのページを回遊しやすいように設計をしました。
こうした背景もあり、ユーザーにとって有益な情報が多くストックされているサイトでもあることから「育児ウェブメディア」として起ち上げることを提案します。
育児の分野は競合のサイトが多く、圧倒的に支持されている有名メディアさんも多くありました。しかし、母体がライオン歯科衛生研究所であることや、発信する記事の専門性と権威性がグーグルの検索エンジンに正しく認識されることで、一定数の記事は検索上位が狙えると考えていました。
また競合サイトの中には、乳歯や幼児の口腔の知識を専門的に扱う育児メディアが少なかった事もあり、最も専門性を発揮できる乳歯の分野では、検索順位の上位化で一定数のアクセスが取れるとも確信していました。
これらの仮説から、ライオン歯科衛生研究所の育児メディアとしての制作コンセプトが作られていきます。
SEO対策を入念に行う
制作面で力を入れたのがSEO対策でした。主に注力したのは次の2点です。
・ウェブサイトの全体の設計
・記事の構造化
ライオン歯科衛生研究所の強みでもある「歯科情報」を扱っているサイトであることを、グーグルに正しく認識させる必要がありました。
そのため、原作本の「妊娠期」「新生児・乳児期」「幼児期」の3つのカテゴリの他に、「乳歯入門」の特集カテゴリを新規で追加。サイトのタイトルと、主要なページのタイトルタグに「乳歯」のキーワードを入れて、戦略的に歯科情報を扱うサイトであることをグーグルに認識させる施策を行いました。
また、各記事にはSEOを軸にした情報の届け方に注力しました。
本で紹介している内容から、育児中に検索する悩みや関心事を検索キーワードに抽象化し、各記事に施策を行いました。
検索上位化を目的とした記事ごとの施策内容を一部ご紹介します。
【仮説立て/検索キーワード、タイトルイメージ】
・本の内容からユーザーの悩みや関心事を検索キーワードに置き換える
・仮説を立てた検索キーワードを入れた、仮の記事タイトルをつくる
【検索需要の定量分析】
・仮説を立てた検索キーワードの検索需要を調べ、さらに最適なキーワードを選ぶ
【検索キーワードの選定/コンテンツ施策】
・仮の記事タイトルの再考し、選定したキーワードを記事のタイトルに入れる
・記事内に小見出しを入れて、読みやすく編集する
・h2、h3の見出しタグを入れ、記事ごとに選定したキーワードを極力入れる
・本文中になるべく選定したキーワードを入れる
【専門性、権威性】
・医師や専門家による監修記事である事をユーザーやグーグルに認識させるために、1記事ごとに監修者の名前とプロフィールをテキストで掲載をする
スマホユーザーをメインターゲットに
デザイン面では、見て楽しくなるようなサイトがご希望でした。
育児情報を扱うことや、医科・歯科の専門的な内容でも親しみやすさを前面に出したいことから、テーマカラーは原作本の表紙と同じピンクで提案をしました。
ユーザーは慌ただしい育児の中で、すき間時間を使ってスマートフォンで検索をして記事を読むだろうと想定。スマホユーザーをメインターゲットにしたことから、レスポンシブデザインで制作を進めました。
サイト公開後の計測では、流入ユーザーの約7割がモバイルユーザーという結果に。こうした日々のデータ観測から、記事制作の新たな施策に繋げています。
お客様のご意見
オウンドメディアを運用した気づき
運営4年目(2021年8月現在)を迎え、クライアントのご担当者様に育児ウェブメディアを運用してから、どのような変化や発見があったか、インタビューをさせていただきました。
ママ、あのね。のご担当で歯科衛生士でもある小西由美さんは、日々の業務に関して、次のようにお話しいただきました。
「財団が行っている講話イベントの企画を立てる際に、ママ、あのね。のアクセス状況や人気記事の傾向を聞かれるようになりました。サイトを通して生活者の悩みが具体的かつ、定量的に分かるので、大変参考になっています。また、講話イベント時に参加者からの質問や意見などを、イベントの担当者からフィードバックをしてもらいママ、あのね。の企画に反映させることもあります。こうした現場で直接いただいた意見と、ウェブ上でのデータを取り入れて日々の業務に役立てています。あとは、退職した育児中の元スタッフから、検索したらママ、あのね。のページが出てきたと連絡をもらう事もあって驚きました。」
ウェブ解析データの共有などのフォローアップ
ライオン歯科衛生研究所の新井さんは、制作に関してこのようなご意見をいただきました。
「2018年5月末からサイトが公開して、徐々にセッション数が伸び始め、年間100万セッションを計測したのは想定外でした。制作後のフォローが良く、毎回良質な企画を提案していただいて感謝しています。また、サイトの解析データを元にした資料の共有も財団内だけではカバーしきれないので大変助かっています。」
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