2023年も開催!「西新井大師・風鈴祭り」は夏の風物詩!

こんにちは。フリー編集者の魚住です。今年(2023年)の夏も開催されます。え、 何がって? 日本の夏の風物詩である、東京・足立区の「西新井大師・風鈴祭り」ですよ。日程が決定しているようです。先ほど直接、西新井大師に行って、日程をちゃんと聞いてきました(笑)。日程は記事後半でご確認ください。例年に比べて期間が短いのはまだ少しコロナの影響があるから。引き続き、感染症対策はもちろんのこと、熱中症対策も忘れずにお越しください。(公開:2016年7月15日/最終更新:2023年7月9日)

日本の夏の風物詩「風鈴祭り」

東武スカイツリーライン西新井駅で乗り換え、ひと駅の東武大師線大師前駅で降りてすぐに「西新井大師」があります。正式な寺名は「五智山遍照院總持寺(ごちさん・へんじょういん・そうじじ)」。空海(弘法大師)ゆかりのえらいお寺で、古くから「関東の高野山」とも呼ばれているらしいです。

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大師さんの参道を通り抜けると、大きな總持寺の境内に「風鈴祭り」のテントがあります。大きな看板があるのですぐに分かります。設営されたテント内には、葦簀(よしず)や簾(すだれ)がふんだんに使われ、全国各地の様々な風鈴がつり下げられています。素材・種類は61ブランドあり、計400個以上の風鈴が涼やかな音色を奏でているのです。

風鈴は展示即売しているので、気に入った物があればその風鈴の短冊にある番号(価格も明記)をメモし、風鈴会計所で購入もできます。もちろん、入場無料なので風鈴を愛でたり、写真撮影は誰でも自由にできます。「風鈴祭り」が始まったこの日、大師さんを訪れた年配のご夫婦が風鈴の音色に誘われ、暑さも忘れて見入っている姿が印象的でした。「姿はガラスとか陶器がいいけど、音は鉄や銅がいいね」「竹や和紙も風情があるわよ」なんて言葉を交わし、とても微笑ましいのです。

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風鈴は絵柄だけでなく素材も多種多様

風鈴とひと口に言っても、素材やデザインなど種類は様々です。日本全国に、それぞれの地域色のある風鈴がバリエーション豊富に存在します。
まずは素材から紹介します。素材によって「リンリン」「チーン」「カランカラン」など音が違いますが、個人の好みは様々ですね。

●ガラス
ガラスは透明感が涼しげで夏にピッタリの素材。「江戸風鈴(東京都)」が有名ですが、別に江戸切子や薩摩切子の風鈴もあり、伝統の美しさを感じさせてくれます。風に揺れるシャボン玉のように見える「市原手作りガラス風鈴(千葉県)」や「津軽びいどろ風鈴(青森県)」にも目を奪われます。

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●陶器(焼き物)
益子焼、美濃焼、信楽焼、常滑焼、瀬戸焼、備前焼、萩焼など、普通に有名な陶芸の産地で風鈴もたくさん作られています。清水焼、有田焼、伊万里焼になると風鈴でも高価な物も多いのですが、3日で完売することもあるそうです。

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●金属
金属系では、南部鉄瓶が有名な岩手県の「南部風鈴」。金属加工で知られる富山県高岡市からは「富山真鍮風鈴」「高岡鉄風鈴」「高岡青銅風鈴」。金属製は色合いは鈍いですが、音はきれいだと言うファンも多いのです。最近は、デザインも凝っていて、かわいい物も作られているので要チェックです。

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●その他
地域名産の素材を活かした個性あふれる風鈴にも注目です。「竹」を使った風鈴は和テイストが外国人観光客にも人気です。「越前和紙」が有名な福井県は、独自に「風水母(かぜくらげ)」と名付けています。変わったところでは「備長炭風鈴(和歌山県)」。備長炭の「カラカラッ」という音にも風情があります。「キャラクター」風鈴もあり、今年は熊本県からの「くまもん風鈴」が注目の的でした。また、西新井大師ブランドの風鈴もありましたよ。

