子どもたちに本を贈る【ブックサンタ】になるために次のXmasまでに知っておきたいコト

こんにちは。「アークのブログ」編集部の魚住です。2024年12月、遅ればせながら「ブックサンタ」という活動があることを知って、参加してみました。「サンタなんて季節外れ!」「もう年越しちゃったよ!」……いえいえ、毎年Xmasはやって来るし、いつでも寄付はできますよ。サンタクロースも居ますしね。だから、次のXmasに向けて「ブックサンタ」という活動がどんなものなのかをお知らせしておこうと思います。そして、この記事によって「ブックサンタ」がみんなに広がりますように!(公開:2025年1月16日)

「ブックサンタ」って何だろう?

ブックサンタを知ったのは2024年12月半ばのこと。「Xmasまであとわずか!」とカウントダウンが始まっていた頃でした。

きっかけは、フジイユウジさんのブログとSNS投稿から。彼のブログ『本は思想や未来に影響を与える。お前もブックサンタにならないか?』を読んで、とっても嬉しくなっちゃいました。

フジイユウジさんは、会議やチームコミュニケーションを考える仕事メディア「Agend(アジェンド)」の編集長です。彼のブログでの、カジュアルな物言いだけど、優しい行動力に反応した魚住なのです。

「ブックサンタ」とは:NPO法人チャリティーサンタが全国の様々な困難によって体験格差を抱える子ども達に本を贈るため2017年に書店と連携してスタートした社会貢献プロジェクトです。「本を贈りたい」と思った人が本を買うと、チャリティーサンタをはじめとした全国数百のNPOを通じて、子ども達へ本のプレゼントが届きます。※チャリティーサンタは、特定の国や海外の団体、特定の宗教とは一切関係はありません。(「ブックサンタ」公式ホームページより引用)

ひと目見て「これは素敵な活動!」とビビッときて、思わずSNSでリプライしていました。

「私もブックサンタになる!なる!!」

ちなみに、本を贈る対象となる子どもたちについては以下の通りです。

経済困窮、病気、被災などによって体験格差(子ども時代に、体験・経験する機会を様々な要因によって得ることができずに生まれる格差のこと)を抱える、原則0〜18歳の子どもが対象です。(「ブックサンタ」公式ホームページより引用)

それでは次に、「ブックサンタ」に参加する具体的な方法をお知らせします。

ブックサンタになる方法!

まずは、「ブックサンタ公式ホームページ」から「参加方法」をまとめてみました。

「参加方法」は以下のように大きく分けて(A)〜(E)の5つあります。
この「参加方法」とともに、注意![あなたが本を選ぶ時]もよく読んでから参加しましょう。

(A)本を寄付して参加

■実店舗(リアル書店)で参加
ステップ①本を選ぶ!
参加書店一覧ページから(全国47都道府県・1868店舗参加/2025年1月現在)近所にある書店をチェック。実際に書店へ行き、本を選ぶ。1年を通じて届けるため、クリスマス関連以外の本もGOOD! なるべくプレゼントとして楽しめる本がいいそうです。
ステップ②選んだ本をレジで購入して預ける!
レジで「ブックサンタに参加したい」と伝えて、支払い(その書店での支払可能方法)すればOK。そこで受け取った参加証に記載されている限定ページにて「受け取った子どもたちの感想」を見ることができます。※感想は過去に本をプレゼントされた子どもたちのものです。寄付した本は誰のところにいくかわかりません。
■オンライン書店で参加
参加書店へ訪問するのが難しい人のために、オンライン書店もあります。「書店に行く時間がない!」「本を選べない」という人はオンライン書店の中に「サンタにおまかせコース」(各年代向けに分かれています)が便利です。

注意![あなたが本を選ぶ時]

クリスマスや誕生日に「プレゼントとして楽しめる本」を選んでください。なるべく読後感が「楽しい」「嬉しい」「ポジティブ」な内容がいいかも!
物語や絵本はもちろん、雑学や図鑑、趣味実用書もいいみたい!

