まっぷる茨城 「ガルパン×大洗特集」制作秘話・後編

今回は「まっぷる茨城『ガルパン×大洗特集』制作秘話」・後編です。

「ただアニメのキャラが貼り付いているだけ」には絶対したくなかった〜まっぷる茨城「ガルパン×大洗特集」制作秘話』・前編はコチラ!



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大洗とガルパン、両方が活きる写真を

――表紙なんですが、今回はガルパンのキャラクターがど真ん中にあるという、「まっぷる」としてはかなり異色のデザインだと思うんですが。

・本山
表紙に関してはアーク担当ではなく、昭文社さんのディレクションです。
聞くところによるとデザイナーさんの猛プッシュでこうなったそうです。
――ずいぶん思い切りましたね…(笑)。

 

――(商店街デートの記事を見ながら)この店と一緒に写っているキャラクターは合成ですか?
・本山
これは清水さん出番です。
・清水
やっと出番がきましたね。これらは大洗商店街のお店に置いてあるキャラクターパネルです。もしかしたら合成に見えちゃうかもなんですが、ちゃんと現場で撮った写真です。

 

――…にしても馴染んでますね。
・清水
最初は普通にお店の外観を撮影していました。当然パネルもお店ごとの位置、扉の横とかお店の脇とかにあったんですが、どうも撮影したときに画が中途半端な感じになってしまったんですよね、写真のバランス的に。

 

――全部が写真撮影用に置いてあるわけじゃないでしょうしね。

・清水
このページの企画自体は、大洗とガルパンっていう二本柱のはずなのだけど、普通に撮っていたらガルパンが埋もれてしまう感じがした。だから二人で相談して、パネルをちょっと前に出して、「このキャラクターがこの場に居るよ!」という感じになればと試みたところ、これがはまったんです。
そこで普通にありのままの店の外観も抑えておくけど、(お店に断りを入れて)キャラを前に出したバージョンも全部撮影することにしました。既に取材が終わっていたところも、「すいません外観だけ撮り直させてください!」と言って撮らせてもらいました。
結果すごくキャラが活きた、良い写真になったと自負しています。馴染みすぎて合成と間違えられるぐらいに(笑)。でも「その場に行かなきゃできないことをする」というのが現地取材の醍醐味なんで。

本誌で使用した写真と似たテイストのアザーカット。「これ写ってないけど本山くんが下でねっころがりながらパネルを支えています(笑)」

(※お店の人に許可を得てパネルを移動しています)

 

・清水
そんなふうに撮り直しもしたので、スケジュールはほんとにタイトでした。
・本山
分刻みでしたねw
・清水
順にまわっていると後半、日が落ちて暗くなってしまうし、午後から天気が崩れる予報だったので、先に外観だけ撮影したりしました。
都内の取材撮影の場合、外観・内観・商品などの撮影に45分、移動15分ぐらいでスケジュールを組むことが多いんですが、今回は1件につき移動込みで30分ぐらいでした。魚屋さん→肉屋さんの順に取材をしていたとき、店主さんが「車置いといてもいいよ!」と言ってくれたりして、とてもありがたかったです。


分刻みのスケジュールメモ。前日も宿で土産物を撮影しながら予定を組んだ。

 

・清水
5時半に起きて大洗磯前神社の、日の出と鳥居を撮りにも行きました。結局特集では使われなかったんですが(笑)。

 

――使われないかもしれない抑えの写真もかなり撮ったみたいですね
・清水
クオリティを上げるためには、写真は足りないよりは数があった方が断然いいし、現場に行くとアレも撮りたい、コレも撮っておきたいってなる。そのために多少、撮影のスケジュールが無茶で、1日にこんな数のお店で撮影できないってなっても、できるだけ多くのお店をまわる方法を考えます。
カメラマンは、編集やライターもそうだろうけど、仕事としてやってる以上、「失敗」はできない。だから一カ所の撮影でアグレッシブに時間をかけてチャレンジするところと、写真の点数に重きをおいて80点ぐらいのアベレージのものを抑えておくってことのバランスを考えなきゃいけない。そこがなかなかに悩ましいところです。それにしても今回の進行は神がかかってたかなと。

・本山
軍神が降りてましたね、まるで西住殿のようでした。

 

――結局スケジュール通りにいったんですか。

・本山
むしろ予定を上回りましたよね。
・清水
余裕ができたぶん他の撮影を入れちゃって、さらに自分の首を絞める感じに(笑)。


朝の大洗磯前神社。こちらは誌面用ではなく本山がiPhoneで撮影したもの。ねんどろいどは私物。

さおりちゃんはもう私の子供と一緒!(言文一致)

――取材先の話も少し聞いてもいいですか

・本山
お総菜屋「カワマタ」さん。
ここにはさおりんのパネルがあるんですが、
店主のおばあちゃんにさおりんの感想をうかがったところ、「かわいくて×2、さおりちゃんはもう私の子供と一緒!(言文一致)」。というありがたいお言葉をいただきました。

 

「大洗ホテル」さん。
ここは従業員の方がブログをやっていて、震災後の話、ガルパン効果で人が集まってくれてうれしかったという話などが載ってて、涙なしには読めません。これを読んで「手を抜けないぞ!」と強く思いました。(https://d.hatena.ne.jp/oarai-hotel/

 

・清水
地元の方とファンの交流の濃さも実感しました。各所に情報交換ノートがあったり、ファン寄贈のアイテムが飾ってあったりしました(お店にあるキャラクターパネルの誕生日にはプレゼントが届いたりするのだとか)。
地元の方にお話を聞くと、大洗に来てくれるファンはみーんないい方たちばかりで、掃除とか町のことを手伝ってくれたり、大洗の居心地を気に入って移住をした人もいる。などなど、心温まる話をたくさんうかがいました。

・本山
大洗の全部が印象的で、すべて書き留めてあるし、すべて覚えています。また遊びに行ってあんこう鍋を食べながら日本酒を飲みたいです。
・清水
ほんとに魅力的でした。街そして人が。

 

――最後に作品についても話を。ガルパンで好きなシーンはどこですか。

・清水
ひとつに絞るのは難しいなー。最終話の戦闘シーンですかね。
・本山
プラウダ高校の雪中行軍です。ロシア語の発音にほれぼれしました。
好きなシーンは全話について誌面で語っているので読んでいただけるとありがたいです。

 

――よくラフが通りましたね…。それでは最後にお二人の大洗とガルパンに対する愛の深さがわかるおもしろ話がありましたら教えてください。

・清水
大洗に車で取材に向かうときは、オープニングテーマをガンガンかけて行きました。

 

――(笑)。とすると帰りは。
・本山
もちろんエンディングテーマを熱唱しながら!。

 

――ありがとうございました。