映画「シン・ゴジラ」聖地巡礼〜大田区役所とか商店街とか銭湯に話を聞きにいってきました

▲2015年9月6日に行われた映画『シン・ゴジラ』蒲田ロケのもよう(撮影:堀雅俊)

こんにちは企画制作2課の佐藤遼太郎です。この夏、大ヒットした映画『シン・ゴジラ』に見事にハマってしまい、4回も観に行きました。アーク社内でも何度も観に通う強者も多く、なんと弊社と関係の深いライターさん2名がエキストラ参加していたことが判明! その撮影現場であるシン・ゴジラ(第二形態)が暴れ回った大田区は今、『シン・ゴジラ』に破壊された街として盛り上がっています。今回は東京・大田区蒲田周辺を聖地巡礼した様子をご覧ください。ライター・堀雅俊さんのエキストラ参加体験記のリンクもあります。(公開:2016年9月16日/更新:2022年3月2日)

※本記事は映画『シン・ゴジラ』に関する若干のネタバレが含まれております。映画をまだご覧になってないかたはご注意ください。

蒲田上陸のロケ現場を聖地巡礼!

もうご覧になったかたも多いですし、映画『シン・ゴジラ』についてあえて説明はしませんが、ここ大田区蒲田は「巨大不明生物」が(第一次)上陸・進行した場所です。

本作のゴジラは東京アクアライン風の塔あたりに出現したと思ったら多摩川河口に入ります。そして、急に進路を変え、呑川(のみがわ)に進入し、遡上! あやめ橋付近から上陸し、JR蒲田駅前の大通りや大田区の商店街をずりずりと進行しながら破壊します。
この時、ゴジラは巨大不明生物の第二形態(意味が分からない人は映画を観ましょう)。第二形態の見た目は「気持ち悪っ!」と思いましたが、「かわいい!」とファンも多くて(理解できない感覚(笑)です)、ネット上では「蒲田くん」という愛称で呼ばれています。

▲JR蒲田駅からスタート
▲第二形態がエラから赤い液体を排出した地点で逃げ惑ってみました

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

その蒲田くんが上陸・進行して、大パニックになった人々(エキストラ)が逃げ惑うシーンの撮影が行われたのが、東京・大田区蒲田5丁目の駅前通りです。撮影が行われたのは2015年9月6日。このエキストラ撮影に、アークに関係の深いライターさんが2名も参加していたのです。守秘義務をきっちり守った2人は映画公開後に教えてくれてビックリ!

そのうちの1人、堀雅俊さんが撮影の合間の写真も送ってくれました。堀さん渾身のエキストラ撮影参加体験記もぜひご覧ください。
ちなみに、堀さんは蒲田でのエキストラ撮影以外にも、総理記者会見シーン撮影にも取材陣がPCをブラインドタッチする手やメモを取る手として参加。また、使われたかどうかは不明ですが「人間」のモーションキャプチャも取ったそうです。

▲映画『シン・ゴジラ』蒲田ロケ(2015年9月6日)エキストラ撮影風景のひとコマ(撮影:堀雅俊)

蒲田でのエキストラ撮影に全面協力した大田区には私たちのように聖地巡礼で訪れるファンも増えてきています。

大田区役所ではロケ現場のもようが見られる写真パネル展が行われていました(2016年7月と8月に1週間ずつ開催)。その名も『「シン・ゴジラ」パネル展〜大田区にゴジラ来襲!』(大田区役所 本庁舎3階 展示スペース)。

▲大田区観光課の田澤さんにお話をうかがいました。もちろん、ちゃんとアポとってますよ
▲映画製作って大変なんですね〜! いやマヂで

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

駅前通りを封鎖した撮影は一日がかり。エキストラの方は300人もいらしたそうです。劇中の重要なシーンということもあり、かなり大掛かりな撮影。
この撮影時には道路は全面封鎖。わざわざバス停の場所も別に移したとのこと。写真からも現場の熱気が伝わってきますね。大田区の懐の深さには頭が下がります。蒲田いいな、住みたいな〜!

