博士アイドル爆誕!『会いに行ける科学者フェス』は専門知識ゼロでも楽しめました!

食欲の秋・芸術の秋・科学の秋…秋が大好きな「アークのブログ」編集部の魚住です。2023年初秋、グッとくるイベント名を聞いて、胸がトキメキました。その名も『会いに行ける科学者フェス』。「会いに行ける」というと、アイドルを思い浮かべてしまいます。でも、開催した日本科学振興協会は大マジメなのです。そこで今回、ミーハーちっくに科学好きな魚住が、この科学イベントを、硬軟織り交ぜてレポートします。壮大な研究テーマが並ぶなか、やっぱりアイドルオーディションもありましたよ!(公開:2023年11月16日)

SNS発!オトナになってからの科学

最初に言っておきますが、魚住は科学に関する知識が小学生以下なのです。元々、理科→科学は苦手科目。それに数字が絡んでくると完全にお手上げです。でも突然、オトナになってから興味と関心の量がぐぐっと増えました。それはSNSで科学関係の投稿を見るようになったからです。

まず、たいていの虫は嫌いでしたが、NHKの「子ども科学電話相談」じゅえき太郎さんのお陰で昆虫にも興味が持てるようになりました。病理医ヤンデル先生の投稿はおもしろいし、ティラノサウルスとダイナソー小林先生はかっこいいし、Gakkenの「大人の科学」もめっちゃ素敵です! みんな大好き、国立科学博物館には1年中居たいです。それから、漁師の子なので魚類と環境問題には関心がありありです。しかしです。いかんせん、科学に関する知識が乏しすぎる。

そんな魚住が瞬間的にグッときたのが、『会いに行ける科学者フェス』というイベント名。「一体全体、どんなイベントなんだろう?」「科学者フェスって何をするの?」と疑問で頭がいっぱいになりました。7月の段階では公式サイトを見ても、プログラムの詳細はほとんど書いてない。「やっぱ行くしかないでしょう!」「イベントタイトルからして、内容はやわらかいだろう!」これはもう行ってから判断しようと、取材申込をしてみました。

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会いに来たよ!「科学者フェス」

そもそも、イベント『会いに行ける科学者フェス』は日本科学振興協会の、2023年の年次大会なのです。この、日本科学振興協会(Japanese Association for the Advancement of Science:JAAS)は「日本の科学を、もっと元気に!」を合い言葉に有志の皆さんで集まり、アイデアを出し合い、科学振興を構想している特定非営利活動法人だそう。申込に対するお返事メールもリモートでのマスコミ説明会も委員長さんたちが自ら動いてくれて感激でした。

イベント・プログラムの裏表紙には次のように書いてあります。

「アキバには、いろんなオタクの方たちがいます。興味のあることに、好奇心全開でひたすら熱中するその姿。考えてみれば、電気を生み出したファラデーも、科学のオタクと言えます。ろうそくの性能で競い合う世界を一変させるあたらしい光でした。好奇心は、新時代のエンジンになり、世界を元気にします。喫茶店に行くくらいの軽いきもちで、科学者に会いに来てください。握手できるかはわかりませんが、サインはもらえます。そのサインは、未来のノーベル賞受賞者のサインになるかもしれません。」

私は、ノーベル賞よりもイグ・ノーベル賞受賞者の方のサインがほしいです。「イグ・ノーベル賞」がおもしろすぎて過去にこんな記事を作りました。

アークのブログ『日本人は変人が多い? 「イグ・ノーベル賞の世界展」で爆笑してきました!』

受付でいただいたプログラムの中にサイン帳ページもありました。どうやら「サインを書く」ことは科学者の皆さんも了承済みということですね(笑)。

▲サインのポイントを集めると記念品がもらえます

さあ! 秋葉原UDX2Fで受付がすんだら、ポスター展示や展示ブースが並んでいるAKIBA SQUARE。ココが『会いに行ける科学者フェス』会場です。

話しかけやすい科学者たち

ひと口に「科学」といってもそのジャンルは幅広いのです。ポスター展示や展示ブースを見ると、その研究内容は多種多様です。

展示ブースオンサイトポスター発表の全リストはコチラからご覧ください。

受付のすぐ横にハロウィーンの飾りが目をひくブースがありました。子ども向けのようにも見えるけど、これは何の研究? それは「食の心理メカニズムを司る食嗜好性変容制御基盤の解明」でした。きゃー! 難しそうなタイトル〜! 喜田聡先生(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻)と藤原寿理先生(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部)にうかがったところ、お菓子を食べている(であろう)動画を見せて、食欲が湧いたか、どちらのお菓子が食べたくなったかなどをアンケート調査しているそうです。調査に協力(動画を見る)するとお菓子がもらえます。ごちそうさまです。

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ココでふと気づいたことが! それは研究名の上についているこの言葉です。「ムーンショット9」って何だろう?

