編集部制作室の小澤和徳です。普段は、ライオン歯科衛生研究所の育児ウェブサイト『ママ、あのね。』の記事制作・更新のお手伝いや企業パンフレット制作などをしています。2019年8月、アークのカメラマン清水さんが講師をつとめるワークショップが開かれました。前年7月に行われた「パパのための写真撮影講座」という企画に続き、今回は子どもたちが撮影をするワークショップです。私も普段から子どもに向けたコンテンツ作りが多いので、何か参考になればと、見学に行ってきました。(公開:2019年10月4日/更新:2022年2月1日)
令和元年度体験型育成事業 わくわく・ドキドキ体験コース:子どものイメージをかたちにする撮影ワークショップ 〜親子で探そう自分だけの写真〜
日時:2019年8月3日(土)10:00〜12:00
会場:品川区役所 第二庁舎内/しながわ中央公園
主催:品川区 子ども育成課
URL:しながわパパママ応援サイト キッズルームインしながわ
※この日の講座は終了しました。
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【講師プロフィール】
写真家・清水亮一(しみず りょういち)
(株)アーク・コミュニケーションズ所属
日本写真家協会 正会員
品川区在住。3児のパパ。
「体験型育成事業 わくわく・ドキドキ体験コース」とは、品川区が主催する、小学生の子どもとその親を対象にした講座や教室です。芸術活動、自然体験などの体験の中で「なぜ?」を大切にし、探求心や好奇心の旺盛な青少年の育成を図る内容で開催されています。
子どものための写真撮影講座
昨年(2018年)の「パパズプログラム」はお父さんが子どもを撮影する写真撮影講座でしたが、今年は子どもが主役です。子どもが主体になり、子ども自身がイメージする親の姿を写真に撮るわけです。私も子どもがいるのでこれは興味深いです。子どもにどう見られているか、というのはドキドキします。
いきなり「イメージして!」と言われても戸惑うだろうと考えた清水先生(清水さんは同僚ですが、ここではあえて「先生」と書きます!)は予め【イメージをかたちにするワークシート】(と記入例)を参加親子に配布し、書いてもらっていたようです。「いっしょに参加する家族で、だれを撮影したい?ひとり決めてみましょう」という感じです。確かに前もって頭の中に準備しておいた方が当日困ることも迷うことも少なくなります。
この日来てくれた親子は3組。女の子(小4)とパパ、男の子(小5)とパパママ、女の子(小4)とママという組み合わせです。前回の講座もそうでしたが使用するカメラはデジカメが基本。スマホ使用は不可です。
まずは、座学が30分ほど。書いてもらっていたワークシートに沿って、「イメージをどうカタチにするか」小学生に分かるように清水先生がお話してくれます。
イメージを持ったら次は、撮影実践……の前に「カメラの操作の確認」を室内で行います。いきなり「撮りましょう!」と言われてもなかなかできませんし、子どもには予行演習が必要です。とことん清水先生は親切です。シャッター速度について、シャッター半押しなどのテクニックを教え、「実践を見せる」のです。一度やっておくと本番では全然違ってきます。
▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)
子どもが、親を撮る!
さぁ、座学とデモ撮影会(室内)の次は、いよいよ実践。品川区役所の向かいにある「しながわ中央公園」にて撮影会の本番開始です。かなり暑い日でしたが、良いお天気で本当に撮影日和となりました。
▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)
印象的だった場面は、「子どもが撮影対象である親に対してハッキリと指示を出す」ところ。完全にイニシアティブは子どもにあります。そして、その現場のシチュエーションを楽しんでいる様子が見てとれました。
▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)
そこに清水先生が「こうしたらもっといいよ」とアドバイスをしてくれる。これは子どもにとっても(親にとっても)貴重な体験になると思いました。だって、プロのカメラマンが側に来て教えてくれるんですから。
カメラの操作方法や撮り方などの技術的なことも押さえつつ、子どもたちが「こう撮りたい!」と思っていることを、プロがその場で後押しをしてくれる。しかも、子どもに分かるような伝え方ができるのは、清水先生が3児のパパであることも大きいんじゃないでしょうか。
子どもと丁寧に話をしながら、少しずつ写真のイメージをカタチにしていくところを見て、子ども達は良い体験をしているんじゃないかなって思いました。
▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)
撮影会(実践)の後は、子どもたちが撮影した写真の中から子ども自身が2枚選びます。これも子どもが主体です。写真を選ぶのはオトナでも意外に難しいものです。
そして選んだら、先生や参加家族の前でその2枚の写真の発表会が行われます。清水先生が「この写真は何をしているところ?」「パパ(ママ)はどんな人?」「どんな思い出があるの?」などと子どもたちの話を引き出し、うまく発表できるように道筋をつけてあげます。
こういう写真など他人の作品に感想を言うのは難しいものです。それが清水先生は「良かったところ」「もっとこうしたら」も含めてハッキリ&ズバッと評していて、端から見ていて「写真を撮ることを嫌いにならないか」とヒヤヒヤしてしまいました。特に子ども相手ですし……。私だったら徹底的に褒めてしまうところです(笑)。
(清水「後日談として聞いたところ、参加されていたお母さんが「あの後も楽しく撮ってますよー!」と言っていてホッとしました」)
ワークショップ終了直後の感想はというと参加者の皆さんは「難しかったけど、おもしろかった」「また参加したい!」「親として子どもに撮られるというのはとても興味深いです」「撮影を通して子どもが何を考えているのか分かるのがすごくいいです」と大満足の様子でした。
オトナ向けの撮影ワークショップはたくさんあるでしょう。でも、子どもが主役で、子どもが考えて、子どもが主導権を握って、子どもが思う親の姿を撮るというワークショップはなかなかないと思います。今後ももっと続いていってほしいです。そのうち、私の子どもがもう少し大きくなったらぜひとも一緒に参加したいと思いました。
●講師= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
●撮影= 小澤和徳(アーク・コミュニケーションズ)
●文章協力・編集・WordPress= 魚住陽向(フリー編集者、小説家)