60歳(還暦)から始める合気道入門…の、ほんの入口

どうも。編集者で小説家でもある魚住陽向です。突然ですが私、「合気道」を始めました。今年(2021年)の誕生日で60歳(還暦)になろうかというのに何という無謀な挑戦! これは「アークのブログ」企画として「今年還暦だからこそ初めてのことに挑戦してみた!」シリーズの一つ。健康、体型、運動不足に悩む方々や元気が出ない同世代に向けてのエッセイです。私が通う道場の先輩方による技の写真もご覧ください。「合気道」って本当に美しいんですよ。(公開:2021年4月21日)

皆さん、運動できていますか?

「運動してますか?」ではなく、「できていますか?」と聞いたのは、コロナ禍だからです。リモートワークなどでおうち時間が増え、運動不足に陥り、体型が気になってきた方も健康が気になる方も多いと思います。私もそうです。

写真を見て「太ってないよ!」とお思いの方。私には持病があります。そして年齢的に健康診断結果がヤバくなってきているのです。身に覚えのある方や同世代の方は、私のスペック(持病や運動歴など)を見て、ご自分と照らし合わせてください。それとご自分の体力を考えてご判断いただけると幸いです。

まずは年齢。1961年(昭和36年)生まれ・丑年なので今年(2021年)の誕生日で還暦となります。女性。一人暮らし。基本的には毎日自炊しています。

もう20代の頃からずっと自律神経失調症。若い頃はだいぶ不規則な働き方をしていたのでその影響なのかも。気象病や寒暖差アレルギー症状も出ます。そういった自分の症状に合わせて調合してもらう漢方薬を毎日服用したり、電気鍼(良導絡)をしたりと、プチ健康オタクではありますが、結果的に安眠と、ウツ回避のためです。これらは対処方法が分かってきたので、なだめすかしながら付き合っていける症状ではあります。

問題はここから。約4年前に橋本病(甲状腺機能低下症)になりました。これは持病として一生付き合っていかなければなりません。そして、加齢からくる中性脂肪悪玉コレステロールの増加。現在、定期的に通院し、毎朝かかさず処方薬を服用中です。

「医者からお薬もらって暮らしていけるんならいいじゃない!」「痩せてるじゃん!」とお思いの方! 私は隠れ肥満なんです。自分の身体の3分の1以上が「脂」って考えたくない。それに処方薬が出ているのは現在「悪玉コレステロールを減らすお薬」だけ。お医者さんからの説明によると「悪玉コレステロールを減らす治療と中性脂肪を減らす治療は同時にはできない。どちらか止めることになる」とのこと。

もう一つ。それに「悪玉コレステロール値を下げる」治療を止めて、中性脂肪を減らしたとしても「ぽってりと出たお腹を引っ込める保証はできない」のだそうだ。
言っておきますが、私は和食派で暴飲暴食するタイプではないし、ほとんど間食もしない。自炊して、食事には気を遣っている方だと思う。ご飯の量は半分に減らした。お酒は週1回ほど家呑みでたしなむ程度。煙草は完全に止めて2年以上経過。

▲大切な準備運動。魚住はまだまだへっぴり腰です

そうすると、あとは「運動しかない!」のだそうだ。が! 私の症状を診てくれている方々は口を揃えて言うのです。「あなたの体力や症状から考えても、急激な運動はしない方が良い。向いていない」「一番合っているのはウォーキングです」

しましたよ、ウォーキング。今もしてますよ。記録も付けてます。でも、なんか限界があるし、結果が見えない。毎日のウォーキングがいつの間にか散歩になっていて、お花や風景写真撮ったりしているので結果が出るわけないかも(笑)。

「ほっとけばいいじゃん」というご意見の方! 放っておくとそのうち病気になるそうです。私が一番危惧していることは長患いになったり、他人に面倒をかけてしまうことなのです。

2020年1月に父が肺がんを再発後に急逝してしまったこと、コロナ禍で部屋で一人かなり落ち込んでいたこと、と「ついに還暦」ということが相まってウツがリターンしていました。

しかし、「あと20年ぐらいで『無』になっちゃうんだ」という考えは「あと20年ぐらいは生きられるかも」にしようと考えたのです。そのためには、体も心も元気で一人で楽しく過ごしたい。

そろそろ終活を考える時期かもしれません。でも、終活には体力と気力と経済力が必要な現代社会です。終活するとネガティブになっちゃう人間はまだ始めるべきじゃない。

だから私は「初めてのこと」と「体を動かすこと」をしようと思い至りました。
運動歴? 中高と部活でソフトボールをやっていただけです。運動は約40年ぶり。昔は脚は速い方でしたが、そんな記憶は何もなりません。どうですか? やっぱり無謀でしょ(笑)。

でも、あなたの状況と似ているのではありませんか?

