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【もうすぐ一周年】マンホールカード集めについて行きました & カードの仕掛人にインタビュー!

2017.1.13(Fri)

マニアックかと思いきや、各メディアでも引っ張りだこのマンホール蓋。最近ではマンホールカードも人気上昇中。そのカードはどうしたら入手できるのか…いろんな疑問が湧きます。今回は実際にマンホーラー(マンホール蓋愛好家)の森本さんに同行し、マンホールカードをゲットしに行ってきました。またマンホールカードを制作するGKPの山田さんにも熱いお話をうかがいました。1月14日開催の「マンホールサミット埼玉2017」の情報もお見逃しなく!

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マンホールカード」とは…マンホール蓋の写真・位置情報・デザインの由来などが記載されたコレクションカード。2016年4月に配布開始された第1弾は28都市30種類、8月の第2弾は40都市44種類、第3弾は12月に46都市46種類と累計120種類がある(2017年1月7日現在)。

マンホールカードは無料で入手できます。配布される場所は全国の地方自治体や公共団体などの窓口。実際に足を運んだ人が手渡しでもらうのです。ただし、配布は1人1枚。郵送での配布や予約などは行っていません。「マンホールカード配布場所一覧」はこちら

マンホールカード収集は楽しい!

森本庄治さんは「アークのブログ」でちょくちょく登場してもらっているマンホーラー(2015年2016年)。「マンホーラー」という呼び名の生みの親でもあります。今回、森本さんがマンホールカードを集めていると聞き、興味津々で同行させてもらいました。
マンホールカードは、例えば「船橋市建設局下水道部下水道河川計画課(本庁舎5F)」など全国の地方自治体や「小平市ふれあい下水道館」といった公共施設で配布されています。今日向かうのは埼玉県越谷市です。2016年12月1日に配布開始のマンホールカード第3弾で初お目見えとなった越谷市のマンホールカードをゲットするためです。

東武スカイツリーライン越谷駅に到着し、改札を出て右に数歩いくと駅前広場に出ます。すると、ありました!ありました! 越谷の市の鳥に指定されている「シラコバト」のマンホール蓋です。これはきれいな色づかい・デザインの素敵なマンホール蓋。大当たりです。やっぱりマンホール蓋探索はワクワクしますね。

そのマンホール蓋すぐ前の高架下にありました!「越谷市物産展示場」です。入ってみると越谷市の特産品などに森本さんの目が輝きます。森本さんはマンホーラーというだけでなく、土産物のマニアでもあるのです(『おもに!!「出張みやげ日記」』)。

早速、お店の方にリサーチすると、越谷市の特産品の一つはお米! だから、せんべい(お隣の草加せんべいよりも歴史があるらしい)や餅、純米酒、米油(米糠から出る)など米の加工品が豊富。これまた意外にもだるまも名産。新年は黄色(金運)のだるま、季節ごとに各色だるまがよく売れるようです。森本さんも珍しい緑色(安全、健康)のだるまを購入。

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こしがや鴨ネギ鍋マスコットキャラクターで越谷特別市民「ガーヤちゃん」も大人気です。越谷市って特産品が多いなぁと感心していたら、「こしがやブランド認定品」も25品あるそうです。特に人気は「越谷ふあり」「苺のかけジャム」「越谷ろまんず」など。森本さん、追加で「越谷ふあり」を詰め合わせ箱買い。おまけに同行カメラマンも「苺のかけジャム」購入と、目移りしっぱなしのお土産パラダイスでした。

そうだ! 今日はマンホールカードをもらいに来たんでした(笑)。先ほど撮影した「シラコバト」のマンホールカードをついにゲットです。このカードは2016年12月1日に配布が開始されましたが、1カ月ほどで約1300人がもらいに来たということ。残りはあと約700枚(2017年1月7日現在)。自治体窓口の場合は土日が休みになるので、土日祝に営業している施設は人気です。皆さん、お早めに!

なかには、一度マンホールカードをもらったにも関わらず、数時間後に上着だけ脱ぎ、全く初めての顔で訪れる人もいるらしく(笑)「先ほど来ましたよね」 と指摘すると「バレました?」なんていう笑い話もあるようです。何度も言いますが1人1枚です。マンホールカードは実際に足を運んで貰う貴重なもの(郵送や受付予約などもやってません)。そこんとこよろしくです!

