高級ホテルの味をリーズナブルに提供する「洋食屋アターブル」:Ustラヂオのロケ訪問記・第2回

前回から始まった連載「Ustラヂオのロケ訪問記」。今回は一軒家の洋食屋さんです。アークは関東圏内の「まっぷる」や「日帰り 大人の小さな旅シリーズ」なども制作しており、街歩きガイドブック制作に強いのですが、埼玉・草加市はなかなか取材する機会がありませんでした。地元に強いUstラヂオさんの取材で新たな草加の魅力を知ることができます。チャンスがあれば草加の街歩きの際にお役立てください。(公開:2018年8月8日/更新:2022年3月5日)

▲モルタルの壁と、アンティークのテーブル・イスが落ち着いた雰囲気を醸し出しています。写真左から店長の阿久津修さん、レポーターの松永真穂さん、グレート義太夫さん(動画のスクリーンショットなため、ボケたりブレたりしているのはご了承ください。以下同)

「リノベーションスクール」参加で改装した洋食屋さん

2回目の登場になります。月曜夜のお約束『Ustラヂオ』です。配信はお聴き頂けましたでしょうか? まだという方は下記からUstラヂオへお越しください。

そんなUstラヂオとアーク・コミュニケーションズさんのコラボ企画「Ustラヂオのロケ訪問記」。もう少しかみ砕きますと、草加市内にあるお店や会社をグレート義太夫さんと女性出演者がレポートするコーナー「草加めぐり」が番組内にあります。そのロケの様子や映像に収めきれなかった情報を文章で説明する記事です。

★レポーター紹介★
グレート義太夫(ぐれーと・ぎだゆう)
お笑い芸人、タレント。言わずと知れた「たけし軍団」の一員。ミュージシャンでもある。「Ustラヂオ」では、他のパーソナリティたちの良きお父さん(おじいちゃん)的な存在であり、癒し系である。
ブログ:https://ameblo.jp/gidayu/
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松永真穂(まつなが・まほ)
元声優。現在は芸能活動を休止。

7月9日配信回で紹介したのは「洋食屋アターブル」。今年(2018年)5月22日にオープンしたばかりで、メディアで紹介するのは初めてとなります。「初めての取材がうちでいいのか?」と、Ustラヂオの中の人はドキドキしていましたが。

▲キッチンも家庭の台所を取っ払って作ったそう。お客さんから調理している姿が見えるのは安心感がありますよね

店長の阿久津修(あくつ・おさむ)さんは、リーガロイヤルホテル東京1階のダイニング フェリオでシェフを務めていた方。つまり、高級ホテルの味が草加市で堪能できてしまうわけです!

「ゆっくりと食事を楽しんでもらいたい」という店長の思いを反映するべく、お店の内装から手作り。草加市が行っている「リノベーションスクール」に参加し、民家だった物件を設計士さんと2人で自ら改装したそうです。

リノベーションスクールとは、空き家や空き店舗、空き地などの遊休不動産を題材物件としてオーナーに提供してもらい、「ユニット」と呼ばれる10人程度のチームを組み、その物件を活用した事業プランを作り上げ、提案し、実事業化を目指す、極めて実践的なスクールです。(中略)実事業化については、スクールの受講生の他、エリアのプロデュースやマネジメントを行う民間型まちづくり会社(家守会社)が行う場合もあります。(草加市「リノベーションスクール@そうか」より抜粋)

小さい子どもを連れていても安心な座敷席

店長のもうひとつの思いは、「小さい子どもを連れた家族にも、ゆっくりと食べてもらいたい」というもの。そのため、奥には座敷席もあります。もちろん、お子さんが飽きないような工夫もあります。

まず、座敷席に入ってすぐ目に飛び込んでくるのがハンモック。レポーターの松永真穂さんが揺られてみると、本人のテンションが上がりまくり! いわく、「25歳でもこれだけ興奮するんだから、小さい子はもっと楽しめるはず」。同じくレポーターのグレート義太夫さんから「一般とはちょっと違う(天然な)25歳だけどね」とツッコまれていましたが、確かに子どもが大喜びしそうです。

▲ハンモックに揺られて上機嫌な元『ラブライブ!』声優。横に寝転がりたくなるところですが、縦に乗るのが正解なのだとか

さらに、壁には黒板が。自由に落書きをしていいそうです。育児中の親御さんから、「子どもが壁に落書きをする」なんて悩みをよく耳にしますが、黒板にチョークで書く分には困りませんよね。