「合気道」は「争わない武道」

子どもの頃から球技は得意でしたが、武道はやる機会が全くなく、縁遠いものでした。その一方で、武道や道着に対する憧れが非常に強くありました。特に対戦型の武道よりも「演武」です。その動きの美しさに惹かれるようになりました。YouTubeでも合気道の演武の動画を観ています。

▲写真右は台東道場の道場長・本多先生

「合気道」「争わない武道」と呼ばれることもあります。そもそも試合がありません。私は勝手に「攻撃せず、相手の力を利用して、相手を押さえる」イメージを持っています。私は「格闘技」には興味はありません。戦いたくないのです。それもあって、精神性や気を重視している「合気道」に惹かれたのもあります。海外では「動く禅」と表されることもあるそう。この表現は素敵です。

好きな映画に、自宅(フィンランドの!)で合気道の稽古をする場面がありました。YouTubeにその場面だけ見つけましたので(なぜ中国語字幕付き?)貼っておきます。実はこれが一番親近感が持てて、実際にやってみたくなる映像でした。

映画『かもめ食堂』の「膝行(しっこう)」シーン(音が出ます)

さて、やっと具体的な行動に入ります。どこの道場で習おうか…それはもう、簡単にインターネットで検索です(笑)。すぐにたくさんヒットしました。その中から選ぶポイントは以下の4つ。
・道場がある場所
・練習がある曜日と時間
・入会時に必要な金額(入会金とお月謝の確認
・流派は「合気会」にしました(アーク・コミュニケーションズ内には合気道経験者が数名いるようです。有段者のJさんにいろいろ聞いてみました。すると彼女は「合気会」で、オススメされたので)。

このポイントから「荒川合気会」を選びました。一番大きな決め手になったのは「見学・体験・入会案内」です。「1ヶ月間無料体験が出来ます」というひと言につられ、電話ですぐに台東道場に申込みました。こういうのは悩んでいたら結局何もせずに終わります。「見る前に飛べ」です。

大好きな膝行(しっこう)
後ろに進む膝行

そして、最初から無理してとばさないこと。急激にハマり込んですぐに飽きるのはやめよう、と。「週に1回、下手でもコツコツと続けること!」と肝に銘じました。これぞ、サステナブル(持続可能な)習い事!

2021年2月13日。超初心者・魚住、ついに合気道(体験)入門です!

合気道は清々しい!

1ヶ月(4回)の「果たして続けられるかどうか」のお試し期間中はまだ道着もありません。長袖Tシャツとジャージ(と、タオル)を持参しました。同じ日に入った女性(彼女の方が少し経験者)とともに250畳ある道場で練習開始です。

「一般の部」より30分早く始まる「少年少女の部」と一緒に準備運動を始めます。この準備運動が結構キツい。でも、久しぶりに汗かいて楽しいのと緊張している気持ちが入り交じります。一緒にやってる子ども達は飲み込みも早いし、身も軽いし、柔らかい。羨ましい限りです。

最初にやってみての感想は、「私っておぼえが悪い!」「体がかたい」ということ。そして私の体質ですが、一番の問題点は「三半規管がくるっていること」。前回りの受け身(の練習)をすると、もうグルグル目が回って動けなくなり吐き気がします。受け身の前に三半規管を鍛えなければいけないワケです。しかし、先日も前回りの練習をしようと張り切ってしまい、その結果、めまいと吐き気で動けなくなりました。道場の片隅で1時間以上、休ませてもらってお恥ずかしい限りです。

そんな下手っぴな私に道場の先輩方は本当に優しい。ご自分の稽古そっちのけで毎週教えてくれます。「荒川合気会」副会長の八巻先生(六段)、台東道場道場長の本多先生(四段)はじめ、台東道場の皆さんにはお世話になってばかり。人によって教え方があって、それぞれに「なるほど!」と納得しています。ちなみに、荒川合気会では袴(はかま)をはけるのは、男性は初段からで、女性は三級からのようです。

