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[富山の酒とかまぼこフェア2015]に行ってきました(イベントレポート)

2015.10.16(Fri)

こんにちはライターの魚住です。編集者でもありますが、「アークのブログ」では企画から取材・執筆まで担当しています。
昨年、『日本酒の図鑑』(監修:君嶋哲至/KADOKAWAメディアファクトリー)の編集をお手伝いし、これまで以上に深く日本酒好きになりました。また、富山県出身かつ魚やかまぼこ普及活動をしている関係上富山の酒とかまぼこフェア2015というイベントは見逃せません。2014年に引き続き、参加してきました。今回は当日の様子をレポートします。

富山の酒とかまぼこフェア2015
[日時]2015年10月4日(日) ①13時の部/②15時の部
[会場]東京交通会館12階(東京・有楽町)
[主催]富山の酒とかまぼこフェア実行委員会(富山県酒造組合、富山県蒲鉾水産加工業協同組合、富山県アンテナショップ・いきいき富山館
[後援]富山県・水産庁・(社)富山県観光連盟

富山県出身者(東京在住)だからあえて言いますが、富山県は全国的には地味な県です。どのあたりにあるのか位置さえ知らない人もいます。北陸新幹線が開業しても金沢の「一人勝ち状態」で、富山素通り感が否めません。
ところがこのイベントに来ると、富山名産品好きな人が集結していて、大混雑ぶりに非常に驚きます。「富山出身じゃないのに、富山を好きになってくれてありがとう」と一升瓶の陰に隠れてそっと涙を拭う(大げさ)魚住なのです。

このイベントは2部の入れ替え制。それぞれ定員350名のチケットは完売状態でした。つまり計700名が富山の酒とかまぼこのために集まったわけです。
この日、開場1時間前から、富山のおいしい日本酒の試飲かまぼこの試食(ともに気に入ればその場で購入可能)を楽しみにして来たお客さんが大行列。前売り券を購入済みにも関わらず気が急いています。何故なら、お目当てのおいしいものが品切れになる可能性があるからです。

「富山は知る人ぞ知る県でいてほしい!」

お客さんの多くは30〜70代と幅広く、日本酒好きグルメ旅好きといったところ。男女比は7:3ぐらい。定年退職後の悠々自適な生活を楽しむシニアも多そうです。

奥様と来場していた小知和(こちわ)さんは「僕は富山県に縁もゆかりもないんだけど、ひょんなことから富山に関わったんですよ。それがきっかけで何度か富山に行ったり、おいしいものを知ったりして、今やすっかり親戚気分ですよ(笑)」と笑う。このご夫婦のように、富山出身者じゃないお客さんがほとんどです。

1人で来場した都内在住の杉山さんも「おいしい日本酒とかまぼこに惹かれて来たんですよ。どこの銘柄がおいしいのかもあまり詳しくないよ(笑)」とのこと。開場前にしっかりレクチャーさせていただきましたよ。

日本酒好きだけど1人で行きにくいという女性も心配ご無用。会場の所々で知らない者同士が立ち飲み屋のように盛り上がっていたので、「酒友」づくりにはピッタリの場所ですね。便利な「お猪口ホルダー」(100円ショップで購入したミニバケツとひもホルダーを繋いだもの)を手作りして持参した試飲会マニアの強者も発見しましたよ。
皆さん、口を揃えて「富山はおいしいものがたくさんある知る人ぞ知る県でいた方がこちらとしてはありがたいな。これ以上、メジャーになって大混乱とか入手困難は困るからね(笑)」
なるほど。皆さん、良いと思ったものは誰にも教えずに1人で楽しむタイプですね。

「米どころは酒どころ」酔いに来られぇ〜

意外と知られていませんが富山は新潟に次ぐ米どころ。地形・気候ともにおいしい酒米を作るには最適な地域です。この日はおいしい日本酒を造る蔵元さんが17軒も出展。通な酒呑童子たちが日頃入手困難な日本酒を手に入れようと会場に溢れていました。
特に一番人気は勝駒(清都酒造場)。この銘柄は通販はしておらず、造られる数も多くはありません。富山で有名な入手困難な銘酒であり幻の酒と呼ぶ人もいます。購入整理券も試飲もあっという間になくなってしまいました。
「うちは大量生産できませんし、通販もしてませんが、地元の酒屋さんなどにお問い合わせして、来てくれたら買えるかもしれません。北陸新幹線も開業しましたし、よかったら高岡へ観光ついでに買いにいらしてください」(清都酒造場・清都さん)