マンホール蓋を探しに行って撮影する。SNSに公開して楽しさを共有する。それ以外にもマンホールカードをもらってコレクションするという楽しみも増えました。訪れた町でマンホール蓋に描かれている由来や名産品を実感したり、その町に住む人と交流するのも醍醐味です。今回、森本さんに同行させてもらって感じたのはマンホール蓋は素敵な「きっかけ」であるということ。マンホール蓋は冷たい金属ではなく、人々の暮らしを支え、情報を発信し、ひとの趣味も交流も広げることのできるコミュニケーションツールだと実感しました。

越谷市下水道課、越谷市観光課、越谷市物産展示場の皆さん、ご協力ありがとうございました。

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▲「マンホールカードには実物の座標が必ず記載されています。カードを貰った後に実際の蓋を見に行くのも楽しいですよ。今回は先に撮っちゃいましたけど」(森本さん)

越谷市物産展示場
住所:越谷市弥生町505-2(東武スカイツリーライン越谷駅北側高架下)
開場時間:10:00~19:00
休業日:水曜日、年末年始
電話番号:048-940-5550
アクセス:東武スカイツリーライン越谷駅からすぐ
URL:http://www.city.koshigaya.saitama.jp/kanko/dentokogyo/tenjijou.html

マンホールカードの仕掛け人にお話を聞きました

マンホールカードを発行しているのは「下水道広報プラットフォーム」。「Gesuido Kouho Platform」で、略して「GKP」。「公益社団法人日本下水道協会」内にある、産学官で下水道に関することをPRする団体です。わたしたちの生活の、大事なインフラである下水道。しかし下水道というと汚い・臭いというイメージから、下水道関係者は長年PRに苦慮していたそうです。そこで下水道の入り口である「マンホール蓋」に目をつけ、「マンホールサミット」「マンホールカード」など、これまでにない明るく楽しいPRを始めたのが、GKP企画運営委員の山田秀人(やまだひでと)さん。今回は山田さんにもお話を伺いました。

山田 下水道のイメージを変えるためには、まずはマンホール蓋から始めてみようと考えました。日本のマンホール蓋は全国の自治体が知恵を絞ってご当地の観光要素をデザインに盛り込み、情報が詰まっているものです。世界に類を見ないほど種類が豊富で芸術的センスに溢れた、日本が世界に誇れる文化物です。このマンホール蓋をもっとみんなに面白い、興味深いと思ってほしい。そこで、マンホール蓋の楽しさを拡めるために「イベント」と「アイテム」が必要だと考えました。

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▲元おもちゃメーカーに居たという経歴を持つ山田さん

山田 ひとつは「マンホールサミット」です。内容はトークイベントとマンホール展示、そしてグッズなどの販売です。2014年から始めて、関東では毎年3月に秋葉原開催し、関西では2015年から神戸、2016年には奈良で開催しました。奈良ではイオンモールで開催し、1万4000人がマンホール展示を見に来てくれた。驚くと同時に、マンホールカードが足りなくて冷や汗かきましたね(笑)。「マンホールサミット埼玉2017」も盛り上がるといいなと期待半分、不安半分といったところですね。(記事末の開催情報参照)

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▲マンホールサミット2016の様子

山田 もうひとつは「マンホールカード」です。実は、マンホールカードをつくることになったのは「マンホールサミット2014」の座談会で、ここにいる森本庄治さんが「マンホールカードをつくりたい」と訴えたのが「きっかけ」だったんです。今では、マンホールカードは「下水道広報用のパンフレット」だと思っています。その町を訪れた人に「うちの町の下水道はこうですよ」「うちの町で紹介したいのはこういうところです」と無料で配って紹介する物。その町に実際に行かないと貰えないルールというのも大きな要素。つまりはマンホール文化を通じて、その町を知ってもらう、観光に来てもらうことも考える、と。

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山田 実は以前、大手のおもちゃメーカーに勤めていた経験から、日本はカードゲーム文化が高いことは分かっていたんです。安易な物を作ってはダメだと考え、切手やコイン収集のように「集めて楽しむ」コレクションカードにしようと。でも、いざ制作するとなると本当に大変でした。下水道業界では前例のないことですので、各地にお願いして回って…。当たり前ですよね、PRツールとはいえ「あなたの町のマンホールカードをつくるから、それをそちらで買ったうえに無料で配ってくれ」って言われても普通、意味がわからないですよね (笑)。

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▲一番大切なのはマンホール蓋に対する「熱意」

山田 私も第1弾の制作時は「これ第1弾ですぐ終わるんじゃないか…」と不安だったんですが、第2弾では募集もしていないのに話を聞きつけた自治体さんからカード制作の申し込みがありました。第3弾以降、いま現在も全国から申請が殺到している状況です。選考はチームで行っていますが、一番大切にしているのは、その自治体のマンホール蓋に対する「熱意」なんです。マンホールカードは関係各所への調整や写真撮影など、制作自体も大変なんですが、作ったあとどうやって広めていくかも含めて自治体さんの熱意なしには成り立たないツールなんです。