上下巻で寄付された本は合わせて届けるようにしているようですが、運営上では1冊で物語が完結している本を推奨。
複数巻の続きものは、対象となる子ども(家庭)は続きを読みたくなっても準備するのが難しい場合があるので注意。シリーズものでも1話完結型(=1冊だけでも楽しめるもの)だったらOK。
ベストセラー・ロングセラーの本は、多くの書店に置かれており、寄付者の目につきやすく、自然と多く集まる傾向。また、ロングセラーの名作絵本・児童書などは、家庭ですでに所持している場合も多く、送った際に重複してしまうケースも。

× マンガ、コミックス(学習まんがはOK)、雑誌、学習参考書、辞書は対象外。また、本以外の玩具や雑貨、文具なども対象外です。
× 古本・アウトレットブックはすべて対象外。子どもたちにプレゼントするという性質上、新品のみでお願いします。

※書店を経由せず直接事務局へ本を寄付することはできません。安全性などの観点から、個人からの寄付は受け付けしていません。

(B)運営費を寄付して参加
本の寄付が増えるに連れて関連支出が年々増加しているようです。本を管理する倉庫費用、配送費用、印刷費用、広報費用、ラッピング資材、選書スタッフ人件費などの活動運営費の寄付を募っています。
(C)継続サポーターになる
ブックサンタの活動を継続して発展・成長させていく為にブックサンタの継続サポーターとして応援。
(D)クラウドファンディング(2024年12月27日終了)※再開は未定
(E)サンタに扮して届ける
「サンタに扮して届けるボランティアさん」も30都道府県で募集。
※ブックサンタとは別の取組です。様々な家庭に届けるため、あなたが本を届けられるかはお約束できません。

「ブックサンタ公式ホームページ」参加方法https://booksanta.charity-santa.com/flow/

■寄付された本が子どもたちに届くまで
寄付された本の多くは、書店からチャリティーサンタの専用倉庫に送られます。届いた本は「年齢区分」や「ジャンル」など十数カテゴリに仕分けられ、大切に管理されます。その後、主に「クリスマス」「誕生日」の機会に子ども達のもとへ本が届けられます。

★どうやって届けられるか、詳細はコチラhttps://booksanta.charity-santa.com/about/

「届いた感想」
このページでは、寄付者からの声、お届けする保護者からの声、届けた家庭からの声に分かれていて、本が届いた(届けた)感想が読めます。喜んでくれていると思うと嬉しいですよ、やっぱり。「本」は物質だけど、届くのは「想い」だなと感じます。

届け!本のチカラ!「ブックサンタ」たちが選んだ本

ここからは「ブックサンタ」に参加して、自分が選んだ本をSNSやブログにアップしている皆さんの写真を紹介いたします。

「ブックサンタ」さんたちには、ちゃんと掲載許可をいただいて紹介しています。お名前はアカウント名です(投稿のリンクは貼っていません)。お名前がない画像は「匿名」を希望されました。

本のタイトルには、それぞれリンクを貼っています(全部ではありません)。「私も読んでみたい」と興味を持った方は、リンクから飛んで情報を見てくださいね。

「ブックサンタ」さんたちの本の選び方は十人十色。人それぞれがまたいいです。それに「ブックサンタ」は何回やってももいいし、1冊だけでもいい。一球入魂ならぬ「一冊入魂」もいいじゃないですか。

まずは、私が「ブックサンタ」を知ったきっかけである、フジイユウジさんが選んだ本は『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』『遊んで学ぼう! こどもマイクラプログラミング』の3冊です。

▲フジイユウジさんが選んだのは、数学を題材にした小説『数学ガールの秘密ノート』シリーズから2冊と、小学生向けのマインクラフトのプログラミング本

彼のブログ『本は思想や未来に影響を与える。お前もブックサンタにならないか?』での、本をセレクトした理由にもグッときます。ぜひ、ブログも読んでみてください。

「たばた」さんは「ブックサンタ」は初めてではないらしく、本の感想やおすすめポイントもちゃんと記録されているのが素敵です。『エルマーのぼうけん』『自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール』『カラフル』の3冊。

▲「たばた」さんのノート左上に貼ってあるのは「ブックサンタ」に参加すると書店でもらえるステッカー

「百笑moemi」さんはSNSに「今年の私の #ブックサンタ は合計25冊と運営費一万円の寄付でした🎅✨仕事のストレスが辛くて何店舗も回ってしまったけど、私のストレス解消で喜んでくれる子がどこかにいると良いなぁ😊」と投稿。これは喜んでくれる子、絶対にいますね。

▲「百笑moemi」さんの選んだ本のラインナップ。科学や生物、歴史、「かわいい」と多岐に渡るジャンル!