毎年、成政(成政酒造)はお燗のおいしい呑み方をレクチャーしてくれて、着実に固定ファンを増やしているようです。また銀盤(銀盤酒造)は富山を代表する銘酒の一つ。最初は静かなスタートを見せる老舗も中盤からは大忙し。うちの実家の晩酌は「銀盤」でしたよ。個人的には満寿泉(桝田酒造店)も大好きです。もちろん、どこの蔵元にも行列ができ、大盛況。口べたで呼び込みが苦手な杜氏さんや職人さんも饒舌なお客さん達に質問攻めにあっている様子は見ていて微笑ましかったです。嬉しい悲鳴ってやつですね。
[富山の酒蔵/17出展]※下線はリンク付きです
「黒部峡(林酒造場/朝日町境)」「幻の瀧(皇国晴酒造/黒部市生地)」「銀盤(銀盤酒造/黒部市荻生)」「北洋(本江酒造/魚津市本江)」「千代鶴(千代鶴酒造/滑川市下梅沢)」「満寿泉(桝田酒造店/富山市東岩瀬町)「羽根屋(富美菊酒造/富山市百塚)」「風の盆(福鶴酒造/富山市八尾町)」「おわら娘(玉旭酒造/富山市八尾町)」「よしのとも(吉乃友酒造/富山市婦中町)」「勝駒(清都酒造/高岡市京町)」「曙(高澤酒造場/氷見市北大町)」「若鶴(若鶴酒造/砺波市三郎丸)」「太刀山(吉江酒造/砺波市若草町)」「若駒(若駒酒造場/南砺市井波)」「成政(成政酒造/南砺市舘)」「三笑楽(三笑楽酒造/南砺市上梨)」

蒲鉾と「うんまいこと言いのごっつぉ喰らい」

突然ですが、私の亡くなった祖母は「調子のいいことばかり言う」「チャッカリしたヤツ」のことを富山(魚津)弁で「うんまいこと言いのごっつぉ喰(く)らい」と言っていました。つまり「調子の良いことばっかり言って、いつの間にかおいしいものをたらふく食べてるヤツ」のことで、食べ物に限らず「調子よく、オイシイところをかっ攫うヤツ」という意味でもあります。これを言うのは怒ってる時ではなく、ちょっと呆れて半笑い。「憎めないヤツ」というニュアンスです。

話がズレましたが、実はこの「うんまいこと言いのごっつぉ喰らい」が富山県民は嫌いじゃありません。この日出展していた富山の蒲鉾屋さんたちは、大勢の「うんまいこと言いのごっつぉ喰らい」さん達相手にニコニコだったことは間違いありません。お客さんも試飲のおちょこ片手に、つまみのかまぼこ試食を求めて、赤い顔で会場をさまよっていました。
私のオススメですか? 実家が魚津港で代々漁師の網元だからというわけではありませんが、鮨蒲本舗 河内屋(魚津市)ですね。お酒にピッタリのスティック蒲鉾[棒S(ボウズ)]はこちらが元祖!それからキュートな肉球かまぼこ[にゃんかま]が大人気の生地蒲鉾(黒部市)。「おさかなマイスター アドバイザー」という資格をもつ魚住が太鼓判を押します。「越中富山 すりみ焼」実演販売をしていた天野屋蒲鉾店もおいしそうで行列ができていましたよ。

[富山の蒲鉾店/9出展]※下線はリンク付きです
生地蒲鉾(黒部市)」「鮨蒲本舗 河内屋(魚津市)」「滑川蒲鉾(滑川市)」「女傳商会(富山市)」「梅かま(富山市)」「四方蒲鉾(富山市)」「新湊かまぼこ(射水市)」「富山ねるものコーポレーション 麻善蒲鉾/今村蒲鉾(高岡市)」「天野屋蒲鉾店(高岡市)」

高岡は「鋳物職人と銅器の町」やちゃ

毎年、このイベントで欠かせない存在が鋳物職人の町・高岡からの出展。酒器をはじめとしたテーブルウェアなど、スタイリッシュな錫や銅の伝統工芸品が並びます。能作では他にもインテリア雑貨、照明器具、建築金物など幅広く手がけているようです。錫100%のカゴは用途や気分に応じて自由に曲げて使える驚きの商品。テレビの経済ドキュメンタリー番組などで見た方も多いと思います。ものづくり日本において注目企業の一つですね。
[能作]http://www.nousaku.co.jp


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こんなおいしいイベントに残念ながら行けなかった方々は、ぜひ富山県を訪ねてみてください。もしくは東京・有楽町の交通会館B1Fにある富山県アンテナショップ「いきいき富山館」においしいものを山ほど買いに来ませんか?
それでは来年(2016年)の富山の酒とかまぼこフェアでお目にかかりましょう。ごちそうさまでした。

[お問い合わせ]
富山県アンテナショップ・いきいき富山館
[住所]東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1F
[営業時間]10:00~19:00(日祝 〜18:00)
[URL]→http://toyamakan.jp


●撮影・文= 魚住陽向 (フリー編集者、ライター、小説家)
●編集=大山勇一