ドローン国際展示会&コンファレンス「Japan Drone 2017」に行ってきました!

こんにちはアーク・コミュニケーションズの清水です。アーク制作物の撮影をしています。カメラマンとしてドローン撮影には以前から興味津々でしたが、イベントがあると聞いて、日本のドローン業界の現状を見てみようと幕張メッセに出かけてみました。ドローンに関する法整備も進み、撮影以外でもドローンビジネスはこれから大きな展開をしていきます。企業側からも大きな期待を持って注目されている業界です。(公開:2017年3月31日/更新:2022年3月24日)

※このイベントは終了しました
ジャパン・ドローン2017|第2回/Japan Drone 2017- Expo for Commercial UAS Market ー
会期:2017年3月23日(木)〜25日(土)
時間:10:00〜17:00
会場:幕張メッセ 展示ホール、国際会議場
主催:一般社団法人 日本UAS 産業振興協議会(JUIDA)
共催:株式会社コングレ、株式会社スペースメディアジャパン
後援:経済産業省、国土交通省、内閣府地方創生推進事務局、千葉県、千葉市、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(順不同)

ドローンとは:Drone(ドローン)は、日本では無人航空機模型航空機の2つに分類定義されます。2015年12月10日の法改正によって、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、構造上、人が乗ることができないもののうち、遠隔操作、又は自動操縦により飛行させることができるもの」と定義されるのが無人航空機。マルチコプター(ドローン)だけでなく、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターなども当てはまります。一方、「機体本体の重量とバッテリーの重量の合計が200g未満」のマルチコプター(ドローン)やラジコン機、またゴム動力模型機などの機体は航空法では模型航空機と扱われています。ゆえに無人航空機の飛行に関するルールは適用されません。ただし、空港周辺で飛行させる場合、一定以上の高度で飛行させる場合には模型航空機でも国土交通省の許可が必要です。どちらに関しても国土交通省サイトで「飛行ルール」や「無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について」「無人航空機の飛行に関する許可・承認に係る申請」などについて詳しく記載されています。
ドローンに関する法律・規制は年々改訂されています。最新情報・詳細はキチンとご確認ください

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ビジネス展開は無限!ドローン業界は始まったばかり

最近、テレビ番組(特に海外ロケ番組)でドローンによる空撮が増えているなぁと感じていました。そこにこのイベントを知って、ドローン機材の進化や法規制の問題などはどうなっているか、ドローン業界の現状をこの目で見てみようと幕張メッセにやってきました。プロのカメラマンとして、新しいことを取り入れてみたい。ドローン撮影を取り入れることにより請ける仕事の幅も拡がりますが、何よりもドローンは楽しそうだったのです(笑)。

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会場に一歩足を踏み入れた際の印象は「イベントとしては決して派手ではない」ということでした。ドローンについて、日本ではまだまだ手さぐり感がありますね。業界としても始まったばかり。しかし、法の整備や個々のリテラシーの問題も徐々にクリアされていて、まさにこれから! それぞれの産業にドローンをどう使うか、みんなで知恵を出し合っている途中という感じのイベントです。

まだまだ見せ方・売り出し方も真面目すぎ(笑)ですが、全体的には、飾らない・控えめアピールがかえって好印象。ただ、大手企業以外はパンフレットなども少なくて、「口伝えで説明」が若干心許ない気がしましたが…。ドローンは「技術的にはすごいこと」なのに、上手く拡げられないのはちょっともったいないですね。

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そんななか、自分たちの仕事にハマりそうな出展ブース「一般社団法人 ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)」(京都府京都市)を見かけました。興味深い話を聞かせてくれたのは副理事長である上原陽一さん。
「ドローンという存在が一般に広く知られるようになったのは悲しいかな事件・事故ニュースです。まだ危険な玩具的なマイナスイメージがあります。しかし、ドローンは安全に様々な産業に活かせ、生活に役立つ道具であることを知ってもらいたい。ドローンと人々が健全に共存する社会づくりを目指したいと活動しているんです」(上原さん)

