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「二ツ目」専門の寄席『神田連雀亭』で気軽に落語を楽しみたい!

2015.3.23(Mon)

神田須田町界隈といえば「藪そば」「竹むら」「いせ源」など、東京の名だたる老舗飲食店が並ぶ街。そこに2014年10月オープンした小さな寄席『神田連雀亭』が今、落語好きのみならず近隣の働く人々にも話題になっています 。

業界でも珍しい「二ツ目」専門の寄席

神田藪そばの向かいにある『神田連雀亭』。入り口上部には須田町北部町会のシンボル「ふくら雀」の紋

この日のワンコイン寄席は、38ある客席がほぼ満席に

『神田連雀亭』は落語と講談の「二ツ目」だけが出演する寄席。昼と夜、違った形式の寄席が楽しめます。

昼のワンコイン寄席は、お昼休みに近くの会社員やOLさんが気軽に立ち寄れると好評。神田界隈の老舗そばを手繰った後に、ふらっと入ってくる年配のお客さんも少なくありません。

夜になると、きゃたぴら寄席も大賑わいです。
出演者4人を1組にし、4日間で毎日出番をずらしていく番組になっています。例えば、4日間の初日が「開口一番」の出演者は、以降「二番手」「三番手」、4日目に「トリ」となるのです。出番によって噺の仕方も内容も変わることでその役割を体でおぼえる場でもあります。

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●ワンコイン寄席
1日〜20日までの毎日および、21日〜末日までの平日
[時間]11:30〜12:30[料金]500円
●きゃたぴら寄席
1日〜20日までの毎日
[時間]13:30〜15:00[料金]1000円
●日替わり寄席(昼)
21日〜末日までの平日
[時間]13:30〜15:00[料金]1000円
●日替わり寄席(夜)
1日〜20日までの夜席で貸席のない日
[時間]19:00〜20:30[料金]1000円
(各寄席の開場は30分前)
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春風亭 朝也(しゅんぷうてぃ ちょうや)36歳
ブログ:http://yaplog.jp/choya/ | Twitter:@choya_shumputei
この日の噺「新聞記事」

「普段はなかなか会えない別の協会の二ツ目さんと会えるのも楽しみの一つになってます。他の方々の噺が聞けるのも勉強になりますね。連雀亭はちょうどいい大きさの寄席だと思います。一緒に開演前の準備もしますし、おのずと出演者どうしのつながりも深くなりますね」

桂 夏丸(かつら なつまる)30歳
ブログ:http://katsuranatsumaru.cocolog-nifty.com | Twitter: @59815K
この日の噺「増位山物語」/この日の歌謡曲「そんな夕子にほれました」「夕子のお店」

「通常の寄席では二ツ目の出番は昼1人・夜1人ですが、連雀亭のきゃたぴら寄席では4人出られて、1人の持ち時間も20分あります。寄席も出番も増えるのはとてもありがたいことですね。連雀亭は自分にとってホームのような感覚があって、実験的なネタもできるんですよ」

柳亭 市楽(りゅうてい いちらく)33歳
ブログ:http://itiraku.exblog.jp
この日の噺「短命」

「二ツ目は多くの噺をおぼえる時期。でも出番が減ると、おぼえたネタだけが溜まって頭の中でネタの大渋滞が起こっちゃう(笑)。『百回の稽古より一回の高座』という言葉がありますが、まさに一回の高座の重要性を感じます。連雀亭では落語初心者やふらっと来たお客さんの心をつかむためにはどうすればいいか身につきますね」

[地域]と[二ツ目]の活性化のために

古今亭始(ここんてい はじめ)30歳
オフィシャルサイト | Facebook
「普段は顔付け(番組表編成)をさせていただいてますが、Excelに全ての二ツ目さんの名前を打ち込みランダムに編成しているだけ。だから自分もどの日になるか分からない(笑)。私自身は、21日から月末までの下席を毎月1回借りて、勉強会をさせていただてます。そこでネタおろしのために稽古するというリズムができてきて、連雀亭の存在は励みになってます」

『神田連雀亭』は「地域おこしのためにビルの空きフロアを活用できないか」という神田・加藤ビルのオーナーと、「二ツ目の活躍の場を増やしたい」という古今亭志ん輔師匠の思いから誕生しました。

(江戸)落語には「前座」→「二ツ目」→「真打ち」という階級があり、「二ツ目」になると師匠宅の雑用や寄席の裏方仕事から解放され、自分で営業活動をしたり落語会を開催することができるようになります。反面、仕事は激減し(通常の落語定席で二ツ目の出番枠は少ない)、自分で仕事をとってこなければいけなくなるので落語家として大変な時期と聞きます。

志ん輔師匠の弟子の古今亭始さんは、神田連雀亭オープンに際して尽力した二ツ目さん。現在は連雀亭の「まとめ役」「連絡係」をされています。
「二ツ目に勉強や活躍の場が増えたのはありがたいことです。それに地域活性のためというのが連雀亭の最初の目的なので、地域の方々にふらっと来ていただくのは本当に嬉しいですね」とのこと。

『神田連雀亭』はコンパクトで高座と客席の距離が近い寄席。古くからの落語ファンも、二ツ目さんを見守り応援している温かさを感じます。もちろん落語初心者でも肩肘張らずに楽しめますので是非一度行って観てはいかがでしょうか!

●文= 魚住陽向 (フリー編集者、ライター、小説家)/●撮影・編集=大山勇一

神田連雀亭
東京都千代田区神田須田町1-17 加藤ビル2F(1階はイタリアンレストラン「マルシャン」)
http://ameblo.jp/renjaku-tei/


出演者自ら、チラシを配布してお客さんを呼び込み