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「世界盆栽大会 in さいたま」大盛況レポート! BONSAIはすでに世界的アートでした

2017.6.12(Mon)

盆栽の世界大会「第8回世界盆栽大会 in さいたま」が開催されました。盆栽はそのまま「BONSAI」として世界で通じる言葉です。この日の外国人訪日客は「観光のついで」ではなく、ピンポイントで盆栽が目的。日本の盆栽好きと相まって、かなりの大混雑でしたが、海を越えて、世代を超えて、盆栽に集うパワーを感じてきました。有名作家から小学生まで作品の展示や盆栽デモンストレーションなど、さいたま市あげてのイベントの様子をご覧ください。

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第8回 世界盆栽大会 in さいたま
会期:2017年4月27日(木)〜4月30日(日) 
会場:さいたまスーパーアリーナ(日本の盆栽水石至宝展)/大宮ソニックシティ・パレスホテル大宮(開会式・記念レセプション)
サブ会場:武蔵一宮氷川神社、さいたま市大宮盆栽美術館、大宮盆栽村
主催:第8回世界盆栽大会 in さいたま実行委員会(世界盆栽友好連盟、 (一社)日本盆栽協会、大宮盆栽協同組合、(一社)日本皐月協会、(公社)全日本小品盆栽協会、日本水石協会、日本盆栽協同組合、日本皐月協同組合、日本小品盆栽組合、日本水石組合、(独)日本貿易振興機構(ジェトロ)、(独)国際観光振興機構、さいたま商工会議所、(公社)さいたま観光国際協会、東日本旅客鉄道、(株)大宮支社、東武鉄道(株)/事務局:一般社団法人日本盆栽協会)
共催:さいたま市
後援:農林水産省、経済産業省、外務省、文化庁、国土交通省観光庁、埼玉県、NHK、テレビ埼玉、埼玉新聞
協賛:日本航空、NTT東日本埼玉事業部、J:COM
協力:埼玉県川口市、埼玉県羽生市、香川県高松市、栃木県鹿沼市

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盆栽都市・さいたま発の世界ブランド!

「盆栽」と聞いて多くの日本人は何をイメージするでしょうか? アニメやマンガに出てくるワンシーン「草野球のホームランボールに植木鉢を割られて激怒するおじいさん」やドラマに登場する権力者の趣味とか…。そんなイメージはもう古いのです! 今や「盆栽」はアート作品ととらえられ、「盆栽」は世界的にも爆発的な人気があります。わざわざ日本の有名盆栽作家に教えを請うために弟子入りする外国人の若者も少なくありません。

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▲さいたま新都心駅改札前に展示されていた、葛飾北斎「神奈川沖浪裏」がモチーフの巨大作品

この「世界盆栽大会」は今回で第8回を数えます。第1回大会は1989年に盆栽の故郷であるさいたま市(旧大宮市)で開催され、その後は4年ごとに世界各国で開催が引き継がれてきました。そして今年(2017年)、28年ぶりに世界盆栽大会の発祥の地に戻ってきたのです。
第2回:オーランド(アメリカ)/第3回:ソウル(韓国)/第4回:ミュンヘン(ドイツ)/第5回:ワシントンD.C.(アメリカ)/第6回:サンフアン(プエルトリコ)/第7回:金壇(中国)

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▲日本での開催は28年ぶり

さいたま市あげてのこの大会は、メイン会場が「さいたまスーパーアリーナ」と「大宮ソニックシティ・パレスホテル大宮」。サブ会場に「武蔵一宮氷川神社」「さいたま市大宮盆栽美術館」「大宮盆栽村」。さいたまスーパーアリーナ最寄りのさいたま新都心駅改札を抜けた瞬間からもう「世界盆栽大会」は始まっています。