▲第一作ゴジラの足跡らしいです。よく見ると、三葉虫も入っているとか

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

展示している写真(下の写真参照)の中に堀さんたちを発見! やっぱり知ってる人が歴史的映画に関わっているってすごくテンションが上がります。

▲遠目で見ても体のフォルムだけでわかる。「知ってる」ってすごい(笑)

破壊されて盛り上がる? 大田区商店街キャンペーン!

大田区役所だけでなく、第二形態に壊された街として、大田区の商店街も盛り上がっています。
大田区商店街連合会では「黒い怪獣が現れる町」として、「おおたBLACKキャンペーン」を実施中(2016年9月30日まで)。

まずご紹介するのは「大田黒湯温泉 第二日の出湯」です。こちらでは『シン・ゴジラ』と銭湯がコラボした「ゴジラ 湯」(ゴジラの銭湯絵)を開催中!(2016年10月下旬(予定)まで)。
日本唯一の女性銭湯絵師・田中みずきさんが手掛けた貴重なゴジラの銭湯絵が見られます。

▲うおー!でけー! 期待を超越する迫力。ゴジラの目の前には蒲田西口商店街・サンライズアーケードも!

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

大田区は東京23区内で最も銭湯が多いことでも知られています。その源泉は世界でも珍しい「黒湯」(源泉は「天然温泉」という銭湯もあります。各湯、要確認です)。第二日の出湯は区内でも色の濃い黒湯で知られています。黒湯は保温・保湿効果や美肌効果も抜群。ゆっくり黒湯に浸かりながら映画『シン・ゴジラ』の世界を堪能できますよ。

▲銭湯クラシック「ケロリン」。映画好きだけじゃなくて、銭湯好きにもたまらないでしょうね〜

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

風呂上がりには「黒湯サイダー(200円)」がオススメです。巷で話題の地サイダー! 大田区の一部の銭湯などでしか手に入らない貴重なオリジナル炭酸飲料「黒湯サイダー」をはじめ、日本各地の地サイダーが楽しめます。とことん昭和ロマンに浸りましょう。

▲黒湯サイダーは、ほんのり塩味。これがまた爽快でうまい!

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

キャンペーン参加銭湯には、ゴジラシリーズの歴代ポスターを展示中。全42店舗の中で、どのシリーズ(全28作品)のポスターに出会えるかは、行ってみてのお楽しみ。
また、取材中に偶然出会ったのが、日本銭湯文化協会・銭湯大使のステファニーさん(写真右)。ご自身のブログで都内の銭湯や日本のカルチャーを紹介されているそうです。日本語堪能で驚きました。

▲日本銭湯文化協会・銭湯大使のステファニーさん(写真右)

▲20代半ばにして生まれて初めてのゴジラ映画『シン・ゴジラ』を観て衝撃を受けました。「ゴジラ映画」の歴史ってこんなに深いんですね(画像は左右にスライドできます)

続いてやってきたのは「大田区観光情報センター」です。もう早速、シン・ゴジラのシルエットがお出迎えしてくれました。
こちらは京急蒲田駅構内にある観光案内所です。

こちらでは観光ガイドブックの配布やものづくり大田区の逸品が展示・販売されています。さらに日本の文化が体験できるワークショップも開催しています(多言語対応スタッフあり)。世界に向けてアピールしている大田区なのです。外国の方だけでなく、もちろん日本の方でも楽しめるオススメスポットですよ!
実はこちらには、職員のかたが個人的に作成した第二形態進行ルートのマップがあるようです。後日に知って、見せてもらえばよかったと後悔…。

▲こちらにはいろんな工芸品や「下町ボブスレー」(大田区の町工場が集結し競技用ソリを開発するプロジェクト)に関する本もあって「ものづくり大田区」を感じてワクワク!(画像は左右にスライドできます)

