鉄道と駅弁の歴史に触れるノスタルジックな企画展『駅弁むかし物語』開催中!

2016.3.2(Wed)

列車の窓が人の手で開け閉めでき、駅弁とお茶は窓から買っていた時代がありました。もちろん、現代でも駅弁の人気は高く、百貨店の駅弁フェアには行列ができるほど。鉄道マニアだけでなく駅弁マニアも存在するぐらい駅弁は盛り上がっています。それでは、旅につきものの駅弁の容器は時代とともにどう変わっていったのか、懐かしいお茶の容器はどんな物があったのか、企画展(入場無料)が開催中なので実際にこの目で見てきました。

第39回企画展『駅弁むかし物語 —お弁当にお茶—』
期間:2015年12月8日(火) 〜2016年3月21日(月・祝)
会場:旧新橋停車場 鉄道歴史展示室(東京都港区東新橋1-5-3)
開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館の15分前まで)
休館日:月曜日(ただし、祝祭日の場合は開館、翌火曜日が休館)
入場料:無料
URL:https://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/exhibition.html
主催:公益財団法人 東日本鉄道文化財団
協力:一般社団法人 日本鉄道構内営業中央会
監修:佐藤美知男(元交通博物館学芸員)

鉄道歴史展示室

駅弁とお茶の歴史 〜明治・大正・昭和〜

「弁当〜弁当〜」「お弁当にお茶〜」その昔、駅のホームにはこんな駅弁売りの声が響いていました。また、JR信越本線横川駅(1997年、横川—軽井沢間は廃止)で買うことができた「峠の釜めし」は駅弁の代名詞でした(現在は店舗販売など)。鉄道旅の友は駅弁とお茶です。

鉄道歴史展示室

そんな時代の移り変わりとともに変化していった駅弁とお茶の容器。郷愁さえ感じます。この企画展では、「駅弁の容器」「掛け紙(駅弁の名称や絵柄が入った包装紙)」「お茶の容器」などが展示されていて、「駅弁とお茶」の歴史と、その魅力を紹介しています。

鉄道歴史展示室

実は、2015年は駅弁が誕生して130周年だったのです。その始まりは諸説ありますが、1885(明治18)年に宇都宮駅誕生説が通説です。当初の駅弁は、「握り飯に香の物」を竹の皮で包んだものでした。明治20年代には駅弁の「箱」と「土瓶」が登場しています(お茶を飲み終えた「土瓶」はなんと使い捨て!)。明治30年代頃には、静岡の上等弁当(鯛飯)は25銭、お茶の差し替えは1銭だったようです。

鉄道歴史展示室▲汐留遺跡出土の汽車土瓶

大正時代の終わり頃になると、陶製だった汽車土瓶はガラス製の茶瓶になりましたが、販売側・客側ともに不評。お茶を入れると熱くて持ちづらく、冷めると見た目においしそうに見えなかったために結局、汽車土瓶を復活させたようです。
昭和に入って、駅弁文化にも第二次世界大戦が様々な影を落とします。戦前と戦中、そして戦後〜高度経済成長期と、駅弁にも世の中の情勢が色濃く出るのです。

鉄道歴史展示室▲醤油差し

鉄道歴史展示室▲全国のいろいろな「鯛めし」掛け紙

鉄道歴史展示室▲当時の様子を描くイラスト

常設展や建物で鉄道の歴史にひたる

「旧新橋停車場」の建物は、1872(明治5)年に開業した日本初の鉄道ターミナル新橋停車場の駅舎外観を「当時と同じ位置」に「忠実に再現」したものです。建築デザインを見てるだけでも当時の雰囲気に浸れて、歴史好き、建築好きにはたまらないでしょう。

鉄道歴史展示室

建物のまわりにも発掘された遺構がそこかしこにあり、日本の鉄道発祥の地「0哩(ゼロマイル)標識」や「プラットフォーム遺構」など見ると感慨深いものがあります。鉄道マニアではなくても、「旧新橋停車場」の周りは一周して遺構を探すべきです。

鉄道歴史展示室▲日本の鉄道の礎となったゼロマイル標識

「鉄道歴史展示室」では今回紹介した企画展以外に「常設展」もオススメです。建物周辺の遺構の他に「駅舎基礎石積み見学窓」や遺構が出土された写真など貴重な資料を見ることができます。鉄道の歴史に触れると皆それぞれの思い出やノスタルジックな想いがよみがえります。それほど日本人の生活の中に鉄道は欠かせないもの。入場料は無料ですので、気軽に出かけてみてください。

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
住所:東京都港区東新橋1-5-3
開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館の15分前まで)
休館日:月曜日(ただし、祝祭日の場合は開館、翌火曜日が休館)
入場料:無料
アクセス:JR新橋駅(銀座口)、都営大江戸線汐留駅(新橋駅方面改札)、東京メトロ銀座線新橋駅(2番出口)、都営浅草線新橋駅(JR新橋駅・汐留方面改札)、新都市交通ゆりかもめ新橋駅(改札)/各駅出口より徒歩約3〜5分
URL:https://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/

●文= 魚住陽向 (フリー編集者、ライター、小説家)
●撮影・編集=大山勇一