マンガ『ゴールデンカムイ』の食文化を味わいにアイヌ創作料理店「ハルコロ」に行ってきました!

こんにちは。富山と北海道(道東)のハーフ・魚住陽向(編集者)です。マンガ『ゴールデンカムイ』のファンなら一度は訪れたいアイヌ創作料理店「ハルコロ」に行ってきました。ご時世的になかなか北海道へ観光に行けませんが、我慢しきれず、東京都内でアイヌ民族の文化にちょっとだけ触れてきたのです。鹿肉サイコー! 店内の雰囲気に浸っていたら、「ウポポイ」にも行ってみたくなりました。もちろん、世の中が落ち着いてからですが。(公開:2022年1月29日)

この記事の取材・撮影は「マスク着用」「手指の消毒」「3密の回避」など感染対策を十分に講じたうえで行っています。

『ゴールデンカムイ』野田サトル
「週刊ヤングジャンプ」連載中の、ゴールドラッシュ・サバイバルバトル漫画。日露戦争後の明治時代末期の北海道が舞台で、あまり知られてこなかった開発途上の北海道史を垣間見ることができる。数々のアイヌ文献と取材、監修に基づき、その風習や文化が細やかに描写。また、グルメ(ジビエ)レポートも見所。自然・文化・食・軍事・政治情勢など多角的な視点で明治時代の北海道を描いたストーリーは国内外を問わず高い評価を得ており、「大英博物館」主催のマンガ展看板漫画に抜擢され、コミックスが収蔵されている。2016年「マンガ大賞」受賞。(ピクシブ百科事典より)
【ゴールデンカムイ公式サイト】 
【TVアニメ『ゴールデンカムイ』公式サイト】 

アイヌ民族の文化に触れたい!

突然ですが、私の母方の祖父母は北海道開拓民です。「え? 年代が合わないんじゃない?」と思われた方。祖父母は明治20年頃に福岡県の赤村に生まれ育ち、20歳の新婚当時(明治40年頃)、甘い言葉にそそのかされ、未開の蝦夷地(現在の北海道道東・根室地方)へ。何もない荒野の真ん中に置いて行かれ、騙されたと気づいた時にはすでに遅く、帰れなくなってしまった人たちです。私の母(昭和10年生まれ)はその末っ子。祖父母は50歳代で相次いで亡くなり、夫婦で必死に作り上げた貧乏牧場も今はもうありません。

▲マンガファンならずともテンションが上がる店構え

マンガ『ゴールデンカムイ』を読んでいると、祖父母が北海道で必死に生きた時代ととても近いのです。母に聞いたら「アイヌの人たちには会ったことがない」とのことなので、生活エリアは全然違うのだと思いますが、過酷な自然と時代背景は同じ空気をまとっているような気がします(母の実家の物語は、小説として執筆するつもりなので詳細は省きますが、祖父母・片山四郎治とツネ夫婦の足跡を調べに福岡県田川郡赤村にも足を運ぶ予定)。

左の中ほどに見える「鮭ぶし」(標津町産)は私も愛用!
さすが『ゴールデンカムイ』全巻揃ってます

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

そんなわけで、アイヌ民族の文化に触れたい気持ちがいつもどこかにあって、2020年に「ウポポイ・民族共生象徴空間」(北海道白老郡白老町)のテレビCMを見た時にハッとしました。「行きたい!」でも、まだまだご時世的には無理です。2021年11月に参加した「アートウィーク東京」では、東京都写真美術館の展示に「現代のアイヌ民族の肖像」があり、再びハッとしました。そのイベントで若いアーティストのやました さきさんと出会い、その肖像を一緒に見たのです。そして、アイヌ民族や『ゴールデンカムイ』の話になり、「ハルコロに鹿肉を食べに行こう!」と約束。というわけで、今ココ「ハルコロ」なのです。

大英博物館マンガ展のシンボルとなった「アシㇼパ」さん

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

「ハルコロ」の料理に「ヒンナヒンナ」

「ハルコロ」は東京・新大久保にあるアイヌ創作料理店。マンガファンもそうじゃなくても大人気で、土日などは混み合うらしいのですが、平日の月曜日ということも相まって店内はちょっとだけ静か。これは、さきさんと2人で遠慮なくモリモリ食べられるということです。さぁ、食べるぞ! 下のスライド画像は「鹿肉」怒濤の4連発なのです。