絵本を選ぶ人も多いですが、「🅝🅐🅞」さんが選んだのはノンフィクション系の絵本。生き物の本も人気です。

▲「🅝🅐🅞」さんが選んだ本は『カラスのいいぶん:人と生きることをえらんだ鳥(ノンフィクション・生きものって、おもしろい!)』

「花梨」さんが選んだ本は、『つかめ!理科ダマン 8 「昆虫のふしぎ」を探れ!編』『大人も知らない? ふしぎ現象事典』『幻獣&妖怪タッグ最強王図鑑』と小学生がワクワクするラインナップ!

   ▲「花梨」さんはSNSで「追いブックサンタ」と投稿。常連さんのようです

「せつ」さんは、「ブックリストとかあったけど「小学生の私がもらって嬉しい」を基準に選んだこれになった。私の中の小5男児は曽山の学習漫画はいちばんうれしい」と投稿。「自分の中の小5男児に聞く」っていいな。

▲「せつ」さんが選んだ2冊。『おもしろすぎる 鉱物・宝石図鑑』『ギャグ習まんが 正しいことわざどっち辞典』

「花屋 澄」さんは「思春期の頃に自分が出逢いたかった本を中心に選書をして, 今年はこの2冊になりました🍑🐶来年は自分が幼少の頃に出会った本から選んでみようかな𓂃◌𓈒𓐍」と投稿。本選びのテーマも素敵です。作家活動もがんばってくださいね!

▲「花屋 澄」さんが選んだ『ピーチとチョコレート』『君の顔では泣けない』

「しゃお」さんは「AKUSHU BOOK & BASEエルパ店」という書店でブックサンタされたそう。
「今年もブックサンタ🎅妻と二人で3冊、ちょっと対象年齢高めだけど10歳以上なら楽しめのではと思えるものをチョイス。ちなみに妻は毎年クリスティから必ず一冊をと決めてます😁」と投稿。ミステリー・チョイスいいですね〜。

▲「しゃお」さんご夫婦の選んだ3冊。『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』『ワニの町へ来たスパイ』『クリスマス・プディングの冒険』

「ジョンマ2号」さんも「妻殿とブックサンタやった!」と投稿。『PIXAR ピクサー空想科学読本』『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』を選ばれました。

▲「ジョンマ2号」さんの投稿「左、僕チョイス!右、妻殿チョイス!」がカワイイです!

「チャチャ助」さんは「ブックサンタ、去年までは絵本を買ってたけど小学生中高年向きの本が少ないと聞き、今年はこれにした!クリスマスプレゼントには間に合わないけどこの本が何処かで誰かが読んでくれるなら😊」とこの本を選ばれました。「ムーミン」はマジでいいよね。

       ▲「チャチャ助」さんセレクト。講談社青い鳥文庫の『たのしいムーミン一家』

▲画像は左右にスライドできます
▲1枚目:こちらもご夫婦で「ブックサンタ」。『午前7時の朝ごはん研究所』『5分後に意外な結末ex クリムゾンに染まる宮殿』『君と夏が、鉄塔の上』『新! 店長がバカすぎて』/2枚目:『小学生のまんが百人一首辞典 改訂版』/3枚目:『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐまちゃんえほん)

そして魚住の場合は、本を選ぶ時にそれぞれ「テーマ」を設けました。
まず1回目のテーマは「食」。『ふしぎ町のふしぎレストラン 3つのメニューのひみつ』『わたしは食べるのが下手』の2冊。

2回目のテーマは「ものづくり日本」。器用な日本人は幼い頃から折り紙を折ってる人が多い。最近は教えてくれる大人も減っているので折り方を教えてくれる本『かんたんおりがみ百科』をチョイス。折り紙は指先の感覚でおぼえて、脳にも刺激があるので、頭が良くなると思う。日本が世界に誇る折り紙なのです。折り紙技術はNASAでも採用されているしね。それからカッコイイ職人さんを紹介する子ども向けの『ときめくニッポン職人図鑑』。この本を見て、職人さんを目指してくれると嬉しいな。