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藤原先生にうかがったのでまとめてみました。

■ムーンショットについて
「ムーンショット(Moon Shot)」とは、内閣府「ムーンショット型研究開発計画制度」のこと。「ムーンショット目標」とも呼ばれます。日本発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する、国の大型研究プログラムです。

月に向かってロケットを打ち上げる意味の「ムーンショット」ですが、J.F.ケネディ(第35代アメリカ合衆国大統領)がアポロ計画を発表し、人類を月面着陸させるという前代未聞の挑戦を有言実行したことから「困難だが野心的で夢のある計画」がこう呼ばれるようになったそう。
また、ムーンショット型研究開発制度は、「失敗を許容する」と明言している点も特長。

目標1:(2050年までに)人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
目標2:(2050年までに)超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
目標3:(2050年までに)AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
目標4:(2050年までに)地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
目標5:(2050年までに)未利用の生物機能などのフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
目標6:(2050年までに)経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
目標7:(2040年までに)主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
目標8:(2050年までに)激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
目標9:(2050年までに)こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現

なるほど! 国を挙げての大規模研究開発プロジェクト。これはおもしろいことになってきました。喜田先生、藤原先生! お話聞かせてくださって(サインも!)ありがとうございました。

▲(写真左から)藤原寿理先生と喜田聡先生

さて、ずらりと並んだポスター発表も、小学生の時に作った「壁新聞」みたいでおもしろそうです。いや、正確に言うと「難しそうな研究をキャッチーなタイトルにして、目をひく工夫」が素敵です。そして、力作の各ポスターの前には、研究に興味を持って立ち止まった人からの質問に応えている科学者たちの姿が! 人見知りの人もいるだろうに一生懸命で本当にいい感じです。

私がビビッときたポスター発表は「東京大学×かずさDNA研究所がゲノム科学で迫る身近な植物の謎」白澤健太:かずさDNA研究所/藤井壮太:東京大学大学院農学生命科学研究科)なのです。桜(ソメイヨシノ)のクローンの話など、興味深いことをいろいろ教えてもらいました。ゲノム解析でソメイヨシノのルーツを探ると、新たな謎に直面!

父は「大島桜」で母は「江戸彼岸」で生まれた子どもが「染井吉野」。それを挿し木で増殖した同じ遺伝情報を持つクローンが現在、日本全国で咲き誇っているソメイヨシノたち。しかし、父と母を交配させたのは「いつ?」「誰が?」「どうやって?」という謎と、最初に生まれたルーツの「染井吉野」が行方不明という謎。これは興味深い謎解き、というかゲノム解析。わかったら大々的に発表してほしいものです。白澤先生、藤井先生、ありがとうございました。

白澤健太先生(かずさDNA研究所)
藤井壮太先生(東京大学大学院農学生命科学研究科)

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次に「ライフスタイル認証(R)」の展示ブースへ。
個人を識別するためには知識・所持・身体的特徴があり、それに続く第4の手法として個人の行動データを活用した新しい個人認証技術が「ライフスタイル認証」なんだとか! この「個人の行動データ」というのは、スマホの位置情報やWi-Fi情報、サービスの利用履歴など。「ライフスタイル認証」技術の認証精度や決済にかかる時間などのデータ収集を目的として実証実験を行っているんですって!

冨田清次先生(東京大学大学院情報理工学系研究科)

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さてさて、ちょっと疲れたら「呼吸する休憩所」でひと休み。休憩のすごさをみんなに届けるプロジェクト「QKOK(きゅうけいオーケー)」がつくった場所が「呼吸する休憩所」

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ココではこのプロジェクトで開発した「呼吸するクッションfufuly」体験が可能。触れ合っている仲間の呼吸につられる生き物の性質をもとにしたDeep Breathing Technologyという技術を体感できました。

呼吸するように膨らんだり縮んだりする不思議なクッション「fufuly」を抱きしめてリラックス

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市民科学プロジェクトに興味津々!