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「西新井大師・風鈴祭り」に並べられた全国各地の風鈴ブランドを、北から順に紹介します。実際に足を運んで、それぞれの風鈴の音色や手触りなど確かめてみてください。

北海道・ぎやまん風鈴/青森県・花笠ねぶた風鈴、津軽びいどろ風鈴/岩手県・南部風鈴/宮城県・松笠風鈴/秋田県・御殿まり風鈴/山形県・山形鉄風鈴/福島県・喜多方風鈴/茨城県・笠間焼風鈴/栃木県・益子焼風鈴/群馬県・藤岡ガラス風鈴/埼玉県・長瀞ガラス風鈴/千葉県・市原手作りガラス風鈴/東京都・江戸風鈴、江戸切子風鈴/神奈川県・小田原鈴虫風鈴/新潟県・妻有焼風鈴/富山県・富山真鍮風鈴、高岡鉄風鈴、高岡青銅風鈴/石川県・能登島ガラス/福井県・越前和紙風水母(かぜくらげ) 、越前焼風鈴/山梨県・ガラス風鈴、水晶風鈴/長野県・諏訪ガラス風鈴/岐阜県・美濃焼風鈴/静岡県・かも風鈴、竹千筋風鈴/愛知県・常滑焼風鈴、瀬戸風鈴/三重県・伊賀焼風鈴/滋賀県・竹細工風鈴、信楽焼風鈴、布引焼風鈴/京都府・竹風鈴、清水焼風鈴/大阪府・河内風鈴/兵庫県・出石焼風鈴/奈良県・瑠璃風鈴/和歌山県・備長炭風鈴/鳥取県・上神焼風鈴/岡山県・備前焼風鈴/広島県・太田川風鈴/山口県・萩焼風鈴/徳島県・大谷焼風鈴/香川県・ガラス風鈴/愛媛県・砥部焼風鈴/高知県・ガラス風鈴/福岡県・博多風鈴、上野焼風鈴/佐賀県・伊万里焼風鈴、有田焼風鈴/長崎県・波佐見焼風鈴/熊本県・くまもん風鈴/大分県・別府竹風鈴/宮崎県・山王焼風鈴/鹿児島県・薩摩切子風鈴/沖縄県・琉球風鈴/「ウィンドチャイム」/「西新井大師特製」(順不同)

(音が出ます)

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この日、個人的に購入したのは「藤岡ガラス風鈴(群馬県)」。音色もそうですが、すりガラスに猫と金魚の絵柄に惹かれました。サンドブラストという技法らしいです。箱を開けると「こもれびがらす工房」(高城健治(宙吹き)、高城美和子(サンドブラスト))のしおりが入っていました。これで、この夏の暑さもやり過ごせそうです。

海外ガイド本スタッフに持ってもらって写真撮影

西新井大師 風鈴祭り
開催期間:2023年7月15日(土)〜30日(日)
時間:10:00〜16:00
会場:西新井大師 總持寺 境内(東京都足立区西新井1-15-1)
アクセス:東武大師線 大師前駅からすぐ
主催:西新井大師奉賛会
協賛:西新井大師總持寺、西新井大師商栄会、東武鉄道
URL:https://www.nishiaraidaishi.or.jp

この日は偶然、芸人の「お侍ちゃん」(サンミュージック所属)を見かけたので、思い切って声をかけてみました。快く撮影に応じてくれただけでなく、「江戸風鈴の前の方が感じが出るでしょう」とサービス精神旺盛。彼の髷はカツラではなく、ご自分の髪で結っています。今後、日本文化を紹介するコンテンツ出演が増えることでしょう。お侍ちゃん、ご協力ありがとうございました。

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●撮影・文・編集= 魚住陽向フリー編集者、小説家
●撮影協力=塚田奈菜子(アーク・コミュニケーションズ
●編集=大山勇一