ここに来たらやはり「京急」の電車に乗らなくてはいけません。いや、挨拶しておくべきです! 作中で思いっきり車両をぶん投げられて木っ端みじんになる京急800形電車。ネット上では「京急が不憫で不憫で…(泣)」「大好きな京急がー!(叫)」という声が多数。実は京急電鉄はこの映画に全面協力しており、CG制作のため図面貸し出しや実車取材もさせてくれたといいます。また、列車破壊映像に許諾を出してくれる唯一の鉄道会社が京浜急行電鉄。これは本当にすごいことです。ということで、京急に敬意を表して、一礼!

そして最後に、創業昭和2年の老舗! 超絶おいしい甘納豆で有名な「谷口商店」を紹介します。

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

「谷口商店」は大田区商店街連合会の「おおたBLACKキャンペーン」参加店ですが、実は映画『シン・ゴジラ』作中では第二形態進行ルートからは微妙にずれています(でも、目と鼻の先)。とはいえ、住み慣れた地元・蒲田が破壊されたとあっては黙ってはいられません。ということで、ご主人と女将さんのご夫婦は映画『シン・ゴジラ』視聴済みなのです。

女将さんは「映画でのこの子(第二形態)は気持ち悪かったけど、人形(フィギュア)は可愛いわね(笑)」とすっかり愛着が湧いたご様子。
ゴジラ初期世代と思われる職人気質のご主人も「ただの怪獣映画じゃなく、テーマが深くて面白かったよ」とのこと。政治家や官僚たちの会議シーンや縦割り行政のリアルな描写にニヤリとしたようです。

▲捕食しないシン・ゴジラ(第二形態)もあまりのおいしさにパクパク?(画像は左右にスライドできます)

オリジナル商品「丹波黒大豆の甘納豆」は大粒でふっくら。豆の旨みが出ていて、甘みも程よく、パクパクいけます。お土産で買っていったら社内で大好評でした。通販でも購入可能ですよ。
ちょっとお茶目な写真も撮らせてくださって、ありがとうございました。

▲谷口さん「こら! 蒲田になんてことしてくれたんだ!(笑)」(画像は左右にスライドできます)

* * * 

大田区観光課の田澤さんがおっしゃっていましたが、このキャンペーンを通じて大田区の魅力を再認識するきっかけになったそうです。映画を見られた方はもちろん、地元の方も楽しめるキャンペーンではないでしょうか。そして、このキャンペーンの最大の魅力は、街を巡ることで、地元の方と交流できることです。

私は毎年「地方創生」の冊子を制作しているのですが、やはりこの類のイベントの楽しむコツは「自分から積極的に話かけてみること」だと思います。そうすることで、ほとんど所縁もない街に愛着が湧いたりすると思うのです。

▲「第二日の出湯」のご主人・田村さんと(画像は左右にスライドできます)

●大田区役所 本庁舎
住所:東京都大田区蒲田5-13-14
TEL:03-5744-1111(代表)
※パネル展は終了しております。
●大田黒湯温泉 第二日の出湯(閉館しました)
●大田区観光情報センター
営業時間:9:00〜21:00(年中無休)
住所:東京都大田区蒲田4-50-11 ウィングキッチン京急蒲田M2F
URL:https://tokyoactivity.com/ja/
●谷口商店
営業時間:9:30〜18:30
定休日:日曜日
住所:東京都大田区蒲田3-17-16
TEL:03-3735-0123
URL:http://www.kamata-taniguchi-shoten.com/

 

●文=佐藤遼太郎
「蒲田ロケ・エキストラ体験記」 文・撮影=堀 雅俊
●編集=シン・成田潔(アーク・コミュニケーションズ)、シン・魚住陽向フリー編集者
●撮影(谷口商店)=清水亮一(アーク・コミュニケーションズ
●撮影・編集=大山勇一