▲画像は左右にスライドできます

3回目のテーマは「自分と向き合う物語(小学4年生〜6年生向き)」。『もしもわたしがあの子なら』『僕は上手にしゃべれない』『願いがかなうふしぎな日記』を読んで、その人なりの気づきがあればいいな。

1回目と2回目の時は、本を選んでレジに持って行ってから「あ!写真撮りたい」と気づき、レジで慌てて撮影させてもらったため(本屋さん待たせて申し訳ない)うまく撮れてません。でも、そういう人多いみたいです。私は慌てた感じもまたいいなと思っています。

どこかに居るくじけそうなあなたへ。私は子どもの頃、いつも本ばかり読んでいました。うちには本を買うお金はありましたが、お父さんが古い考えの人でした。お父さんに本を読んでいるのが見つかると「女の子に学問は必要ない」と言って、いつも怒鳴られるか殴られていました。でも、図書館で借りた本をこっそり読んでいたのです。引っ込み思案で友だちもいませんし、学校ではいじめられていたので、本が唯一の大好きな友だちで、先生でもありました。大人になったら人と話せるようになったので、本を作る「編集者」になりました。大学にいかなくてもなれます。子供の頃に本をたくさん読んでいたので、文章もうまく書けるようになり、ライターのお仕事もしています。小説も書けます。それから書店員のお仕事も3年ほどやったことがあります。本はいつかあなたを助けてくれます。本は確実にあなたに浸透していて、チカラを貯めることができます。あなたが一冊でも多く本を読んで、つらい現実を一瞬でも忘れられますように。大人になったら、本から得た栄養で芽が出て、大きな樹木になり、たくさん花を咲かせ、豊かな実がなる人生になりますように、心から祈っています。うおずみひなた

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出版業界の片隅に約40年いると、「本」にまつわる世の中の流れも自然に見えてきます。ここ10年は冬の時代です。街の本屋さんが減っています。インターネットや電子書籍の普及、新型コロナ流行の影響によりいろんなことがガラッと変わってしまいました。でも、「本」が売れないことを「何か」「誰か」のせいにしないで見極めやアイデアが大切だと感じています。

そんななかで、「ブックサンタ」という活動を知り、SNSで自分が選んだ本の写真をアップする「ブックサンタ」さんたちを見て、嬉しくなりました。

子どもたちに向けて、「本を届けたい」「本を読んで少しでも豊かな人生を!」という想いを感じます。そして、そのうえにある「本を選ぶ喜び」「自分が選んだ本をオススメするワクワク感」「どんな子が読んでくれるのか想像する」…そんな想いや高揚感があるのです。

「そんなの承認欲求じゃね?」「偽善じゃね?」いいじゃないですか、承認欲求!
「ブックサンタに参加する人」も「本を受け取る子どもたち」も「本を届ける協力側」もみんなが嬉しいし、楽しいのですから。この場合、誰もイヤな思いをしていない。

何よりも、世の中にまだまだこんなにもたくさんの本好きが存在してくれていて、私は最高に嬉しい!!

今回、画像掲載に関してご許可くださった皆様、ご協力ありがとうございました。「ブックサンタ」の画像のセレクトには深い意味は全くありません。SNS投稿と画像をランダムに選び、ご連絡させていただきました。

ちょっと気が早いかも知れませんが、また今年のXmasに向けて「ブックサンタ」を広めていきましょう。

そして、子どもたちが一冊でも多く本を読めて、将来、その子たちのチカラになりますように、祈っています。

「ブックサンタ」公式ホームページ
URL:https://booksanta.charity-santa.com/
X(旧Twitter) Facebook Instagram 

※年々、広がりを見せる活動「ブックサンタ」。でも、なかには、直接活動に参加することや寄付することが難しい人もいることでしょう。そんな人もSNSやブログを通じて「このプロジェクトを応援する」「広げる」というカタチで参加してみましょう!

●文・iPhone撮影(一部)・編集・WordPress= 魚住陽向編集者小説家