山田 それとこれは個人的なコダワリも入っているんですが、マンホールカード制作において「鉄の掟」を設けているんです。それは「全てのカードを同じフォーマットで作る!」ということ。「マンホールカード」なのでマンホールに関係ない情報とかはナシ! カードの材質やレイアウトも必ず共通にしていて、例えばマンホールの写真は原寸の6分の1で統一しています。これを全国の自治体で揃えるとなると本当に大変なのですが、結構、頑固に掟を守って進めてます(笑)。

山田 現在では制作側の予想を超えた展開になっていて、商店街を絡めたキャンペーンやスタンプラリーに使われるなど、各自治体さんが独自にマンホールカードを使った企画を考えてくれたりしています。マンホールカードを取りに来るマンホーラーさんたちは半分以上が県外かららしく、観光ツールとしても注目されているようです。最近では、市長さん同士が会った時に名刺交換代わりにマンホールカードを取り替えるなんてこともあるそうですよ(笑)。

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山田 マンホールカードは約4カ月に一度発行しています。第1弾(2016年4月)は30種で計10万枚、第2弾(同年8月)は44種で計15万枚、第3弾(同年12月)は46種で計15万枚。今のところ、全120種あり、40万枚発行しました。それによってありがたいことに世の中でも話題になり、マンホールカードが各メディアで取り上げられ、半年間で350回ほど露出しています(←!)。

山田 マンホールカードの今後の展開ですか? もちろん、第4弾は今年4月に発行します。現在はマンホールカードの定番化が大切だと考えていて、なくなることがないよう続けていきたいと考えています。それから、2018年頃には企業のマンホールカードを制作したい。現在のマンホールカードは自治体のマンホール蓋を紹介していますが、企業の工場内にもその企業独自のマンホール蓋があります。それをマンホールカードにすることで、下水道業界外から下水道をPRしていただけることを夢みています。

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山田 そして、ずっと考えているのはマンホールカードが観光に寄与できる特性から、全国の被災地を訪れるきっかけになるマンホール蓋、そしてマンホールカードをつくりたいですね。そして、そのマンホールカードの配布方法を工夫したキャンペーン企画をぜひやりたいですね。これは、人気マンガとコラボして実現できると思うんですよ。アイデアは尽きないですね。

山田 マンホールカードをつくって良かったなと思ってます。今までずっと全国の下水道関係者はつらい思いをして広報していたんですよ。いろんな工夫をしてもなかなか下水道の重要性は伝わらないし、イメージは暗い。ですがマンホールカードによって明るく楽しいPRができるようになりました。またマンホールカードが観光客誘致につながるようになったのも本当に素晴らしいと思います。全国の自治体と下水道関係者の熱い思いと努力の結晶であるマンホールカード。皆さんもぜひ注目して、そして活用してほしいと思います。

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▲左から森本さん、山田さん、GKPサポートスタッフの高橋さん

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このインタビューが行われたのは2017年1月11日。「マンホールサミット埼玉2017」の直前です。準備のため連日徹夜作業が続いているなか、山田さんにお話をうかがいました。同じくGKPの高橋さんにも大変お世話になりました。マンホーラーの森本庄治さんにも再びご登場いただき、皆さん、ご協力ありがとうございました。
とても熱いお話が楽しかったです。それと、やっぱりインフラって大事だなって思いました。

●マンホールカード第3弾公開のお知らせ
2016年12月1日にマンホールカード第3弾が配布開始されました。今回は、46自治体46種類が新たにお目見えしたのです。現在のところのマンホールカード全120種類分布図を見るだけでも壮観ですね。こちらの「マンホールカード配布場所一覧」で確認したら、ぜひゲットしに行ってみてください。もちろん、無料です。

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マンホールサミット埼玉2017〜今日から君もマンホーラー!〜
2017年は、流域下水道50周年を迎えた埼玉県川越市に会場を移し、埼玉県の記念イベントと併せて盛大に開催する予定。埼玉県内のマンホール蓋(実物)が大集合! また、4月に登場予定の埼玉県のマンホールカード(8種)を先行配布予定。もちろん、マンホール愛好家によるリレートークやグッズ販売、マンホール関連展示会などいつものサミットのプログラムも充実。ほかにもプレゼントや楽しい企画が盛りだくさん!

日時:2017年1月14日(土) 10:00〜16:00(案内開始9:00)
※トークイベントは12:30〜15:50
会場:ウエスタ川越(埼玉県川越市新宿町1-17-17)
アクセス:JR川越線、東武東上線 川越駅 西口より徒歩約5分、西武新宿線 本川越駅より徒歩約15分
主催:下水道広報プラットホーム(GKP)/埼玉県/埼玉県下水道公社
問合せ:GKP事務局→ http://www.gk-p.jp/pdf/mh-summit2017.pdf

●文= 魚住陽向 (フリー編集者、ライター、小説家)
●撮影・編集=大山勇一