料理レシピ付き!ぼくらの7日間[もやし栽培]戦争がやっと終わった件

2019.11.22(Fri)

突然、アーク社内の一部に「もやし栽培」の指令が発動しました。その命を受けた数名は1週間から12日間をもやし栽培とその写真撮影記録に精を出したのです。なぜ、そんなことが巻き起こったのか? そのもやしは育ったのか? 育ったモヤシはどうなったのか? そもそも「もやし」はどう栽培するのか? ぼくらの7日間戦争・もやし栽培編(?)をご覧ください。収穫後にちゃんと食べた「おいしいもやしレシピ」も掲載します。

もやし栽培・準備編

事の起こりは、とある記事制作で、ライター氏から『もやし栽培方法を記事にしてみてはどうか?』という企画があったことでした。担当者のJさんがその企画を提出してみたところ、「一度テストでやってみては?」という返答があり、実際にもやし栽培をやってみることになったのです。Jさんの「みんなでやってみよう!」という気軽な言葉に私、魚住ほか罪なき四人が巻き込まれ、そして驚くべき結末が待っていたのです。

●「もやし栽培」に必要な物
もやしの種、ガラス瓶(広口のもの)、ガーゼ、アルミホイル、輪ゴム、茶こしやボウルなど
※これを6人分

Jさんは魚住に『野菜図鑑』のもやし栽培ページを示し、必要な物を準備するよう依頼。魚住はいつもの100円ショップへ出掛けます。種はスーパーの種販売ラックに並んでいるものと気軽に考えていました。これが大きな間違いだったのです。

そもそも皆さんはもやしの種って見たことがありますか? 育て方をご存知ですか? 魚住は恥ずかしながらこの歳になるまで全く知りませんでした。実家が由緒正しい漁師(網元)の子どもの大きな落とし穴です(なんのこっちゃ)。

100円ショップやスーパーの片隅にある、種の陳列ラックに「もやし」の文字を探しますが全く見当たりません。「大根」や「小松菜」なんていうのはよく目にしますが「もやし」はスーパーを何軒回っても見つからない。そこでバスに乗って郊外にある大きなホームセンターに行ってみました。園芸売り場の店員さんに聞いたところ「もやしの種なんて置いてない。そもそも、そんな種があるの聞いたことがない」という衝撃の回答。バスに乗ってまで来たのにこのまますごすごと帰るのはもったいない。諦めきれなかった魚住はホームセンター内をうろうろ。するとありました! 奇跡の発見! そして、これは自分にとっての新発見でした。

そうです! 正解は「もやし」の種ではなく、「豆」の種だったのです! ああ、恥ずかしい。新基軸の世代間クイズバラエティ番組「そんなコト考えた事なかったクイズ! トリニクって何の肉!?」(テレビ朝日系)の出演者を笑ってる場合じゃありませんでした。これはちゃんと調べないといけません。

「モヤシ」とは、主に穀類や豆類の種子を人為的に発芽させた新芽。ただし単に発芽させたものでなく、暗所で発芽させ、徒長軟化させたものである。呼称は「萌やす」 (発芽させる意) に由来する。発芽野菜(新芽野菜)を総称してスプラウト(英: Sprout)という。スプラウトは生育方法により、アブラナ科のかいわれ大根などのグループとマメ科のモヤシなどのグループとに分けられ、前者が種から根を伸ばすのに対し、後者は頭部に種子を付けた状態で伸びていく違いがある。また、栽培方法も、かいわれ大根などは茎が伸びた後は光を当てて栽培するのに対し、モヤシは光を当てることなく暗室のみで栽培するのが一般的である。豆類のモヤシはビーンズスプラウト(ビーンスプラウト、Bean sprout) ともいう。※ウィキペディア(Wikipedia)より引用

スーパーでよく1袋30円ぐらいで売られている一般的なもやしは「緑豆もやし」。そうです、ちゃんと「緑豆もやし」とうたっているではありませんか。あとで思い出しましたよ。ホームセンターで「緑豆」の在庫が少ないのと、この企画はどの「もやし」が正解なのか分からないので3種類ほど購入。他に必要な道具も100円ショップで揃えました。さあ、準備完了。いよいよ、もやし栽培のスタートです。

もやし栽培・実践編

ちゃんと栽培と記録が成功していたのは3人。種の種類はランダムに配布したつもりだったのですが結果、キチンと3種類バラけて栽培できていました。
まずは基本の手順。どの種類でも共通です。おぼえておくと便利&役立ちます(どこで?)。

1日目:ガラス瓶は予め熱湯消毒しておくのがベスト。種をボウルに入れてサッと洗う。浮いてきた種とゴミを取り除く。茶こしで種をすくい、ガラス瓶に入れる。瓶に入っている種の厚みの5〜6倍の位置まで水を注ぐ。瓶の口をガーゼで覆い、輪ゴムで留める。このまま一晩、温かい室内(温めすぎに注意)に置いて吸水させる。

2日目(朝):瓶に入れた水の色が淡黄色になっているので、それを捨てて、新しい水を注ぎ、中の種を振り洗いして水を捨てる。何回か繰り返して(だいたい2回ぐらいでOK)水がきれいになったら水をしっかりきり(もう水は張りません)、口をガーゼで覆い、輪ゴムで留める。アルミホイルで瓶の回りをぐるっと巻き、上部と下部からも光が入らないように瓶全体を覆う。このアルミホイルは最後まで使うのでいちいち捨てないこと。

2日目(夜):アルミホイルをはずし、ガーゼをしたまま水を注ぎ、水きりをする。そのガーゼは外し、新しいガーゼに取り替えて、輪ゴムで留める。アルミホイルで回りと上部・下部を覆う。
以降は、1日2回(朝晩)これを繰り返す
だいたい7日間〜10日間で収穫できる。