ところで皆さん、2023年は観測史上最高温レベルの猛暑でしたよね。こんなに暑いと年々、気温も上がっていく気がするし、「これって、地球温暖化ってやつ?」なんて実感してしまいます。だからこそ、この展示ブース『土の微生物で地球の温暖化を止める!? 市民参加型研究プロジェクト「地球冷却微生物を探せ」』の前で足を止めてしまいました。私と同じ考えの人も多かったようで人気のある展示ブースでした。

大久保智司先生(東北大学大学院生命科学研究科)にお話を聞くと、どんどん興味が湧いてきます。地球温暖化の主な原因はCO₂(二酸化炭素)などの温室効果ガスというのは有名ですが、なかでもN₂O(一酸化二窒素)という気体はCO₂の約300倍(同じ体積で比較)の温室効果をもたらし、排出の削減が急務。この気体を消去できる微生物が土の中に存在するというからビックリです。この地球冷却微生物を探すプロジェクトが動き出しているのです。

▲(写真左から)加藤広海先生(東北大学大学院生命科学研究科)、青木裕一先生(東北大学東北メディカル・メガバンク機構/東北大学大学院情報科学研究科)、大久保智司先生(東北大学大学院生命科学研究科)

実はこのプロジェクトは市民参加型。「市民科学」というそうです。

「市民科学」とは、一般市民が科学研究活動に参加し、知的営為や地域的な知識をもって、あるいは所有するツールやリソースを用いて、能動的に科学に貢献することを指す。

この実験に参加協力してくれるボランティアを募集中らしいです。何をするかというと、身近な所にある土を採取してガラス瓶に入れ、マニュアルに沿ってデータを記録するのです。そのデータは分析され、地球冷却微生物を見つけることができるかもしれません。また、土壌と微生物の日本地図をつくります。

土を採取するためのキット(無料)

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我々の生活の中にはいろいろな種類の土壌があります。田んぼや畑などの農地。都市の片隅にある公園。小中学校の校庭や花壇。山や森の中の気温・湿度が異なる土壌。朝夕で寒暖差が激しいワイナリーに適した盆地の土壌。普段は手入れをしていない空き地。寺社の管理された敷地内。海岸や砂浜などの土壌。牛や馬の放牧をしている広大な牧場地。河川敷。もちろん、土地管理者や学校、自治体の許可が必要な場所もありますので勝手に土を掘らないように。

しかし、学校単位、自治体単位でこのボランティアに取り組むと、子どもたちの環境への意識も高くなるし、市民の科学への興味も深くなるワケです。ウェブサイトで参加申込を受け付け、土を採る場所や時期など実験計画を調整後に、実験器具の入ったキットを送付してもらえます(上のスライド写真参照)。

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このプロジェクトへの参加費用、実験キットや送料は無料(交通費などは自己負担)。小中学校の先生! 理科の授業の一環でどうですか? 農協(JA)さん、農家さんたちと取り組むと地球温暖化を食い止められるかもしれませんよ。農作物の出来につながりそうです。海岸近くの土壌はどうなのでしょう? 海の塩分が含まれると土壌はどうなるのか知りたいです。

■シンポジウム・市民×科学が切り拓く「地球冷却微生物を探せ」から考える市民科学の未来

●大石寛人・村木麻衣(NHKディレクター):『今日からあなたも研究者!シチズンラボで「謎」に挑戦』●大久保智司(東北大学特任助教):『「地球冷却微生物を探せ」の研究デザイン』●青木裕一(東北大学講師):『「地球冷却微生物を探せ」の運営と環境整備』●京都府立桂高等学校 地球を守る新技術の開発研究班:『「地球冷却微生物を探せ」体験談 SSHでの研究活動』●岩田淳(住友化学):『企業としての地球温暖化へのアプローチ:微生物資材を活用して』●南澤究(東北大学特任教授/Moonshot Project PM):『ムーンショット型研究と市民科学』<司会>佐伯恵太(俳優;サイエンスコミュニケーター)

10月8日(日)に行われたシンポジウムにも参加してきました。高校生も登壇・講演していて「市民科学」が広がってきていることを実感! 科学の未来は明るいです。

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夏は嫌いです。猛暑なんかもうこりごり。この地球温暖化を食い止めることができるなら……あなたも参加してみたくなりませんか? 実験キットを使うのもおもしろそうですよ。全国各地からのお申込み、お待ちしています。