鹿肉モモステーキ
鹿肉・炙りなんばん味噌
鹿肉・炙り山わさび
鹿肉・炙りポン酢

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店員さんと、さきさん(「ハルコロ」は二度目)にオススメ料理を聞きながら注文していきます。とにかく鹿肉です! いろんなバージョンの鹿肉メニューを全部頼んでみました。臭みが全くなくて、程よい歯ごたえとやわらかさ。本当にお肉の旨味がおいしい。そういえば、初めて鹿肉を食べたのが東日本大震災の5年後に訪れた宮城県女川町の「そば・和食処 花菖蒲」。何でもおいしくて親切なこのお店で「鹿肉は猟師さんが仕留めた直後の処理が上手いと臭みは出ないし、おいしい。でも、処理が上手な猟師さんは少ない」と教えてもらった記憶がよみがえります。

ハスカップ生ビール(右)、ハスカップサワー(左)

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「ハルコロ」のメニューを見ると、見慣れない言葉が並んでいます。アイヌ語です。メニュー裏には「北海道食材の解説や栄養など」が書いてあります(下の写真参照)。これは分かりやすい! なるほど、なるほど!
・キトピロ…行者にんにく(にんにくではないのだ)
・キハダ(黄檗)…柑橘系の木
・シケレベ…キハダの木の実

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それ以外にもメニューに書いてあるアイヌの料理名が分からない。でも、「サーモンルイベ」や「ザンギ」は分かるぞ。あれ? 「オハウ」って何だろう? お店の方に聞いたら「スープとか汁物のことですよ」ふむふむ…メモメモ。ちょっといろいろ忘れてしまっています。マンガ『ゴールデンカムイ』を改めて読み直さないといけません。

キトピロ肉巻き
次は純米酒「国士無双」か「男山」に挑戦したい!

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アイヌの言葉をカタカナで表記する場合、日本語にはない発音を近い音で表現し、それが小さいカタカナとなっているのです。例えば、店名の「ハルコㇿ」(「haru-kor=食べ物・持つ」という意味から「食べ物に困らないように」という願いをこめて命名されたようです)や「チポㇿ」(イクラ)など、「ロ」が小さく表記されます。マンガ『ゴールデンカムイ』に登場するアイヌの少女の名前も「アシㇼパ」で、「リ」を小さく表記。

凍ってるのがうまい「サーモンルイベ」

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それに、長万部(おしゃまんべ)、網走(あばしり)など、現在の北海道296市町村の地名の数多くは、アイヌの言葉からきています。いやあ、知れば知るほど興味深いですよね。そういえば、和食の出汁で欠かせない「昆布」の語源はアイヌ語の「コンプ」からきているようです。これはもっと知りたくなります。アイヌ語辞典を買おうかな?

ラタシケㇷ゚(かぼちゃの混ぜ煮)
赤紫蘇ジュース(右)、赤紫蘇サワー(左)

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

2人でお腹いっぱいになるまで飲んで食べて大満足。何度も繰り返しちゃいますが、鹿肉やキトピロも美味! また、サケチャーハンは、鮭がしっとりしていてめちゃくちゃおいしかったし、海鮮焼きそばのホタテのごろごろ具合がこれまたいい。はぁ〜、ごちそうさまでしたぁ〜!
本当は「ヒンナヒンナ」(食事に感謝するアイヌの言葉)って言いたかったけど、まだ恥ずかしくて言えなかった初心者でした(笑)。今度は、『ゴールデンカムイ』大好きなアークのマンガオタク・KさんやNさんと一緒に行こうと思います。

絶品!サケチャーハン
海鮮焼きそば。熱々!具だくさん!

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

アイヌ創作料理の店「ハルコロ」
[営業時間]月~水、金~日、祝日、祝前日
12:00~14:00(料理&ドリンクLO_13:45)/
17:00~21:00(料理LO_20:00/ドリンクLO_20:30)
※土・日・祝日はランチ営業なし。
[定休日]木曜日 
※イベントなどで臨時休業の場合あり
※ネット予約や問い合わせ電話をしましょう
[TEL]03-3368-4677
[URL]https://harukoro.owst.jp/
[住所]東京都新宿区百人町1-10-1 HUGOビル1F
[アクセス]JR新大久保駅より徒歩約4分

●文・撮影・編集・WordPress= 魚住陽向フリー編集者・小説家

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