この座敷席は人気で、ディナーではなかなか予約が取れないとか。ランチタイムは予約制ではないため、開店の10~15分前から奥様方が店の前に並んで待っているそう。そして、一度入ったら閉店まで出てこないとか。「お時間なので……」と声をかけるのは心苦しいと店長がおっしゃっているので、クローズタイムになったら自分から退出しましょう。ちなみにランチタイムは14時まで、ディナーは22時までです。

▲グレート義太夫さんに「何か描いてみな」と促され、正体不明のクマを描いた松永真穂さん(25歳)。自分が大切にしているぬいぐるみ「クマミ」とのこと

3日間かけて一からひいたデミグラスソースが絶品!

お店の雰囲気を満喫したら、次は料理を満喫したいですよね! ランチタイムメニューに視線を落とすレポーター2人。その値段に驚き。「ハンバーグステーキ デミグラスソース」(スープ、ライス付き)が1200円、オムライスが900円です。考えてもみてください。リーガロイヤルホテル東京の元シェフが作るハンバーグとオムライスが、ですよ。これがいわゆる「草加価格」です。

草加市は街としての歴史が古く、昔から住んでいる人たちが多くいます。また、農業を営んでいる家もあるため、食に対する物価感覚がおかしいのです。

しかも、「アターブル」さんのデミグラスソースは、一からひいているもの。鶏ガラと牛すじをオーブンで焼き、野菜と一緒に1日半煮ます。その後、トマトと小麦粉とバターでルウを作り、最終的には3日間煮込むそうです。近頃、「どこのハンバーグも煮たような味がする……」と感じることはありませんか? それはデミグラスソースのせいかもしれません。一度、「アターブル」さんのハンバーグを味わってみてください。

オムライスは、卵でチキンライスを包む昔ながらのもの。今はチキンライスの上に半熟のオムレツを乗せ、ナイフで開いて食べるのが主流となっているため、「珍しい」と写真を撮り、SNSにアップする人が多いのだとか。

そして、このオムライスもタダの代物じゃありません。リーガロイヤルホテル系列1階のレストランといえばオムレツ。朝食バイキングでも、列に並ぶと目の前で焼いて提供してくれます。卵に包まれたチキンライスも、先にバターライスを炊いて冷ましてほぐしているそうです。そのため、ご飯がくっつかず、パラパラとした食感を味わえるわけです。
実際に食したレポーター2人。もちろん完食しております。

▲人気のハンバーグとオムライスを前に、説明を聞く2人。お昼ご飯を抜いているので、早く食べたいのをグッと我慢しています

義太夫さんが「お客さんの入りはどうですか?」と尋ねると、「おかげさまで」と答える店長。開店前の想像を超えるお客さんが来ているそうです。本当はもっとスロースタートにして、徐々に広めていくつもりだったのだとか。しかし、開店2か月にして、リピーターのお客さんを飽きさせないためのメニューを出さなければ……と考えているほどだそうです。うれしい悲鳴ってやつですね。

▲いざ実食。もうおいしすぎて義太夫さんの顔もとろけてます(笑)

ちなみに、「アターブル」とは、フランス語で母親が子どもに「ご飯ができたよ」と呼びかける言葉なのだとか。その響きが好きで、お店の名前にしたそうです。また、店長が阿久津さんなので、「阿久津のテーブル」という意味も込められているのだとか。

小さい子どもや良い年の重ね方をした夫婦に、店長が「ご飯ができたよ」と呼びかける。そんな情景が浮かんでくるようなお店でした。

「草加めぐり」は、YouTubeチャンネル「Ustラヂオ」で配信中。
アーカイブ公開もご覧になれます。
「Ustラヂオ」配信ページ 番組ブログ Twitter Facebook

洋食屋アターブル
営業時間:
ランチ 11:00~14:00
ディナー 18:00~22:00
定休日:月曜日
住所:埼玉県草加市住吉1-11-66
TEL:048-951-3036
Facebook:https://www.facebook.com/yousyokuya.atable
Instagram:https://www.instagram.com/atable.soka/
アクセス:東武スカイツリーライン草加駅より徒歩約7分

取材・撮影・文=「Ustラヂオ」中の人
編集=魚住陽向フリー編集者、小説家