世界初のフリーズドライすり身を使って実際に料理してみました!

お魚離れが危惧される昨今。魚食の良さは知りつつも、「下処理が面倒」「骨が苦手」などの理由で毎日の食卓から遠退きがちと聞きます。そんな危機的状況を救うかもしれないのが、高知県の土佐蒲鉾さんが生み出した『フリーズドライすり身』! 粉末の状態からカマボコ・ちくわ・お魚ハンバーグまで自由自在、骨抜きいらずで魚の旨さはそのままとのこと。開発した土佐蒲鉾の社長さんにインタビューもしましたがその前に! 実際に取り寄せて料理してみました。(公開:2015年5月19日/更新:2022年3月10日)

基本のすり身の作り方

『フリーズドライすり身』はいろいろな料理を作れますが、まずは粉末から水を加えた「すり身」状態にします。

〈用意する物〉
●旨蒲粉40g ●片栗粉3g ●5℃以下の冷水140cc ●ステンレスのボウル ●しゃもじ

〈作り方〉
① ボウルに旨蒲粉40gと片栗粉3gを入れます。
② 5℃以下の冷水140ccを入れ、約3分間しゃもじで練り混ぜます。
③ すり身がボウルに粘り付き、手応えが重くなってきます。滑らかになり、持ち上げてもしゃもじにくっついたすり身が落ちてこなければ出来上がり。

▲画像は左右にスライドできます(PCの場合、写真左右にある矢印をクリック)

冷水の温度や粉の割合などの条件から「難しいのかな?」「簡単にできるかな?」と、挑戦する前は不安でした。ところが、これはとっても簡単。何よりもこねる作業がケーキを作ってるみたいですごく楽しいのです。親子でのクッキングにも向いている気がします。

①レンジでチン! 蒸しかまぼこ

<作り方>
①1/3ほどのすり身を木の葉形に整え、常温で約5分置きます。
② ラップで直接くるんだら、500ワットのレンジで約50〜60秒(レンジによって異なります)。
③ レンジから出し、1分ほど置いたら出来上がり。

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かまぼこは自分の好きな形にアレンジ。濡らした手のひらで団子を作ってから形を整えるとやりやすいです。

蒸し器を使う作り方もありますが、より簡単にするにはレンジでチン! が一番の近道です。「これで蒸しかまぼこになるのかな?」なんて疑問は吹き飛びます。家庭でおいしい蒸しかまぼこが手軽に作れるなんてちょっと感動ですよ。出来上がった蒸しかまぼこにちょっとポン酢かけたり、ねりワサビ付けたりと晩酌のつまみにピッタリ!

②外カリカリの中じゅわ〜な揚げかまぼこ

<作り方>
① すり身をしぼり袋に入れ、絞り出し、好きな長さで油の中に菜箸で切り入れます。
② 170℃の油で2〜3分揚げれば出来上がり。

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表面に揚げ色を付けたい場合、すり身に対して2〜3%程度のみりんを入れます。
手でちぎって、揚げると「ちぎり天」になります。

揚げたてのかまぼこが一番おいしかったです。好みもあると思いますが外カリカリの中じゅわ〜の食感がバツグンでしょう。家庭で揚げ物やるのはハードルが上がりますが、一度やったらまたやりたくなること間違いなしです。揚げる前の成形で小判形やお団子状にしたり、ちぎり天もいいですが、絞り袋を使って小さく作るとお弁当のおかずに最適です。

③フライパンで焼きかまぼこ

<作り方>
① 30〜40gのすり身を木の葉形に整えます。
② フライパンに少量の油を入れ、中火にし、時々フライ返しかコテで抑えながら焼くと出来上がり。

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木の葉形に成形したすり身をフライ返しでぎゅーと押さえつけるだけで焦げ目が付いて、膨らんできます。焼きたてアツアツに醤油やポン酢をひと垂らしするだけで、口の中にお魚の旨みが広がります。他にも、みりんをすり身の2〜3%だし汁を5%程度入れ、すり身と混ぜ丸竹に握り付けて形を整え、コンロで炙って全面に焼き色が付いたら「にぎり竹輪」が出来るのでお試しあれ!

④椀種にする煮かまぼこ

<作り方>
① すり身を団子状にまるめて、だし汁の中に入れます。
② 2〜3分茹でて、中心まで白くなったら出来上がり。
③ 塩、醤油などで味をととのえてください(すり身から塩分が少量出ますので、控えめに)。

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最近、スーパーの鮮魚売り場でもすり身団子は売っていますが、それが自分で簡単にできて、なおかつおいしいというのは優れものです。味噌汁の具にしてもおいしかったですが「次はすまし汁や鍋物に入れてみたい!」と思わせてくれるところがあり、料理の幅が広がるきっかけにもつながりそうです。

出来たてに勝るものはない!」という熱い想い

添加物は使用していないから安心・おいしい・簡単便利な「フリーズドライすり身」。研究開発された発売元に直接お話をうかがってみました。

「土佐では揚げかまぼこのことを天ぷらと呼びます。魚をすり身にして揚げて、その場で食べるのが一番おいしい食べ方なんです。作りたて・出来たての天ぷらに勝るものはありません。フリーズドライ化に成功したのは、私が幼い頃から食べ慣れてきた出来たてを再現しようと納得いくまで試行錯誤を繰り返してきたからだと思います。フリーズドライにしても魚の旨みや栄養はそのままで、家庭で出来たてを食べてもらえます」((株)土佐蒲鉾 來國栄二郎社長)

次のステップへ展開する『フリーズドライすり身』

今回は、かまぼこを作ってみましたが、本当は他にもいろんな魚料理が試せます。試行錯誤と熱い想いから生まれたフリーズドライすり身は、『お魚食堂』とパッケージも一新。原材料を北海道のスケトウダラにし、お魚ハンバーグをはじめとして、様々な魚料理に利用できそう。また、洋菓子や麺類を作る際に原料に混ぜる使い方もできます。皆さんからの「こんな使い方もできましたよ」というお声もどんどん土佐蒲鉾へ送ってあげてください。
何より国内外の輸送に利便性ありです。今、海外でもSURIMIは人気ですからね。
もしかしたら、そのうち宇宙にも持って行けるかもしれませんよ!

《お料理バリエーションいろいろ》

ヘルシーバーグ
フィッシュカツバーガー
魚わん蒸し

▲お料理バリエーション写真は土佐蒲鉾からお借りしました(画像は左右にスライドできます)

お魚食堂(アルミパック40g)
640円(税込)
お問い合わせ先
(株)土佐蒲鉾 →http://www.tosakamaboko.co.jp/

●文= 魚住陽向フリー編集者、小説家
●かまぼこ調理体験レポ撮影 = 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ
●編集=大山勇一