もやし栽培・記録報告編

●クリムゾンレッド レンズ豆もやし(栽培&記録者:魚住)
「キング・クリムゾン」と「レッド・ツェッペリン」を連想させるロックなもやし。ちなみに「SHAMAN KING レッドクリムゾン」というマンガもあるようですが、どちらも無関係です(当たり前!)。もやしなんでね。

こういう栽培は初めてなので理科の実験のようでちょっとワクワク。「うまく育てられるかな〜?」なんて少し不安を感じてはいましたが、意外に簡単に育つことがすぐに判明。3日目ぐらいで少しでも芽が出てくると途端に可愛く思えてきます。部屋の中に自分以外の生命が動いている気配です。

撮影用のバック紙を敷き、自分のデジタル一眼レフカメラと三脚をセッティングして簡易スタジオを設置。微妙な位置にも印を付け、定点撮影を試みました。ところがやはり素人。ガラス瓶に写り込みが激しく、日光の強弱や台風にも翻弄された7日間でした。

魚住の場合は、「洗って水をきり、ガーゼを取り替えて、アルミホイルで覆う」作業を朝は8時に、夜は20時に行いました。ちょうど12時間おきです。朝と晩だけなので簡単で手間もかならないように感じますが、どんどん負担に感じてきます。この時間に家に居なければならないからです。朝はいいですが、夜は食事に誘われても「ごめん、もやしちゃんの世話があるから!」と帰宅。そうです! もはやペット感覚なのです。手間だけど可愛い。成長が楽しみ!

ただ、大きく違うのは成長したら食べちゃうことです。「飼育した動物(豚)を食べることができるか」が議論される映画『ブタがいた教室』やマンガ『銀の匙』。その中で「豚に名前を付けるな!」ということが言われますが、魚住ももやしに名前は付けなかったので、収穫したら調理してあっさり食べちゃいました。すごくおいしかったです。今回調理した「豆もやしのナムル」のレシピはこの記事末に紹介します。


▲クリムゾンレッド レンズ豆もやしと魚住の7日間戦争

●レンズ豆もやし(栽培&記録者:滝澤)
Jさんと同じ部署ということもあり、栽培を頼まれていた滝澤さんも栽培&撮影に成功していました。やはりマメな人です(豆もやしなだけに!)。ただ、自分で育てたもやしは食べなかったようなので、魚住が多めに育てたもやしで作った「豆もやしのナムル」を進呈。おいしく食べてくれました。


▲レンズ豆もやしと滝澤さんの7(12)日間戦争

●緑豆もやし(栽培&記録者:清水)
カメラマンの清水さんは撮影のプロなので当然、写真の出来がダントツです。魚住と比べちゃ申し訳ないですが。毎日、自宅で家事や育児の合間に栽培&撮影してくれました。ちなみに、スタジオでのもやし撮影中に2人で気づいたことがあります。それは、もやしが育って収穫する際にガラス瓶から取り出せない! ということです。写真のガラス瓶のように口の部分が胴部分より小さくなっていると、取り出すのが非常に困難でした。包丁を差し込み切り込みを入れてから引っ張り出さなければ出ないのです。「もやし栽培をして、食べてみたい!」と思った人はズドーンとまっすぐ寸胴形のガラス瓶の使用をオススメします。


▲緑豆もやしと清水さんの7日間戦争

[豆もやしのナムル]

材料:豆もやし…1袋(または収穫した1瓶分)/塩…小さじ1/2/鶏ガラスープの素(創味シャンタン粉末)…小さじ1/ごま油…大さじ1/いりごま(白ごま)…大さじ1

作り方
①収穫した豆もやしは流水で洗い、水を沸騰させた鍋に入れて、混ぜる。
②鍋にフタをして(マストです!)3分間ゆでる(吹きこぼれそうになったら弱火に)。
③ざるにあげてお湯をきる。手で触れるぐらいまで冷ましてから、ぎゅっと絞っておく。
④塩、鶏ガラスープの素、ごま油を入れて、よく混ぜる。いりごまをかけて出来上がり!



▲レンズ豆もやしのナムル

 * * * *
1回目のもやし栽培の後も、種が余っていたので結局2019年10月(1カ月間)はずっともやし栽培をしていました。なんと、一人で合計瓶6本分は育てました。そして、まだ種があるのであと2回ぐらいはもやし栽培しそうです。「豆もやしのナムル」はとてもおいしかったです。ビールがすすみます。


▲クリムゾンレッド レンズ豆もやしのナムル

でも正直言うと、もやしはもういいです。実はこの種は1袋298円もするのです。そして、手間と時間が結構かかります。もやしってコストパフォーマンスを考えたら大変なお野菜です。市販のもやしがいかに安価で売られているか。もやし農家に感謝の気持ちが芽生えましたよ。発芽ですよ、発芽! もやし農家さんに「萌やし」ました。ごちそうさまでした。

企画のための何気ないひと言から始まったもやし栽培とその記録。これがお仕事につながるかどうかはまだわかりません。ひとまず、このブログで「お焚きあげ」したいと思います(笑)。パチパチパチパチ……。


▲緑豆もやしの炒め物

●栽培&記録撮影= 滝澤加代(アーク・コミュニケーションズ
●栽培&記録撮影・料理撮影= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ 写真室
●調理= 吉田めぐみ(料理研究家・ワインエキスパート・野菜ソムリエプロ)
●栽培&記録撮影・文・編集・WordPress= 魚住陽向(フリー編集者、ライター、小説家