「地球冷却微生物を探せ」プロジェクト
(宮城県仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学大学院生命科学研究科内)
URLhttps://dsoil.jp/cool-earth/lab/sib/

このシンポジウムの司会もそうですが、このイベントにおいて、引っぱりだこの大忙しだったのはこのかた! JAAS委員の佐伯恵太さん。俳優であり、サイエンスコミュニケーターでもあります。

▲佐伯恵太さん(俳優/サイエンスコミュニケーター)

「博士アイドル化計画」始動!

やっぱ秋葉原といったらアイドルでしょう! なんて安易な考えでこのイベントに飛び込んでしまったからにはこのプログラムを外すことは出来ません。

「博士アイドル化計画」最終オーディション
<最終オーディションメンバー>Mt.Guchi(大阪大学・大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 渡辺研究室・博士2年)/櫻井亮輔(東京大学・大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻・博士3年)/けこ(中央大学・理工学部精密機械工学科 熱流体工学研究室・准教授)/つもいよろず(東京大学・情報理工学系研究科・博士3年)/リコット(東京大学・大学院理学系研究科 天文学専攻・博士3年)/高田亮介(東京大学・大学院総合文化研究科 広域科学専攻・博士2年)/ちさき(大阪大学・助教)/TAKUMI.S(慶應義塾大学・政策・メディア研究科・博士3年)/わっか(東京学芸大学・大学院連合学校教育学研究科 学校教育学専攻・博士2年)
<審査員>入江聖奈(東京農工大学大学院カエル研究/2021年東京オリンピック ボクシング女子フェザー級金メダリスト)/黒ラブ教授(吉本興業所属、大学教員、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーター)/東尾奈々(宇宙航空研究開発機構)<司会>佐伯恵太(俳優;サイエンスコミュニケーター)<発起人>武田紘樹(京都大学/博士アイドル化計画・代表)

▲大好きなカエル研究の道を選んだ科学者・入江聖奈先生(審査員)
▲(写真左から)入江聖奈先生、東尾奈々先生、黒ラブ教授
▲「博士アイドル化計画」発起人

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これは、博士や博士学生の任期付きアイドルグループの設立を目指す企画。「メンバー全員博士号持ちのアイドルグループPhD48を作ろう」とSNS上での発言からスタート。現在は全国の有志の学生・研究者によって運営しているそう。

▲わっかさん
▲リコットさん
▲櫻井亮輔さん
▲高田亮介さん

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研究者たちの多彩な個性を発信することで、学術研究を身近に感じてもらうことが目的で、「こんな面白い研究者たちがいて、実はその人たちがこんな面白い研究をしてるらしい」と、学術研究を知ってもらうきっかけを提供したいということです。総勢約100名の応募者の中から一次審査・二次審査を通過した9名が最終オーディションに挑みました。応募者やオーディションのメンバーは特設サイトまたはX(旧Twitter)をご覧ください。

▲TAKUMI.Sさん
▲ちさきさん
▲つもいよろずさん
▲けこさん
▲Mt.Guchiさん

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優勝は櫻井亮輔さんでした。おめでとうございます。個人的には「若手の科学者さんはみんな明るいなぁ〜」と感じましたね。室内に籠もっていて暗いイメージなんてもう古いのでしょう。時代はどんどん移り変わっていることを「科学者フェス」と「博士アイドル化計画」からも実感。そうです! 日本の未来、科学の未来は間違いなく明るいのだということを確信したイベントでした。

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日本の科学を元気に!