今のところ、まったくもって上手くなる気がしません。毎回教わったことを翌週になるときれいさっぱり忘れている。トリ頭です。合気道の本も買ってみましたが、やはり実戦で教わった方が分かりやすいのです。三次元で立体的に教わったり、肌感覚で知っていきたい。しかし、新しいことは戸惑うことがいっぱいですが、下手は下手なりに楽しいのです。

1ヶ月の無料体験期間を終え、正式に入会申込をしました。
「どれくらいかかるの?」という質問にお答えします。
・入会金…3,500円(入会時のみ)
・会費(月謝)…3,500円×2ヶ月分 = 7,000円(前払いで2ヶ月分毎に)※家族割引制度あり
・スポーツ保険(全員加入)…大人(64歳以下)1,850円/大人(65歳以上)1,200円/子供 800円
・道着…6,000円〜7,000円

さぁ、憧れの道着です。自分の名入りの道着が出来上がってきて、嬉しいのなんの! 今回はカタチから入って楽しんでいます。何故なら簡単には上手くはならないから(笑)。道着を入れるかっこいいスポーツバッグを古着屋さんで見つけて購入したり(1,500円)、道着の内に着る白Tシャツや膝サポーターも揃えました。あと、合気道が題材のマンガ『EVIL HEART』(武富智・著/ヤングジャンプコミックス)全6巻を買って読みました。おもしろかったですよー!電子書籍(Amazon/Kindle)で買えるので超オススメです。

始めてから2ヶ月以上経っても毎回新鮮に思うことがあります。それは「合気道って美しいなぁ」ということ。いつも教えてくれる有段者の女性Mさんの所作は流れるようにしなやかだったり、ゆったりしたダンスのようにきれいなのです。ちょっと見とれちゃいます。

合気道は不思議です。そんなに力を入れているように見えないのに、相手を軽く押すだけで倒れたり、体の一点を押さえているだけなのに動けなくなったり。スポーツ科学的なものも感じます。人間の骨格、体の動きを活かす技なのかもしれませんが、何がどうなってこうなったのか動きが速くて分からない。この記事取材のために道場に来てくれたアークの清水カメラマンは「とても理にかなった武道。興味深い!」とノリにのって400枚も撮ってくれました。

合気道の稽古で使用される太刀(たち)
木製の短刀を使っての稽古
木製の杖(じょう)の素振り

始める前は「この歳からできるかな?」と不安でしたが、先輩方の中に60歳すぎから合気道を始めて現在は有段者という男性がいらっしゃいます。「私には無理!」とは思う一方で、夢が広がりますよね。

最初は「健康のため」とか「中性脂肪の数値が減ればいいな」というのが目的でしたが、やっているうちにどんどん清々しい気分になっているのに気づきます。上手くなるなんて夢のまた夢です。なかなか結果が見えません。しかし、一つだけ分かりやすく以前との違いを指摘してくれた人がいました。

行きつけの鍼治療院が(緊急事態宣言を受けての)休業明けしたので予約の電話をしたところ、鍼の先生が言ってくれたひと言です。
「いつも予約くれる時は弱々しい声なのに今日は元気ですね。声にすごく張りがあるし、お腹から声が出てる感じ」
無意識のうちに違いが出てました。これだけでもすっごく嬉しいものですね。
そして、荒川合気会・台東道場の皆さん!ご協力ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

こんなご時世ですが、皆さんも元気出して「いき」ましょう!

▲ヘトヘトですが汗をかいて清々しい気分です
新型コロナ感染症対策

新型コロナほかウイルス感染予防対策のため、運動施設や道場に入る際には、手指の消毒と体温測定器による計測、入館票への体温記入をお願いしています。また、練習はマスクを着用して行っています。

荒川合気会
●支部道場:滝野川道場(北区滝野川)/田端道場(北区田端)/町屋道場(荒川区荒川)/神谷道場(北区東十条)/光道場(荒川区町屋)/千住道場(荒川区南千住)/台東道場(台東区今戸)/赤羽道場(北区志茂)/赤羽岩淵道場(北区赤羽)
※海外支部道場もあるようです。
★各道場の練習時間や場所などはコチラから詳細を見て選びましょう→http://takinogawa.aiki.link/dojo.html
公益財団法人 合気会http://www.aikikai.or.jp/index.html

●撮影= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ
●文・撮影(iPhone)・編集・WordPress=魚住陽向編集者小説家