国宝級がずらり!「日本の盆栽水石至宝展」

メイン会場のさいたまスーパーアリーナで行われている「日本の盆栽水石至宝展」に入場すると、「盆栽の文化と歴史」がとても分かりやすくパネル展示してあります。また、特別展1「皇居の盆栽特別展示」や特別展2「日本の名品」では国宝級の盆栽がこれでもかというぐらい並んでいてかなり圧倒されます。

まだ入場したばかりなのにもうその時点で大混雑! 大会終了後に分かったのですが、大会公式発表によると「第8回世界盆栽大会inさいたま/日本の盆栽水石至宝展」3日間来場者数は、4月28日(金) 12466名/29日(土) 16585名/30日(日) 16462名で、3日間合計が45513名(前売券・招待券・当日券・大会登録者合計)とのこと。私たちが行ったのは金曜日で一番少ないとはいえ、それでも大変な混雑だったのです。

●盆栽作家によるデモンストレーション
会場には「至宝展ステージ」も設けられ、世界の代表的な盆栽作家(日本人も含む)によるデモンストレーションも見ることができました。私たちが来場した4月28日のプログラム(13:30〜15:30)は、ヴェルナー・ブッシュさん(ドイツ)とハンス・フリッツさん(南アフリカ)の、ライブ盆栽デモンストレーション。客席には食い入るようにステージを見つめる世界各国のおじさんの姿が!

現在では、外国人の有名盆栽作家もいますし、世界のいろんな国に盆栽店はあるようです。イタリアにはSCUOLA D’ARTE BONSAI (盆栽芸術学校)やUNIVERSITA’ DEL BONSAI (盆栽大学)といった学校まであるというから驚きです。学校といっても年間数回、数日間のカリキュラムで行われるもので、すべてのカリキュラムを終えるのに数年要するらしいのですが。盆栽はとにかく奥が深い!

「世界盆栽大会 in さいたま」では作品展示だけでなく、関連店の出店が多いのも、さすが盆栽の町・さいたまだなと感じました。盆栽店はもちろんのこと、盆栽に使う道具や盆栽の鉢の専門店や企業、作務衣や染め物の工房などの出展も豊富。英語や中国語対応をしているお店も多く、外国人来場者との交流が盛んに行われていました。いかにも職人然としたおじさんがスラスラと英語でコミュニケーションをとってたりしてすごいのです。

▲さいたま市以外の盆栽の町からの出展もありました。埼玉県川口市、埼玉県羽生市、香川県高松市、栃木県鹿沼市のブースも人気です

●さいたま市内の小学生盆栽作家たち
会場内にはさいたま市11の小学校別に盆栽作品がずらりと並べられていました。約1000名の小学生が育てている盆栽作品展示は圧巻です。小学校ごとに盆栽に使うテーマの木は決められているようです。それぞれの鉢には名札が付いており、よく見ると盆栽作品ごとに少しずつチカラの入れようが違って見えます。さいたま市は小学校教育に盆栽を取り入れているのが一目で分かります。情操教育としても良いし、盆栽職人・盆栽作家の担い手を育てる土壌がしっかりしているんですね。この中から世界に羽ばたく盆栽作家が確実に出そうです。

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さいたま市には盆栽の美術館もあります。いつでも盆栽を見たり、学ぶこともできますので興味のある方はぜひ行って、盆栽の世界を味わってください。

さいたま市大宮盆栽美術館
住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
TEL:048-780-2091
アクセス:JR宇都宮線土呂駅東口より徒歩約5分/東武アーバンパークライン大宮公園駅より徒歩約10分

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個人的にミニ盆栽の1つでも購入したかったんですが、大混雑のためにそんな余裕はみじんもなく、川(人)の流れに身を任せるのが精一杯。盆栽を描いた浮世絵のレプリカや絵はがきを買って、江戸時代から人気の盆栽に想いをはせることにしました。どうです、かわいいでしょ(笑)。

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●文・編集・撮影(iPhone)=魚住陽向(フリー編集者、ライター、小説家
●撮影・編集=大山勇一