DPCAの協会理念の中で、ドローンを役立てる分野として「風景撮影、自然観察、警備、設備点検、測量、輸送・宅配、広告、そして捜索、人命救助…」とあります。
「それ以外にもドローンに関わる業種は無限に考えられます。例えば、私自身は保険業に携わっていましたが、ドローン関連の保険商品も提案・販売もしていけるわけです。アイデア次第、これからの業界なんです」(上原さん)
上原さんの「ドローン撮影を考えているのなら2オペ(ドローン操縦1人+撮影1人の2人オペレーション)も視野に入れた方がいいですよ。その方が撮影に専念できます」というアドバイスも大変参考になりました。ありがとうございます。

■一般社団法人 ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)
公式サイト:https://www.dpca-japan.org/
Facebookページ:https://www.facebook.com/dpcajapan/

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全国に拡がるドローン・スクール

ドローンがいろんな分野で使えると分かっても、やっぱり必要なのはドローン操縦のスキルと法の知識や操縦者のリテラシー。ドローン運航上の「安全に関わる知識(電波法・航空法・気象等)」を学べて、高い操縦技能を持つ操縦士の養成を行うのがドローンスクールです。

全国にはドローンスクールが増えていますが、一番多いのがJUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)の認定スクールです(←このページで全国の認定スクールを探すことができます)。
JUIDA認定スクールではライセンスの取得もできるそうですよ(JUIDAの規定や申請手続きが必要)。これは是が非でも学びたい!

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ここで良いアドバイザーに出会いました。認定スクールの1つ「Dアカデミー関東 埼玉校」(埼玉県川越市)の運営に携わる(株)ジュンテクノサービスの平田雅之さんです。平田さんには結構な長時間、ドローンに関する情報をたくさん聞きました。

「ライセンスは取得しておいた方がいいと思いますよ。無人航空機の飛行の許可が必要となる空域以外で、200g未満のドローン撮影なら現在のところ許可はいりませんが、ドローンを操縦時に免許を所持・携帯して、いざという時に提示できるというのは大きな強み。仕事でドローンを使うとなればなおさらです。それにこのライセンスは自動車の免許同様に自分の履歴書に記載できる資格なんですよ」(平田さん)
どうやら、そのうち全て免許制になりそうな気配だそうです。ライセンス取得するなら今のうちかもしれません。

▲Dアカデミー関東 埼玉校(ジュンテクノサービス)の平田さん(写真右)

「現在のところドローンの活用は輸送などが話題になっています。それ以外にもありとあらゆる業務に展開が考えられます。考えの糸口としては、ドローンの特徴をもっとよく知ってもらうこと。例えば、ドローンはひとが簡単には行けない場所に行くことが可能です。高い所かもしれないし、危険な場所かもしれない。大がかりな準備なく、そういう場所で作業ができます。それにドローンは飛ぶと同時に宙に留まること(ホバリング)ができる。それによっての作業も考えられるわけです。ドローンで釣りをする人もいるそうですよ(笑)。それは遊びですけどね」

後日、平田さんは東北の被災地でドローン体験会を開催して、喜ばれたようです。なるほど、そういう社会貢献や支援・応援にもドローンを活かせるわけですね。平田さんはドローン業界を楽しんでるように感じました。平田さんの説明はとても分かりやすく、楽しかったです。ありがとうございました。

Dアカデミー関東 埼玉校
公式サイト:https://www.d-academy-saitama.com/
Facebookページ:https://www.facebook.com/238606413251121/

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これからドローンは、トイ(趣味分野)と業務用の住み分けが進んでいくでしょう。ドローンは道具としておもしろい。人の役に立つこと、楽しいこと、人間にはなかなかできないおもしろいことができるツール。そして、その「おもしろいこと」を考えつくのは人間です。操縦するのも人間です。まだまだ課題はありそうですが、産業としてどう拡がっていくのかがとても楽しみです。

「Japan Drone2017」には3日間で9603名(登録来場者)が訪れたそうです。決して華やかではありませんでしたが、真面目で堅実な印象を強く持ちました。
このイベントから戻り、購入したいドローンの機種を(心の中で)絞り込めましたよ。ドローン・スクールにも通いたいと前向きに考えている最中です。そのうち、アーク制作物のアイテムが増える日がくるかも!(笑)

▲ドローン(DJI)のフライトショーケース(音が出ます)

●撮影(スチール/ムービー)= 清水亮一(アーク・コミュニケーションズ
●文章協力、撮影(iPhone)= 魚住陽向フリー編集者小説家
●編集= 大山勇一