なんと! このイベントの締めくくりに、日本科学振興協会 代表理事で、年次大会2023実行委員長である北原秀治先生にお話うかがえました。

「JAAS年次大会2023は『会いに行ける科学者フェス』と銘打って、学術的な議論のみならず、家族連れや学生など一般市民も対象とした産官学民4分野横断型の『フェスティバル』形式として開催しました。科学コミュニケーション関連の発表や展示を積極的に行うことにより、科学の社会への浸透を図る目的で、普段接することの少ない科学者に会って話をする科学者がその熱意を広く社会に伝えることのできる場を設ける、そして科学者と異分野・異業種のエキスパートが出会い新しい発想やイノベーションが生まれる、これらのきっかけを作ることを目指しました」


▲北原秀治先生(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 先端工学外科 特任准教授)

「参加者の反応は本当に想像以上で、もちろん10月7日夕方のテレビニュースに取り上げていただいた効果もありますが、3日間の入場者数は2000名を優に超えました。若手の研究者にはぜひ、この活動を継続して、そして研究の素晴らしさを伝えていってほしいと思っています。『会いにいける科学者フェス』は子どもたちに大いに夢を与え、そして日本の科学を少し元気にできたのでは? と主催者としては少しほっとしています」

北原先生、どうもありがとうございました。

* * * *

以前からSNSで科学者・研究者の皆さんをフォローしていると、研究費の予算で大変な思いをしたり、一般的には全然理解されなかったり、ご苦労されている一面も垣間見えたりしていました。東日本大震災で被災された研究者の方もいました。

「日本の科学を、もっと元気に!」するには、日本の科学者をもっと元気にしなければ!
それにはどうしたらいいか。科学に対する興味と関心と少しの理解をもっと深めることかもしれません。科学が私たちの生活に密接に関係していることをもっと知るべきでしょう。

例えば、家事。料理や掃除、洗濯なども科学の一環。研究者たちが頑張ってくれています。

毎晩、月や星を見上げたり、異常気象から環境問題を考えたり、動物園や水族館に行って生き物を見たり、筋トレから人間の身体の構造を考えたり、毎日お風呂に浸かることが医学的にどれぐらい有効なのかを感じてみたり、推し活で「好き」という気持ちがどれぐらい人間を活性化させるか体感したり……人生の、生活の中の科学を、あなたも感じて、そして知ってください。現場からは以上です!

あっ! 最後にひと言! この楽しいイベントを知らない人も多かったです。タイトルを言うとめっちゃ興味を持ってくれます。来年以降もこのイベント名で続けて、認知度を高めていただけたらと思います。はい、続けることが大事ですよね。日本科学振興協会の皆さん、ありがとうございました。

日本科学振興協会 年次大会2023『会いに行ける科学者フェス』
会期:2023年10月7日(土)〜13日(金)
ハイブリッド開催●10月7日(土)〜9日(月・祝)
オンライン開催●10月10日(火)〜13日(金)
会場:秋葉原UDX(東京都千代田区外神田4-14-1)
主催:特定非営利活動法人 日本科学振興協会(JAAS)
URL:https://meetings.jaas.science/
X(旧Twitter):https://twitter.com/jaasmeetings

■実行委員会
委員長:北原秀治(東京女子医科大学)、原山優子(東北大学)
JAAS委員:宮川剛(藤田医科大学)、深澤知憲(株式会社エマージングテクノロジーズ)、太田航(横浜市立大学)、他
■プログラム委員会
委員長:原山優子(東北大学)、宮川剛(藤田医科大学)
JAAS委員:三輪秀樹(国立精神・神経医療研究センター)、吉田智美(筑波大学)、黒ラブ教授(吉本興業株式会社)、田中智之(京都薬科大学)、山田祐樹(九州大学)、小野悠(豊橋科学技術大学)、加納愛(カクタス・コミュニケーションズ株式会社)、池田和隆(東京都医学研究所)、盛山宗太郎(慶應大学)、諏訪智巳(東北大学)、佐伯恵太(俳優・サイエンスコミュニケーター)他
外部委員:藤田信太郎(株式会社 日テレアックスオン)、長谷川哲士(株式会社コピーライター)、谷山健作(東京大学/BEAST代表)、東野利貴(大阪大学/学生自主研究推進機構(SINAPS)代表理事)、武川睦寛(東京大学;学術変革・生命科学連携推進協議会・代表)、武田紘樹(京都大学/博士アイドル化計画・代表)、宮野公樹(京都大学)、他
■オンライン委員会
委員長:深澤知憲(株式会社エマージングテクノロジーズ)
委員:黒木健(東京大学/株式会社Quantomics)、山形方人(ハーバード大学)、他
■運営委員会
委員長:太田航(横浜市立大学)
委員:いたみたつよし(SRP教育研究所)、片桐友二(ノボジーン株式会社)
サポートメンバー JAAS会員39名(9月13日現在)

●文・撮影・編集・WordPress= 魚住陽向編集者小説家